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「プールに行っていますか」

夏休み,クラスの子ども達へ暑中見舞いを出しました。

数日後,子ども達から返信が届き始めました。その中の1通に,お母さんからのメッセージが書かれていました。
 
「プールに行きなさい」
私が何度言っても聞きませんでした。
けれども,先生からの暑中見舞い,
「プールに行っていますか」
を見て,その日から行くようになりました。
先生の言葉ってすごいですね。
 
ひと昔前は,夏休みに小学校のプール開放がありました。
地区ごとに時間が割り当てられ,保護者が交代で連れて行ってくれました。旗を持ったお母さんを先頭に,プールバッグを提げた子ども達。
夏の風物詩でしたよね。今ではすっかり見かけなくなりました。
 
話を戻しましょう。
暑中見舞いの,
「プールに行っていますか」
には,特に深い意味はありませんでした。
「8時だョ!全員集合」のエンディング,
「宿題やったか?」
「歯,みがけよ」
みたいな,ちょっとしたあいさつのつもりでした。
 
私の言葉で,子どもがプールに行くようになったのは,喜ばしいことです。しかし,逆に,私が発した何気ない言葉で,子どもが傷ついてしまったら
と思うと,ドキッとしました。

先生の言葉は,子どもに大きな影響を与えます

 子どもの頃,先生から,いわれのないことで,叱られたり,
けなされたりして,深く傷ついた経験はありませんか。
そういうことは,大人になっても覚えていますよね。
もっと言葉に気を配ろうと身が引き締まる思いでした。 

 さて,ここで物語をご紹介します。

「噛みあわない会話と,ある過去について」
 辻村 深月(講談社文庫)
から「パッとしない子」です。
 
教え子が国民的アイドルになり,テレビの取材で母校を訪れます。
教え子と感動的な再会と思いきや,予想外な展開へ。

2025/02/05 私の投稿「スピーチの極意」で紹介した,
原田 マハ「本日は、お日柄もよく」(徳間文庫)と読み比べると,
「言葉の力」について,より深く考えさせられます。
ぜひ,読んでみてください。


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