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看板製作で大切にしていること

●美しい物があれば人は足を止めるものだと思う。

物でも風景でもつい足を止めて見入ってしまうことがあります。

雲の切れ間に沈む夕日、雨に濡れた紫陽花。綺麗な色の絵画。上質な革製の鞄。
僕は色んな物に足を止めてしまうので、怪しいと言われることもしばしばですが、人は無意識のうちに美しい物に惹かれるものかなと思います。

派手さや大きさは無理やりに感情をこじ開け飛び込んできますが、美しいものにはスッと心の中に入ってくるような切れ味があります。


●街中の看板がちょっとしんどい

街中にはたくさんの看板や標識、言葉があって、競い合うように派手で大きく、自己主張をしています。
人に伝える為のものなので、それはそれで仕方の無いことなのかもしれませんが、道を歩いていても必ず目に飛び込んできて、意識に働きかけてきます。

疲れている時や精神的に落ち込んでいる時には、街中の情報の多さに圧倒されてしまう事もあって意識への暴力がすごいと感じます。
見たくも無い物を見せられたり、知りたくもない情報を無理やり目の前に突きつけられるのはツライものです。

この看板の「目立ち合戦」には終わりが無くて、大きく目立つ看板が出来れば、さらに大きな看板を作り、その横にはLEDが光り映像が流れる看板ができます。

そうすることで街の景観がどんどん崩れてしまっているんじゃないかと思います。


●アイアン看板で人の足を止めたい。

最近、看板の依頼を頂く事が増えてきました。
アイアンで造る看板は派手さはありません。
人の目を惹くような大きな文字もありませんし、派手な色味もありません。

製作の際に心がけているのは、「造形として美しいかどうか」ということです。
先述のように、人は美しいと感じるものがあれば自然と足を止め、見入ってしまうものだと思います。

だから看板の大きさや派手さは必ずしも必要ではありません。


美しさで人の足を止め、そして情報を伝える。


人の感情にドカドカ入って行くのではなく、相手が自然にドアを開けてくれるというのが理想です。


●看板の役割

個人的に看板には2種類の役割があると考えています。

1つは存在を知ってもらう役割。
もう一つは入り口を美しく飾る役割です。

自身の存在を知ってもらうためには、街行く人に知って貰わないといけません。

でも看板は訪問者が最初に出会うお店の顔でもあります。看板一つでこれから訪問する場所の期待値が上がったり、ワクワクすることがあります。

だから美しく、存在感を放つ看板で人の足を止め、そして期待にワクワクさせたいと思っています。

そうすれば街の景観も壊さないし、お店の存在を知ってもらう事もできる。
それに街中に美しい物が増えれば、街や人がちょっと幸せになると思います。


街中を歩いているとそんな事をふと考えます。
理想ばかり先立ちますが、そんなものづくりをしたいと考えています。

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サニーサイドスタジオ 高嶋洋和
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