金属の専門性を生かし、新しい技術の応用と検証に挑戦 堀健太郎 リードエンジニア
リードエンジニア(Lead Engineer)の堀健太郎さんは、大学院修了後に入社した大手鉄鋼メーカーで6年間、製鋼工程における生産技術に従事。金属加工のバックグラウンドを生かし、2023年5月に当社へ入社しました。
専門性を生かしつつ、新しいことに挑戦したかった
当社ではエンジニアとして、どんなお仕事をされていますか。
私たちが現在開発している金属リサイクルの実験機は、金属を効率的に加熱する独自の新技術を利用して、油や水などの不純物がついた鉄やアルミなどの金属から不純物を除去し、より資源価値の高い金属原料へとリサイクルします。
これまでは顧客企業からの要望に応じて実験のスケジュールを組み、加熱温度の検証など、私たちの技術でどのようにしたら確実に不純物を除去できるか、検証を重ねてきました。
この春顧客企業への実験機の納入が完了したので、現在はその技術を確立するために、生産性向上に向けた実験や研究を主に進めています。
例えば、機械の稼働コストをなるべく下げ、効率的にリサイクルを進めてもらうために、一回あたりの加熱時間をどれだけ短くできるか、一回で扱える原料の数をどれだけ増やせるかといった検証実験をしています。
転職を決意された経緯をお聞かせください。
大手鉄鋼メーカーで働き始めて3年ほど経った頃、当時務めていた製鉄所が数年後に休止することになり、転勤を余儀なくされました。
人口減少などにより国内の需要が減る中で経営状況が悪化し、需要が拡大し競争が激化する海外向けの輸出により集中するために、国内の設備にかかるコストを削減する狙いがあったようです。
当時、幼い子供がいたため、妻と子を残しての転勤、単身赴任は考えられませんでした。
仕事内容や人間関係への不満は一切なかったのですが、製鉄所の休止が決まってからは、休止を見据えた仕事が多くなりました。
休止のタイミングで原料の残量を最小限になるようにするための配合量の調整など、大規模な製鉄所を綺麗に閉じていくための仕事も重要です。ただ、そうした撤退戦のような仕事を続ける中で、もっと新しい技術を開発するような、将来につながる仕事をしたいと思うになりました。 転職活動の軸は何でしたか。
安定と挑戦の二軸で考えていました。自分のスキルを活かしつつ、子供に誇れる、将来の世界に貢献できる仕事に挑戦したいと思っていました。加えて転勤はできないので、地域密着型の中小企業などを候補として考えていました。
学生時代から金属の材料工学を学んでおり、自分の専門性を生かしつつ新しいことをしてみたいと思っていたのですが、ニッチな金属業界で、他の職場を見つけるのは難しかったです。
当社からは転職メディアでスカウトメッセージをもらいました。
スタートアップは安定の観点から対象外でしたが、世界的大手の鉄鋼メーカー、日本製鉄出身者が立ち上げたと書いてあり、「同じ世界の先輩である製鉄の大企業出身者がスタートアップを起こしているのか」と興味を惹かれました。
選考で話を聞いてみると、事業内容は世界初、前代未聞です。まだ誰もしていないことに挑戦しようとしており、面白い。ここであれば自分の専門性を生かしつつ、新しいことに挑戦できそうだと思いました。
芽生えた強い責任感と高いモチベーション
入社して、仕事に対するモチベーションに変化はありましたか。
ありましたね。自分が頑張らないと会社が潰れてしまうかもしれないという思いで、モチベーション高く働けています。
前職の大企業にいたときは、上司が指示を与えてくれる上に、失敗したとしても上司が尻拭いをしてくれるだろうという甘えがありました。
今は自分が仕事を回せなくなったときに、代わりに誰がカバーしてくれて、その分その人が主に手掛けているどの仕事が進まなくなり、きっとこのように玉突きでパンクしていくのだろうということが想像できてしまいます。
自分の失敗が会社のダメージに直結してしまいかねないと実感しやすい環境が、がむしゃらになんでもするぞというマインドに繋がっています。 入社して良かったことには何がありますか。
前職では見なかった動き方をする人たちに出会えたことでしょうか。
「できない」ではなく「できるまで最適解を探す」という泥臭い姿勢と開拓者精神、とりあえず今すぐにできることをする機動力を学びました。
前職の大企業では、すでに採用しているプロセスをそのまま採用し続けることが多かったです。
一方でスタートアップである当社では、これまで加工を委託してきた業者に依頼すると納期がギリギリになりそうだったとき、自分で新しい業者をどんどん探していいよと言われ、目から鱗が落ちる思いでした。
自ら外注先を探し、夕方にアポを取り、翌朝にレンタカーで委託先に出向きました。目的に到達するために手段を選ばない行動力が身に付きました。
実験機の改造をしようとして、正式な部品を買う前に、とりあえず手元にあった物を組み合わせて「なんちゃって改造」をしていた同僚もいました。
装置への深い理解に加えて柔軟な考えと決断力があるからこそできることで、そうした動きができる人と一緒に働くことは勉強になります。
未知の技術を自ら検証していく面白さ
今後、どんな人と一緒に働きたいですか。
ここでは何か進めたいことがあるときに、上司の許可を取る必要はありません。
自分のポジションの裁量の範囲内で、自分で立ち上げたいことややりたいことがある人、変化が楽しめる人、アイデアマンかつプレイヤーになれる人に来てほしいです。
困っていれば他の人に助けを求められること、必要に応じて手を動かしたり調べものをしたりと柔軟に自分の役回りを変えられることも大事です。当社はわからないことがあれば親切に教えてくれる人ばかりです。
当社で働いていて、どんなことを面白いと感じますか。
新しい技術でしようとしていること全てが面白いですね。
私たちが開発した独自技術は、扱い方はおおむねわかってきたものの、細かい原理まではまだわかっていません。
今年春にようやくパートナー企業への納入までこぎつけられましたが、元は今よりももっと原始的な、ありあわせの物で機械を組み立て、その検証から始まりました。自分たちで何をしたらどんな現象が起こるのかを検証し、組み上げていくのは面白いです。
当社での仕事は技術者として挑戦し甲斐があります。
まだ誰も実装したことがない、未知の技術の応用ができる。分からないことを解明できるのは面白いです。自分が育てた技術で社会をより良くしていくことに、一緒に挑戦しましょう!
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