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【ONE PIECE、呪術廻戦、そして"政治"、少なくとも3つを繋げる唯一の言葉〝 大爆発 〟】"103"番外編記事Part1.



筆者的、記事の面白さ:"A+"(S+~Cまでの内)
記事全体の文字数:約18000文字
読み終えるまでに掛かる時間:35~45分

都市伝説的な要素を漫画を用いながら
考察 & 解説していく記事シリーズ。

この記事を読むことで得られるものは、まだまだ世には明かされていない、
都市伝説的な〝 象徴 〟と、それを元に予測できる時代の流れと順序。

いつも解説している、

【境(101)・混沌(102)・復活(103)・産出(104)】

4つのうち、今回は『復活(103)』に関する要素を解説。


この「103番外編記事」は現状、3つか4つの記事に分けて書くつもりだ。
その中でも今回の記事はその初回ということもあって、上にもある通り、
"約18000文字"という長さになっている。

個人的には面白い記事を書けたと思っているが、それでもやはり長い。

目次の中の、下から2番目の小見出しの内容に入る直前の時点で
"記事全体の約半分"となっているので、休憩を入れる場合、
そこで入れることをおススメする。

(注:この記事にはONE PIECE、呪術廻戦、チェンソーマン、ダンダダンの
   本誌最新話までの内容が含まれます。ネタバレご注意ください。)


今回は普段ちょこちょこと解説している101~104の時期に
象徴されるものを解説する記事の中でも、少し番外編的な記事である。

("101~104"というのは、人間が絶望から這い上がり、復活した後に
 さらなる完成に進むまでの流れの順序であり、都市伝説的な"象徴"だ。)

いつもは「関連記事」や「特別記事」など、何かしら題目を付けて
記事を作る(特別記事はまだ取り掛かっていない)のだが、今回は
それらの題目から少し外れて「番外編」という形で解説してみようと思う。

とは言え、この番外編もそれら「関連記事」や「特別記事」などに
劣らない位、人によっては面白さを感じて頂ける記事になっていると
思うので、期待して頂ければ幸いだ。

今回はいつも触れている101~104の時期と、そこで象徴される
ものの中から"103"の時期に関する要素を解説する。

それでは早速いってみよう。



「クラゲ」「仮面」「英雄」これらは全て、
あるたった一つの"怪物"に繋がっていく。


さて、今回まず触れたいのは、最近の「ONE PIECE」の中で
頻繁に登場している"ある言葉"からである。

最近のワンピースは最終章ということもあり、非常に面白い展開が
続いているが、特に最近(と言ってもここ1年くらいだが)、
頻繁に登場している言葉がある。

〝 英雄 〟だ。

ここで書かれているのはルフィの祖父である"ガープ"だが、
ガープは【38年前】の「ゴッドバレー事件」から
「海軍の英雄」と呼ばれるようになった。

そのガープの愛弟子は「コビー」だが、このコビーも、
ガープと同じように"英雄"と呼ばれている。

ただワンピースにおいて英雄と呼ばれる者は他にもおり、
その一人が「革命軍」のNo.2と呼ばれている"サボ"だ。

サボも、五老星たちとの一件以来、世界中で英雄と崇められている様子が
"1054話"でも描かれている。

さらに言えば、エッグヘッド編は「ウォーターセブン編」との
重なりが印象強く描かれており、エッグヘッド編で麦わらの一味は
十数年振りに「ルッチ」と対峙したが、このルッチが初登場した
ウォーターセブン編にも、"自称"英雄が描かれていた。

スパンダム
ちなみにこちらは『カグラバチ』楽座市編での"英雄"

なぜここまで〝 英雄 〟という言葉が登場しているのだろうか?

