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夜中24時の運転と助手席の夫

夫との旅行から帰ってきて空港に着いたのは23時半を回っていた。明日から夫はまた出張続き。空港を出たばかりなのに半日以内にはまたここに戻ってくると思うとデジャブ感が半端ない。不幸なことに帰りの4時間にわたる航路ではWifiが使えずに夫は仕事が全くできなかった。仕事が溜まっていく。

空港に着いて自宅まで、こんな夜中の運転を誰がするか?一般的には男性が運転することの方が多いと思うが、私たち夫婦の場合はもちろん私だ。運転好きな私にとっては、「運転させてほしい」と名乗り出るくらいウズウズしたりする。だが、私が運転したいもう一つの理由は別にある。

それは自宅に帰るまでの時間、夫に助手席で仕事をしてもらいたいからだ。携帯でメールをチェックして返信をする、その作業ができるだけでもだいぶ時間短縮になる。夫がここで運転をする理由、両腕が使えない状況にさせる意味合いはどこにもない。それだけ時間が惜しい。

私もかつてはバリバリに働いていたし、電波が繋がらなかった後にやってくる大量のメール、全てに目を通す時間とその返信に時間が割かれることは十分に理解している。20代の頃のその経験がなければ夫に「助手席で仕事をさせる」その行為もできなかったと思う。37歳まで結婚しなくてもよかった理由がここにもある。

結局、自宅に帰るまでの1時間弱、「どっちが運転する?」という会話もなく私が運転席について夫は無言で仕事をしていた。話しかけることもなく音楽をかけることもなく、静かな時間が流れた。

ただ街灯もない真っ暗な道を、車が1、2台しか通りすがらない道を運転するのはやはり怖い。鹿や動物が飛び出てこないか、気をつけながら運転しなければいけない。鹿に衝突したら厄介だからと何度もアメリカ人の友人たちに言われた。

自宅に到着したのは日付を越えていた。

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