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【詩】孤独へ

ああ、
突然置いて行かれて
戸惑っていた
別れの言葉なんて無かった

目の前から消し去れば
自由になれると思っていた

水の中
もがくように
過ごしていた

夜明け前の街は誰もいない
消えかけた白線を伝って
遠くへ行った

例えば小さく
風に揺れる花を見つけて
その側から見上げた空は
きっと澄んでいてあたたかい
あたたかい

がらんとした交差点
突っ切って
知らない道も歩いて
どこか遠くへ

夜が明けたときのことを話そう
春のことを
明日からのことを