それは、この先のワンピースで特に象徴されてくるであろう、
"ギリシャ神話"にその要因があると考えられるためだ。

現在のワンピースはエッグヘッド編の終盤だが、このエッグヘッド編では
ギリシャ神話から抽出したであろう要素が多く登場していた。

その一つが"アトラス"である。

アトラスはベガパンクのサテライトとして登場したキャラだが、
このアトラスとは元はギリシャ神話に登場する神のことだ。

天球を背負うアトラス

さらに、くまの過去編で描かれた要素である「青玉鱗」は、
「光に当たると石化する」という病だったが、この症状は
ギリシャ神話における英雄"ペルセウス"が、アトラスに向けて
メドゥーサの頭をかざして石化させるという神話によく似ている。

(この2つにはどちらにも「光」という要素が共通している)

そしてボニーは、その"くま"のことを「英雄だ」と言っていた。

直近の展開ではベガパンクが「巨大な戦い」のことについて
触れているが、ギリシャ神話にも「ティタノマキア」という、
宇宙中を巻き込む規模の巨大な戦いの物語が存在している。

このように、現在のエッグヘッド編では
ギリシャ神話的要素が色濃く描かれている。

これはおそらくこのエッグヘッド編の次の物語で、
ギリシャ神話に関する要素や象徴が描かれるためだと考えられる。

(ギリシャ神話において英雄と呼ばれる神はいくつかいるが、
 これから先のワンピースにおいて重要になるのはおそらく
 ペルセウス、テセウス、ヘラクレスの3人だ。)

しかし、ギリシャ神話的要素が登場しているのはワンピースだけではない。

なぜか今の時期は、他の作品にも
ギリシャ神話に関係する要素が出てきている。

その一つが"クラゲ"だ。

あなたは最近、いろいろな所でやたらと
"クラゲ"が登場していることにお気付きだろうか?

今年3月下旬に発売された本誌版ワンピースの扉絵にも描かれているのだが

その他にも4月には【夜のクラゲは泳げない】という
タイトルのアニメも放送を開始しており、

さらには同じく週刊少年ジャンプで少し前まで連載されていた
Dear Anemoneにも「泡沫海月(くらげ)」という名の
キャラが登場していた上、

ちょうど現在「楽座市編」の終盤を迎えているカグラバチにも、
クラゲはかなり印象的に描かれていた。

これらは全て3月末から5月あたりの1~2か月ちょっとで出たものだが、
なぜここまでクラゲが描かれているのだろうか?

実はこれには、明確な答えがある。

それはこのクラゲという生き物が、イタリア語において
【"Medusa"】という名前で呼ばれているためだ。

"Medusa"とは、あの「メドゥーサ」だ。
ギリシャ神話に登場するメドゥーサである。

メドゥーサとはご存知の通り頭が蛇の、呪いをかける力を持つ
"邪視"を持った怪物だが、メドゥーサは元々は三人姉妹であり、
それら三人姉妹を総称して「ゴルゴーン」とも呼ぶ。

そしてメドゥーサと言えばその「首(頭)」が有名だが、
この怪物は【仮面】という形でも象徴される。

撮影者:Osama Shukir
CC BY-SA 4.0

その理由は、古代の世界においてこのメドゥーサの仮面が
「"何らかの儀式"」に使われていた、という過去があるためである。


今回はこの儀式について深掘りはしないが、この"仮面"という要素は非常に
重要だ。今回の記事シリーズでは度々登場するので覚えておいてもらいたい


つまり"メドゥーサ"を象徴するために、各種作品で間接的に"クラゲ"が
象徴されているのではないか?ということなのだが、では、「仮面」は
どうなのだろうか?

