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『初めてのインドひとり旅』2日目

◎2日目10/14

意外と熟睡できた朝、期待と少しの緊張感で早く目覚める。カプセルホテルをチェックアウト。昨晩は何も食べてないせいかお腹が空いた。空港の吉野家で朝ご飯。店員4人中、3人が東南アジア系の海外の若い男性だった。ウチの店も海外の方にお願いする日がくるのかな、なんて考えながら食べ終えた。

久しぶりに食べた吉野家の牛丼

先ずはセントレアから羽田空港。そしてデリーへ。航空会社は旅に不慣れなので、少し高いがANAにした。約8時間のフライト。機内で映画を2本、ドキュメンタリーを2本を観て、2回の機内食を食べた。

普段食べられないから機内食嬉しい

上空10000メートル以上を飛び、外気温がマイナス50°近い。窓から外を見ると、白い雲の彼方に、エベレストが頭をのぞかせていた。自然の偉大さと、あんな高い山に登る人間の能力に感激した。 

あなたエベレストですよね?

デリーの空港に着陸直前の飛行機から見下ろす風景は、ボロボロで廃墟のようなマンション群、国の施設でろうか、国旗が高々と掲げられた大袈裟な建物。何でもないところに生えているたくさんの木々、ものすごく渋滞した道路。日本とはかけ離れた景色だった。ほどなくして、インディラガンディー空港に着く。
空港で入国審査。友人の助けとネットのおかげで取れたe-VISA。これで5年間はインドに何回も入国できる。空港内で日本円からルピーに両替した。その後、翌日デリーからバラナシへのフライトの事で不安だったため、インド国内線航空会社のカウンターを探す。誰にきいてもはっきり教えてくれないなか、1人の口ひげを生やした警備員のような制服を着た男性が、こっちから入れてやるよと、手招きしてゲートのようなところから奥のエレベーターに乗せてくれた。そのエレベーターは、到着フロアーから上の出発フロアーに行けるものだった。国内線のカウンターで質問するも、私のつたない英語では相手が苦笑い&困惑するばかりでらちがあかない。なんとかひととおり質問してほぼ納得したので、空港の外へ出ようとしたところ、出口の所にいる警備員(後日警官だと知りました)のような連中に止められる。ここからは出られないと。

警備員だと思ってたのは警察官だった

インドの空港は、入り口に検問があり、搭乗券とパスポートが無いと空港内には入れない。という事は、出るのも制限されるという事か!なんて事だ!私は、イレギュラーの侵入者になってしまったのだ。いくつかの出口に行くも、どこも警察官に追い返される。それならと、エレベーターに乗せてくれたヒゲおじさんの所へ戻って、あそこから到着フロアーに出してもらおう。急いで来た道を引き返し、ヒゲおじさんに、用事が終わったから出してくれと言うと、まさかの「ここからは出られない」との答え。しばらく粘るも、全く聞き入れてくれない。またエレベーターに乗り、出発フロアーの先ほど問い合わせに来た航空会社のカウンターへ戻った。そして、その時対応してくれた教育ママみたいなインド人女性に「ここから出るにはどうしたらいいか?」とスマホの翻訳ソフトにヒヒンドゥー語の訳を表示して見せた。先ほど問い合わせした時、つたない英語でさんざん呆れさせてしまったママは「また来たの?」と言わんばかりの表情。しかし職務には意外と忠実で「なんとかしてやって!」と近くにいた若い男性職員に指図をしてくれた。アゴで。その男性職員は、近くの警察官詰め所に私を連れて行ってくれて、頑固そうな警察官のおじさんに出してやってくれと、頼んでくれた。しかし、ひげ頑固おじさんは、私のパスポートと明日のフライトチケットを日本からプリントアウトして持参した用紙を一瞥すると、ダメだと首を横に振った。そこから、わたしの弁護役の航空会社の男性職員は諦めて次の職員を連れてきてくれ、ようやく3人目の男性職員の熱い説得のおかげで、2時間後に空港の外に出ることができ、わたしは、その男性職員に心からのお礼をまたしてもつたない英語で伝えて別れた。

とてもきれいインディラガンディー空港

さて、無事空港の外へ出てほっと一息つく間も無く、今度はタクシーの客引きわっしょいタイムである。断っても次から次へと、サメの歯みたいに客引きが寄ってくる。今晩は、ニューデリーの安宿街パハールガンジのゲストハウスに予約をしているので、客引きをやり過ごし、空港から地下鉄に乗った。

とてもきれいな地下鉄ホーム

地下鉄のチケットを窓口で200ルピー札で買うも、まさかのお釣りがないからカードで払えとのこと。券売機はあるものの壊れているのか誰も使っていない。

たぶん地下鉄の券売機

インド政府がキャッシュレスを推進しているのか、こんなところでもお釣りがないなんて驚かされた。綺麗な地下鉄でデリー駅へ到着。

ニューデリー駅構内の売店で水を買う

さてここから宿まで無事到着するのが本日のメインイベント。デリー駅から宿があるパハールガンジまでの道は有名な詐欺師がわんさかいるエリアなのである。

インドで初めて声をかけられた客引き

インドへの出発前から、「地球の歩き方」やインド旅のYouTubeを観て予習してきたのでまさにわたしの旅人力が試される実力テストだ。気合いを入れ直し、めちゃくちゃ交通量の多い道路をあらゆる乗り物に轢かれそうになりながら横断すると、先ほどの空港より更にタクシーやリキシャの客引きわっしょいに始まり、物乞いのおじさん、嘘をついて高額なホテルやツアーを組まされる旅行会社に連れて行こうとする詐欺師。その後、私の腕を強引にをつかんで引き止めようとする男にも怯むことなく無事に通り抜け、細い路地を抜けて今晩の宿に着いた。

ものすごく活気がある駅前

初日の宿は、現地の情報を知りたかったので、日本人スタッフのいるゲストハウスにした。扉を開けるとそこには、日本語の話せるインド人の若い男性スタッフがいて、滞りなくチェックインを済ませることができた。

パハールガンジには屋台や安宿がたくさんあった

荷解きをした後、宿泊者の供用スペースへ行くと日本人の旅行者が数人と2人の日本人スタッフの方がくつろいでみえた。まだ日本を発って初日だったのに、空港での件があったので、日本語が通じてとても安心した。目の前に座っていたいかにも旅慣れた感じの男性もこれまでの旅について話してくれたのも楽しかった。旅慣れていないわたしは、初日この宿にしてよかった。

次の日からわたしが行くバラナシという街に、数ヶ月滞在していた宿の男性スタッフがバラナシでシタールとタブラの生演奏が目の前で聴ける場所があると教えてくれた。今回のインド旅のメインであるでバラナシに行く楽しみがまたひとつ増えた。
時計を見るとまだ22時だったが、どうにも眠い。それもそのはずだ、日本とインドの時差は3時間半あるのだから。宿のスタッフに挨拶をして自分の部屋へ戻った。お世辞にもきれいとは言えないわたしの部屋の壁越しに、宿のインド人スタッフの子供が夜遊びしてはしゃぐ声を聴きながら眠りについた。

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