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モノづくり思った事、考えた事。

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サニーサイドスタジオとしてモノづくりをする中で考えたコトや、頭の中のコトを書いています。
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#モノづくり

幸せの形は1つじゃないので

娘さん(36歳)の彼氏が独立をしたがっている。そんな人と結婚したら娘が幸せになれないかもしれない。 でも結婚に反対したらもう子供を産めないかもしれない。という60代の女性から相談を受けました。 旦那さんには安定した仕事をしていて欲しい、苦労して欲しくないという親心は分かります。 でも幸せの形は1つじゃないし、不安定=不幸って訳でもありません。 夫婦で一生懸命生きる事も幸せなんじゃないかというような話をしました。 僕の実体験も話してたくさん不安を煽ってしまいました。 でも勤

「なんで職人さんて寡黙なの?」という疑問に自分なりに答えてみた。

職人という言葉を聞いてどんな事を連想しますか? 真面目、とか、強面とか、不器用とか。 人によってもちろん違いますが、よく言われるのが「職人さんって寡黙ですよねー」ということ。 これは特に一般の方が職人の仕事中の様子を見て感じるようです。 僕自身、職人として色々な物を作ってきたし、色んな職人さんと話す機会がありました。 そこで僕なりに「職人が寡黙なのはなぜか」という事を考えてみたので書いてみます。 「没頭しすぎて周りと意識が切れている」まず職人さんはイメージとは裏腹で意外

「気がつけば夕方」という幸せな時間

モノづくりをしていると、ふとした瞬間にまわりの音が消え、時間が止まったような錯覚に陥ることがあります。 そんな一つの対象に「没頭する」という感覚が好きなのですが、自分で没頭できる瞬間を追い求めても、なかなか訪れることはありません。 突然なんの前触れもなくやって来て、気がついた時にはもう過ぎ去ってしまっています。 僕は子供の頃、工作が好きで、ご飯を食べるのも忘れて没頭していました。 ともだちと遊んでいるよりも、アニメを見るよりも何かを作っている時が最も時間を忘れて没頭する

個人事業主の失敗から学ぶ方法と、失敗に対してどう向き合うか。ということを考えてみた。

以前先輩が、上司の仕事は部下の失敗をコントロールすることだと教えてくれました。 上司の仕事は部下に失敗させないのでは無く、部下が失敗からきちんと学びを得ているかの確認や、失敗が致命傷にならないよう管理する事で、決して正解を教える事が仕事ではないと。 ●致命傷を負わずに失敗から学ぶ方法。 では上司のいない個人事業主はどう失敗を重ね学ぶべきかと考えました。 個人事業主は失敗もフォローも傷の手当ても全て自分でしなければなりません。 会社組織のように誰かが助けてくれたり、上司が

看板製作で大切にしていること

●美しい物があれば人は足を止めるものだと思う。 物でも風景でもつい足を止めて見入ってしまうことがあります。 雲の切れ間に沈む夕日、雨に濡れた紫陽花。綺麗な色の絵画。上質な革製の鞄。 僕は色んな物に足を止めてしまうので、怪しいと言われることもしばしばですが、人は無意識のうちに美しい物に惹かれるものかなと思います。 派手さや大きさは無理やりに感情をこじ開け飛び込んできますが、美しいものにはスッと心の中に入ってくるような切れ味があります。 ●街中の看板がちょっとしんどい

モノを「買う」以外にも、「作る」という選択肢があると知って欲しい。〜作り手との距離感と、溶接ワークショップのこと〜

モノづくりという仕事をしていると、製品を通じてお客さんと接することが殆どです。 でも間に製品を挟んでいる分、お客さんの間に距離ができてしまう事があります。 製造業をしている限り仕方の無い事なのですが、もっとお客さんにはモノづくりをする工房を身近に感じて貰いたいと思っています。 で、この距離をもっと縮めるにはどうしたら良いのか考えていました。 どんな道具や機械を使い、どのように製作しているのか。またどんな人が何を考えてモノづくりをしているのか。 これは完成したモノをただ並べ

世代を超えて残るモノってなんだろう〜祖母の農具を眺めながら考えた事〜

先日、自宅の引っ越しをしました。 普段動かさないような家具も綺麗に拭き上げて、トラックに乗せていく。 10年程前に買った某大手メーカーの家具は、新婚時代に揃えた物。 若くお金も無い中、妻と色々と話し合って決めた家具達ですが、さすがに随所に痛みや劣化が見られました。 最近ではキズの他に、娘が描いた可愛い落書きも増え、時間の流れを感じます。 モノを作る際に、大切にしている事今、僕はサニーサイドスタジオというオーダーメイドのアイアン工房を営んでいます。 お客様とお話しをして、出