実は「仮面」も、様々なところで史実と同様に
メドゥーサとして象徴されている。

4月の末に発売された「週刊少年ジャンプ22・23合併号」には、
その証明となる、ある読み切り漫画が掲載されていた。

【奇譚仮面テオ】である。

読んでもらえれば分かるが、実はこの作品には
「"ゴルゴーンの仮面"」と呼ばれるものが登場する。

これはゴルゴーン姉妹(ほぼメドゥーサ)の力を発現し、神話の通り
見た者を石に変える力だが、これは「仮面」を付けることによって
その力が得られるという設定になっている。

つまり、仮面とメドゥーサの繋がりを証明するものでもあるのだが、
先ほど"クラゲ"が描かれている例として挙げた【カグラバチ】でも、
"仮面"は印象的にフォーカスされている。

天理と伯理(手前の2人)は兄弟だ。
クラゲ × 仮面=どちらも"メドゥーサ"の象徴。
2人の兄弟を通して同じものが象徴されている。

だが、メドゥーサの首として象徴されているものは、もう一つある。


「ONE PIECE」の、あるシーンだけから読み取れる、
"怪物"の一部だった「英雄の女神」


それは"月"だ。

月は、古代のオルフェウス教の神秘主義者たちの間では
「ゴルゴーンの頭」と呼ばれていた。

この解釈に従えば"月光"とは、メドゥーサの"視線"に例えられ、
それすなわち、月自体が「メドゥーサの目」という解釈もできる。

「月=目」という認識で思い出されるのは
「NARUTO」の"月の眼計画(無限月読)"だ。

(ちなみにクラゲは「水月」とも書くが、
 NARUTOにも"水月"という名のキャラがいた)

だがこのメドゥーサという要素、他にもまだまだ存在している。

その一つがワンピースである。

実はワンピースにおいて、明らかに
「メドゥーサ的要素を背景に象徴している」
と思われるシーンが存在する。

それが、以下のシーンだ。

これは見てわかる通り、黒ひげ、コビー、ハンコックが"女ヶ島"で
戦いを繰り広げたシーンであり、ここにはギリシャ神話における
【ペルセウスとメドゥーサの物語】が見事に象徴されている。

この場合、メドゥーサはもちろんハンコックであり、
コビーはその二つ名〝 英雄 〟の通りペルセウスだが、
では黒ひげは何か?と言えば、その内の一つは【月】だ。

これは、黒ひげの懸賞金にそのヒントがある。

39億9600万ベリーとは、「40億」に至るまであと「400」だが、
この400という数字は"月に関するものとして現れることの多い数字"である

月は、太陽(1392000km)の「約400分の1の大きさ(3474km)」であり、

地球から太陽までの距離は"約1億5千万km"に対し、
地球から月までの距離は"約38万4400km"である。

この数字は地球 ー 太陽間の距離の約390分の1(遠日点の場合395分の1)
となるため、おおよそ"400分の1"と換算することができる。

つまり"400"は月を象徴する数字としても捉えられるのだが、
それを示しているかのように、考察者たちの間では有名な
「黒ひげの幼少期の頃の絵」には月が描かれている

これを根拠にしなくても、黒ひげは太陽の神であるルフィの反対に
位置するであろうことから、月の象徴であることは何となく想像できる。

つまり先ほどのワンピースのシーンは
黒ひげ × ハンコックで、月とメドゥーサ=ゴルゴーンの眼との
関連性を見出せるのだが、そう言える根拠はこれだけではない。

メドゥーサの話はギリシャ神話に由来するものだが、ギリシャ神話における
メドゥーサの話は「英雄ペルセウスに首を切られる物語」として語られる。

この際ペルセウスは、見たら石になる(正確には石のように固まる)
メドゥーサの目を見ないようにするため、"鏡のように反射する楯"
持ち、楯に写ったメドゥーサの頭の位置を確認しながら"剣"によって
首を切るという内容になっている。

ここにおいて重要なのは〝 鏡/楯 〟という要素だ。

これは、言うなれば【鏡/楯】がメドゥーサの"呪い"を無効化している
ということであり、それはつまり"能力を封じている"ということになる。

振り返ってもらえれば分かるように、黒ひげは自身の技、
「闇水(くろうず)」によってハンコックの能力を封じている。

ハンコックがメドゥーサ、コビーが英雄繋がりでペルセウスだとしたら、
黒ひげはそのハンコック(メドゥーサ)の力を封じていることから、
"月"以外にも【鏡/楯】の象徴でもあると解釈することができる。

