見出し画像

「守り」から「攻め」のエンジニアへ 私が今装置開発にも関われている理由 堀内 照正 シニアエンジニア

シニアエンジニア(Senior Engineer)の堀内照正さんは、これまで製造業5社で技術サポート業務に従事し、2023年3月に当社にサポートエンジニアとして入社。
装置を開発中の当社には、顧客とともに装置を開発していけるスタートアップならではの面白さがあるといいます。


顧客とともに装置をメンテナンスしながら改良・開発していく

  当社ではどんなお仕事をされていますか。

創業4年目の当社は今、金属リサイクルなどの新しい装置を顧客企業と一緒に開発している段階です。
顧客企業に納入済みの装置を、顧客が求める価値をさらに提供できるように、生産性や品質の向上を求め、改良を重ねています。

私は実験室チームのメンバーとして、主に実験室で装置の準備や事前検証をしています。実験室チームは会社の実験室などで、研究開発(R&D)、PoC(概念検証)を主に担当します。
具体的には、潜在顧客が求める条件で動かせる装置を実験室で組み立て、予備実験や動作検証をしたり、想定外の動きをしないかどうか確かめたりして、購入につなげるのが私たちの主な仕事です。

当社への入社前はフィールドエンジニアとして、既存製品のメンテナンスや修理などを担当してきました。
一般的にフィールドエンジニアやサポートエンジニアと呼ばれる職種のエンジニアは、顧客に納入した既存製品のメンテナンスや困りごとの対応をする役割を担います。このためこれまでのキャリアでは、研究開発やPoCの経験はありませんでした。

我々の研究開発では、顧客に納品予定の試作機を試運転し、様々な実験をします。ただ、まだまだ開発中の試作機なので、実験が想定通りにできなかったり、不具合が起きて修理が必要になったりするときもあります。
そうしたときにこれまでの経験を活かし、すぐに装置を修理しつつ、実施したい実験に合わせて簡単な改造をすることで、実験室チームのほかのメンバーに、スピード感をもって研究開発、PoCを進めてもらうことが私のミッションです。

装置開発の役割分担

その過程で判明した装置の問題点を装置開発チームのメンバーにフィードバックし、装置の改良に加え、さらなる装置開発にもつなげています。それが、私が当社で働いていてやりがいを感じるポイントのひとつです。
問題を見つけたときには自分で直すときも、装置開発チームの人たちに問題点を共有したうえで、一緒に改善方法を考えるときもあります。
顧客とのやりとりは主に装置開発チームのメンバーが担います。今のお客さんは一緒に装置を良くしていこうという前提で購入していただいており、まさに一緒に改良をしているのです

メンバーとともに試行錯誤できる

  仕事にやりがいを感じるのはどんなときですか。

どうしたら我々の装置で顧客の要求を満たす金属の加熱ができるかを考え、試行錯誤して、うまくいったときは面白いですね。

今年の夏、顧客から預かったサンプルの材料を加熱しようとしても、うまく装置内で温度を上げられず、十分に加熱できない問題がありました。

おそらく装置の構造が複雑すぎるのだろうと考え、内部の部品を並び替えたり外したり、サンプルの配置位置を変えたりして、なるべく単純化しました。思いついたことをいくつも試しました。
何度も試行錯誤を繰り返し、2週間ほどかけてようやくうまく加熱することができました。顧客に満足のいく結果をお返しできてハッピーでした。
自分で考えたことを考えたように準備、計画、実行し、結果を共有して、その結果がいいね!となると面白いです。

  逆に、難しさを感じるときもありますか。

社内には、設計に詳しい人や金属に詳しい人など様々な分野の専門家がいて、相談できる人があちこちにいます。
困ったらどうしようかと相談しながら進められます。試行錯誤も一人でやっているわけではないので、どうしようもなくて行き詰まるようなことはこれまでなかったです。

2024年夏、会社初のオフサイトイベントで取り組んだチームビルディングゲーム後にコメントする堀内さん

自由な発想で検証しつつ、安全面にも率先して配慮

  創意工夫の毎日なんですね。

通勤時間が片道2時間と長いので、電車の中で実験の課題を解決できそうな方法を調べ、思い付きで試すときがあります。100均やネットショップなどで身近な道具を用意して、自宅で簡単な検証をしてみることもあります。

