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【詩】月日

消えてしまった
あの人の声も
姿も

小さな世界に逃げ込みたい
時の流れも大人しい

足りないんだと言って
誰も見なくなった夜空を眩い光で覆った

それでも今日はまだ物足りない
酸素も間も無く底をつく

たくさん眠ったのに眠くなったのは
揺らめいている木の葉の色
溢れた光と影を掬って
優しさを見ていたから

明日の僕らもきっと美しいよ
今日の夜明けの空の色には
もう二度と出会えないのに
流れていくんだ

小さな光を握っていた
昨日と同じ時間に目が覚めた
呼吸の度に遠くなった
僕らの日々と