そして、そのことを裏付けるかのようにコビーは、
黒ひげに誘拐された時に自らが〝 SWORD 〟の一員であることを明かした。

つまり先ほどの黒ひげとハンコックのシーンには、
英雄ペルセウスが持つ〝 剣と楯 〟も象徴されていることになる。

"剣と楯を持つ英雄"という要素で思い浮かぶものと言えば
「騎士」であり、ここまでの解説から、上のシーンでは
騎士としてのペルセウスが象徴されていると見ることはできるのだが、

上のシーンでは実はもう一人、別の騎士も隠れて象徴されている。

それが【"アテナ"】だ。

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アテナとはギリシャ神話に登場する、武装する騎士の姿をした女神。

アテナはペルセウスのような"剣"ではなく、"槍"を持っており
上のシーンとは一見異なる要素を持つ。

ではなぜアテナが重要なのかと言えば、その"特異性"にある。

アテナは"フクロウ"を象徴に持つ神であり、
ペルセウス ー メドゥーサ神話においてはメドゥーサの首を切るための
準備として、ペルセウスに【鏡のように磨かれた楯】を与えている。

つまり間接的にメドゥーサ討伐に関わっている訳だが、それだけではない。

ペルセウスがメドゥーサ討伐後、「その首」を
最終的に与えた相手も"アテナ"なのである。

アテナはそのメドゥーサの首を自分が持つ楯にはめ込み、
攻守一体の最強の防具に変えている。

エッグヘッド編において再登場したロブ・ルッチが所属していたのは
「サイファーポール"イージス"ゼロ」だったが、このイージスとは
このメドゥーサの首がはめ込まれた楯「アイギス」のことだ。

これは「どんな悪意をも跳ね返すもの」の象徴として
"呪い返し"の意味が込められていることは既に投稿している。

だがそんなアテナはそもそも、
"メドゥーサと同一神だった"という話がある。

「ペルセウスによりメドゥーサの首が切られた」という神話は、
少し調べてみるとアテナの根源が今の「リビア」にあることを
隠そうとして、"後から付けられた神話"であるともされている。

ではそのリビアでアテナは何と呼ばれていたかと言えば、
【メドゥサ・メティス】がその真の名前だったという。

つまりアテナは「メドゥーサそのもの」であるとも言えるのだが、
なぜかここには、本来アテナの母親であるはずの「メティス」の名前もある

メティスとは、これまた同じくギリシャ神話に登場する神であり、
「ゼウスの最初の妻」とされる"智慧の女神"だ。

これはアテナが、メドゥーサとメティスの象徴も
同時に兼ね備えていたことを表している。
(というより、その2つから生まれたという方が正しい)

重要なのは、この【メドゥサ・メティス】が
「ゼウスの最初の妻だった」という点だ。

ワンピースにも間接的には関係あると思うのだが、
ここには"世界を救う象徴"としての、重要な意味が込められている。

ここにその意味を紐解くヒントを記すとすれば、

【メドゥーサをメティスによって認識し、
 ゼウスによって打ち払うことでアテナを生む】


という言い方になる。
もし暇だったらこの意味について考えてみてほしい。

さて、そのためこの「アテナ/メドゥーサ/メティス」は、
【"同じものを3つに細分化"】した象徴であると言える。

(ゴルゴーンの他の姉妹も合わせると5つに細分化されている)

今回は3(5)つそれぞれを解説することはしないが
(とは言えそんなに難しくはない)、それらの中でも
特に重要なのが「アテナ/メドゥーサ」だ。

つまり先ほどの黒ひげのシーンには、
ペルセウスのみならず、「メドゥーサ & 剣と楯」という要素の重なりから、
メドゥーサと同一である騎士の女神"アテナ"も象徴されていることになる。

