囃子

憧れ

空が青いのは海が青いからだと言う。水は少量では透明で色の無いようだけど、その中に青い光を持っているらしい。
僕はその海に浮かんでいる。馬鹿馬鹿しい程に青く、広い。
沖に行ってしまった友達は小さくて吹き飛ばしてしまえそうだ。
束の間、心に僕以外などいない事を感じる。どこまでもついてくる自分が菊華の様にしなやかならいいと思う。
無いものをどれだけ再生したところで、少しずつ抜け落ちて間抜けな夢みたいになっていく。
それが思い出というものでノスタルジーを生む理由の一つなんだ。
大した夢など無い、ただ明日に変わるという時間を美しいと思ったまま死んでいきたい。
この海が空に溶ける光の様に柔らかくなりたい。

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