先日は、金属材料に付着した樹脂を取り除きたいという顧客の要望がありました。ジェルネイルやアクセサリーなどに使われるレジンを固めるためのUVライトを買ってきて、照射してみました。樹脂が硬くなって除去しやすくなるのではと期待しましたが、びくともしませんでした。

  一方で、実験の安全面にも配慮されているのですね。

そうなんです。約20人いるテックメンバーの半数は今年に入って入社しました。慣れない作業や業務に携わるメンバーも増えてきました。

当社では、思いついたことをどんどん実行していくことが推奨されます。
製造業で、思いついたことをすぐに試せる自由な環境の会社は他にはなかなかありません。
どんどんスピード速く進めていくこととのバランスが難しいですが、事故が起きるリスクが伴う実験もありますから、安全性にもかなり気を配っています。

当社は特に、日々の実験の中で部品、材料、設計などの変更がかなり多く、安全性を確保する仕組みも構築中です。このため、安全性には細心の注意を払っています。
他の人の会話を聞いていると、そのまま実験を進めてしまうと危ないかもしれないと感じる場面がたびたびあります。事故が起きないように、本当にその条件で実験を進めて大丈夫か?と気になったときは率先して確認しています。

危険な可能性がある実験をどうしてもしなくてはならないときは、多様な実験の経験がある私が率先してその検証を引き受けています。

「正解」のない改良の毎日にやりがい

  当社は6社め。これまでの所属はすべて製造業で、一貫して技術サポートに従事してこられたんですね。

はい。これまでは半導体製造装置メーカー、自動車部品メーカーなどに所属してきました。
産業機器のサービス・サポート、技術的な相談窓口、工場の保全管理推進など、様々な職種を経験しましたが、技術サポートという面では一貫しています。

  当社のどんなところに魅力を感じましたか。

新しいプロダクトである装置をこれから作っていくのが面白そうだと思いました。
当時はもちろん、今でも当社は創業数年のスタートアップで、顧客企業とともに金属リサイクルなどの装置を開発・改良中です。
装置に問題点があればチームにフィードバックして、装置を改善していける点に魅力を感じました。

これまで所属した会社では、プロダクトの装置はすでに完成していて、サービスエンジニアの主な仕事は壊れた装置を元に戻すことでした。
ある時、壊れた装置の修理を繰り返す毎日のなかで、根本的な装置の問題に気づいたとしても、それを他の装置に活かすことができないのがもどかしくなってきました。

装置は突然壊れるわけではありません。設計、組み立て、メンテナンス、使い方といった工程の中で、全ての工程の結果が故障として現れるのです。つまり根本的な問題点を直せば、そもそも故障は起きないと考えました。

しかし、装置を生産している本社と顧客の工場が離れている、すでに出来上がっている製造ラインに変更を入れるのはかなり難しいといった問題があり、これまで所属した会社では自分の声を装置生産の改善に生かすのは難しかったです。
せっかく直すなら、直して終わりではもったいない。故障から学び、分析し、改良に活かしたいと考えるようになりました。

装置の修理は故障していない状態が「正解」の状態で、多くの場合そこに戻すことができます。
当社では装置に問題があれば装置開発チームにフィードバックして、一緒に「正解」のない最善を目指して改良していきます。「正解」がないところを目指すのは難しいですが、そこにやりがいを感じています

  当社でエンジニアとして働く面白さをお聞かせください。

当社ではチャレンジしないことが一番良くないので、何かに挑戦することに対してネガティブな反応が返ってくることはあまりありません。相談に乗ってくれる人もたくさんいます。
するべきことはたくさんありますし、そうした環境はエンジニアとしてはハッピーです。

  どんなエンジニアに来てほしいですか?

多くの人と関わって作業をすることが多いので、自分一人で黙々と進めていくというよりは、みんなでやっていくのだという意識で働ける人に来てほしいです。
当社では分かっているふりをするのは致命的なので、不明点があれば素直に聞けるといいですね。

顧客に対して本当に価値のあるものを提供できるのかという検証の繰り返しの毎日です。
そのためには他の人もアイデアを出してくれて、時には夜遅くまで検証実験に付き合ってくれます。そうしてみんなと一緒に改善を目指していけるのは楽しいですよ。お待ちしています!

SUN METALONでは、一緒に働く仲間を募集中です。この記事を見てご興味をお持ちいただいた方はお気軽にお問合せください!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集