※個人的に、実際にはアテナはこのシーン全体だけでなく、
 "ボア・ハンコック"そのものにも象徴されていると思っている。

 理由はハンコック=メドゥーサの象徴"だけ"であるならば、
 蛇という要素的に、あまりにも分かりやす過ぎるからだ。
(他にも象徴が重ねられているだろう、ということである。)

※2 そのためハンコックはアテナ、つまりは蛇だけではなく
    "フクロウ"の象徴が込められていると考えている。この梟という鳥が
    何を意味するのかは、別の記事でガッツリ解説する。

イルミナティのエンブレム

そのため、このシーンの一つ前に描かれた「ワノ国編」では
"騎士が持つ物"の象徴として、やたらと"剣"に関するものの
描写が多かった。

特に、単純な見た目的・機能的な"剣"だけではなく、物質ではない
個人・国レベルで"因縁"を断ち切ることによる"解放"や、剣を象徴的に
見た場合に浮かぶ概念である"浄化"も、「ワノ国編」では象徴されている。

束縛からの解放
親子の"縁を切る"
親子の"縁を切る"
"裏切り"者1
"裏切り"者2
こちらは"舵を切る"役割の操舵手
解放と浄化の象徴

さらに"剣"は、別の漢字を当てはめると「鶴亀ツルギ」となることから、
鶴と亀に関する描写も多かった。

特に、ワノ国編序盤で登場していた"天月トキ"は、
トキトキの実の能力で800年前からワノ国に来たが、

これは現実世界における「浦島太郎」から設定が採られていると
考えられ、浦島太郎でも龍宮城から元の世界に戻った時には
"700年"という大幅な時間が経過していた。

「浦島太郎の大幅な時間移動設定」が
盛り込まれた"天月トキ"

しかもこの浦島太郎は、最初は「亀」と出会い、
最後に"玉手箱"を開けた時には「鶴」に変化している。

(一般的には"老人"に変化したとされる場合が多いが、
 "鶴"に変化したと書かれている資料も存在する)

ということで、その他、ワノ国編に出てきた「鶴」の要素を見てみよう。

鶴1
鶴2
鶴3
童話:「鶴の恩返し」
ことわざ「鶴の一声」。
この時点で「お玉」には能力的な"桃太郎"と同じく、
"鶴"も象徴されていることが分かる。

カイドウの火龍大炬の"大炬"は、ルフィの"解放のドラム"の反対として、
おそらく「太鼓」という意味も意識して付けられた名前だと思われるが、

星座の名前にある「オリオン座」は別名"鼓星"と呼ばれ、
さらに別の名前として「亀座」とも呼ばれていた。

つまり上の大技は間接的に亀も示している。

そしてこれは「剣」とは直接関係ないのだが、"鶴亀"という言葉で
思い出されるのは「鶴は千年、亀は万年」ということわざである。

これは「寿命」に関する言葉であり、この言葉通り、
ワノ国編では寿命や年齢に関する要素がいくつか出ている。

年齢が1000歳を超えているであろう"ゾウ"
ビッグマムによる、対象者の「寿命」を取る技。
この「運命」という言葉も覚えておいてほしい。
個人的にこのシーンは、重傷の「倍」のダメージを負ったことで
死神によりゾロの寿命が1/2になったのだと考察している。
ゾロと同じく「死にかけ」ているルフィ
ワノ国編で描かれた「寿命おわり」が近いロジャー

その次の「エッグヘッド編」では"楯"、もっと言えば、
「守るもの(こと)」に関する描写が多い。

"バリア"
"ボディガード"
"護送"
"船の死守"
"お守り"
"盾"のように銃弾を弾く
"かばう"
"条件の遵守じゅんしゅ"
くま過去回想での"身代わり"
太陽の"盾"
"王"を守る守護神ガーディアン
こちらは変わり種。"サングラス"=「紫外線から目を守るもの」
「比較的薄いサングラスだったから"太陽の神"にボコられている」
という変わった見方もできる。

