私は運転、夫は携帯
「尽くす」なんて言葉はもう古いのかもしれない。20代の頃は尽くす尽くさないなんてことを友達とよく話したものだ。結婚するともはや尽くすとかいう以前の話で、そんな概念はどこかに置いてきてしまったという人も多いと思う。
普段から夫が携帯ばかりいじっているという話は友人たちからもよく聞く。けれど今日はそんな愚痴話をしたいわけではない。
私たち夫婦の場合、出かけるとなると私が率先して運転をする。夫が運転しようか?と言ってくれるけれども私がする。もともと運転が好きというのもあるが明確な別の理由がある。
著名人やエグゼキュティブたちが運転手を雇うのはこの理由だったりする。彼らの命を守るためという大きな大前提はあると思うが、それ以外にも移動時間を仕事に当てられること(メールや電話、会議など)がかなりの時間短縮になる。
大量のメールが世界中からやってくる夫にとっては運転中はある意味のロスタイムだ。メールを返したいけれども手が塞がって返せない。メールはどんどん溜まっていく。私はどうにかしたいと思っていた。もし彼が運転すれば、その溜まったメールの処理の時間は自宅にいるときに降りかかってくることになる。すなわち家族で過ごす時間が少なくなるということだ。
私が運転している最中にメールの一つや二つ返してくれればそれだけで自宅で仕事をしなければいけなかった時間を短縮できるし一石二鳥だ。
わたしはアメリカの広大な敷地を二、三時間運転し続けることだってするし、高速道路を日常的に利用している。アメリカに住む友人たちに話すと「えっ、高速運転できるの?怖くてできない」という奥さんたちが多くてびっくりしたりする。私はちょっと男まさりなのかもしれない。
確かにアメリカの高速道路はものすごい勢いで走ってくる車も多いし、ウィンカーを出さなかったり容赦なしにクラクションも鳴らされたりする。私も最初の頃は半べそをかきながら運転していた。時にトラックから大きな荷物が落ちてきて道路に転がっていたりする。そんな、日本で考えられないようなことも起こるため怖いという気持ちも十分にわかる。
けれど、ここで生活していくためにはそれに慣れなきゃいけないしメンタルも強くしていかなければいけない。こうやって強くなっていくのか、と最近の自分を振り返って思う。
経営者の夫であろうと24時間という限りある時間の中で家族との時間も持って、事業も成長させて、息抜きもして、となるとやっぱりそれなりの工夫が必要になる。今日はそんな私たちの日常の一つをご紹介した。
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