特に、楯が持つ「外の攻撃から身を守る」という意味では、
〝 人質 〟という方法は楯の、上手い象徴の仕方であると言える。

"盾にして逃げる"
〝 人質 〟だったボニー

ただ実際、エッグヘッド編だけでなくワノ国編でも"盾"は象徴されていた。
今回は長くなるため割愛したが、例えば以下の能力はその一つの例である。
(他にもたくさんある)

"身代わり"

だがこの「アテナ」とそれに連なる「剣と楯/鏡」の象徴は
ワンピースだけで描かれているものではない。

他の作品にも登場している。


神話でも"稀有"。意図的に「首」を消された女神から
見えてくる、騎士女神の【本当の姿】


例えばチェンソーマン第二部においてヒロインとなる「アサ」は、
後に「ヨル」と呼ばれる"戦争の悪魔"に憑依されているが、
このシーン、戦争の悪魔は鳥の姿をして登場している。

この鳥はフクロウとも夜鷹ヨタカとも言われており、一般的にはヒロイン「アサ」の
苗字が"三鷹"であることから、それに近い"夜鷹"であると考察されている。
("三"と、「夜」の読み方の違いから"四"に繋がるためだと言われている)

だが私は個人的にこの鳥は"フクロウ"だと思っている。

なぜならこの悪魔は「戦争の悪魔」だが、アテナも「戦争の神」であり、
アテナは楯や槍など複数の武器を持つが、戦争の悪魔も人を武器に変える
という、「武器」という共通点もあるためだ。

またアテナは"フクロウ"を象徴に持つ女神である点も、
戦争の悪魔との一致点として挙げられる。

(もしくはどちらの鳥の特徴も取り入れ、あえてどちらか分からないように
 している可能性もあるが、だとしてもどちらにも名前の通り「夜」が
 共通していることは重要だ。)

だが面白いのは先ほど解説した通り、アテナはメドゥーサの討伐に
一枚噛んでおり、その討伐が「首を切る」ものだったことである。

では、チェンソーマンで最近描かれた以下のシーンを見てみよう。

この「首だけになっている状態」を日本語で何というかご存じだろうか?

"梟首きょうしゅ"と言うのである。

つまりこの場面を見ても、どちらかだけとは言わずとも、少なくとも
メインで象徴されているのは夜鷹ではなく"フクロウ"であると個人的には
考えている。
(アサ & ヨルに対してというより、"作品全体"に対してだ)

※ちなみに、このナユタの梟首の場面には
 梟と蛇だけでなく、"犬"も象徴されている。
(これはデンジとナユタの家に犬がいたこととは別で、だ。)

では、ここでもう一度アテナの彫像を見てみよう。

この彫像の、アテナの右手に何かいるのが分かるだろうか?

これは「ニケ」という名の、いわゆる【勝利の女神】と呼ばれる神だが、
このニケは「首がない状態」でアテナの右手に据えられている。

さて、この時点で私が言いたいことが分かると思う。

アテナは梟を象徴に持ち、そのアテナは首の無いニケを持つが、
この首だけしかない状態を"梟首"と呼ぶ。

ここには、日本とは全く別の国・文化であるにもかかわらず、
【梟】【首 & 胴体】という、象徴的と物質的な、二重の
「繋がり」が存在する。

また、古代ギリシアにおける「ニケの彫像」は、現代まで残る過程で
激しく損傷しているものが多いのだが、その中でも特に下の二体は
"意図的に"頭が潰されているようにも見え、

これらは先ほどのアテナの右手に置かれた"ニケの意味"を物語っている。

古代の世界では「頭が無い神」についての一定の信仰があり、それは
古代の著作家"ヒュギーヌス"の「おとめ座に対する女神ケレス」に
ついて記された、

『頭が間違いなくある女神であるためこの星座には似つかわしくない』

という一文にも表れている。

そのため、これらの彫像が現代まで残る過程で
「自然に」傷付いたと考えることはもちろんできるのだが、
そうではない、「意図的に傷を付ける(無くす)意味」も、
可能性として同時に考える必要がある。

その上で、この「頭がある or 無い」の違いには
重要な象徴的意味があるのだが、これは別の機会に解説する。

さて、このアテナが持つ「アイギス(イージス)」は、
週刊少年ジャンプの他の作品でも象徴されている。

その一つが最近連載を開始した【悪祓士のキヨシくん】だ

それ以外でも、こちらも少し前に連載を開始した
【願いのアストロ】でも、"楯/鏡"の要素が描かれている。

ここにおいても、"楯と鏡"は同じものとして象徴されている。

つまりこの「楯=鏡」の認識はワンピースだけでなく、
少年ジャンプ(ひいては集英社発行作品)全体に
及んでいる可能性の高いものであり、

集英社で発行されている週刊少年ジャンプ掲載作品には
「アテナ」、さらに言えば〝 騎士 〟が象徴されていることになる。

この騎士という要素と、それにプラスして
「困難を乗り越えて宝を手に入れる」という展開の元、
物語として成立させたものを一般的に【騎士道物語】と言うが、

私から見れば今のあらゆる(漫画以外も含めた)作品が、
この「騎士道物語」に沿った内容・構成になっている。

その一例として、10月からアニメ版が放送開始する【ダンダダン】では、
現在描かれている「呪物ボードゲーム(呪行李)」の中の展開で"騎士"が
登場している。

これは作品を読んでもらえれば分かるが、この騎士は4つの試練のうちの
一人として登場しており、この騎士(ボス)を倒すと、その能力を
新たな自分の手札として使えるようになっている。

つまりここには「騎士」+「困難を乗り越えた先にある宝」という
2つの要素が同時に描かれている。

さらに面白いのは、その4つの試練のうちのもう一つには
【"メドゥーサ"】が登場していることだ。

つまりここにもこの怪物は、今度は直接的な形で描かれていることになる。

この「呪物ボードゲーム(呪行李)」の内容は
今年の1月から2月にかけて描かれたものだ。

つまり先ほどの【"クラゲ"】の件と合わせて、
それなりの長期間、象徴され続けていることになる。


"騎士と魔術師"を元に白日の元に晒す。
伝記や漫画の中で巧妙に隠され続けた真っ赤な嘘


そして騎士と言えば、特にワンピースにおいて、
それが描かれたものが一つある。

このカラーイラストだ。

このイラストは見ての通りチョッパー、ゾロ、サンジが
騎士のような姿で描かれている。

このイラストには重要な、そして面白い象徴的意味が込められているのだが
それが"見えるようになる"には、【赤と白】【99:1】という2つの要素の
解説が必要になる。

その上で、これらを説明するのにちょうどいい人物がいる。

"X(ディエス)・ドレーク"だ。

ドレークもその見た目が騎士のような姿をしているが、
ワノ国編においては〝 SWORD 〟であることが判明し、
麦わらの一味や赤鞘たちの勢力に加担していた。

実はそのきっかけとなった場面には、
なかなかに面白いものが象徴されている。

ドレークは百獣海賊団を裏切る直前、同じく"11人の超新星"である
"バジル・ホーキンス"に対して「何を占ってる?」と聞く場面がある。

そのシーンにおいて、ホーキンスは
「ある男が明日まで生きている確率」
として〝 1% 〟と答えていた。

この"1%"という数字、実は【"99:1の法則"】を意識して描かれている。

それはなぜか?

この宇宙には、

"一つの不動のものを軸に、他の多数のものが生まれ、動いていく"

という【"99:1"の法則(原理)】が"確実に"存在しており、上の場面は、
そのことを証明するかのように〝 第990話 〟に描かれているからである。

(この99:1の法則についての詳細な解説は今回は控える。
 そういうものがあるんだ、と思っていて頂ければ幸いだ。)

「 990(99)」という数字の回に〝 1 〟という数字を入れ込む。

ハッキリ言うが、これは意識していなければ描けない。

「990であるなら"99"ではないのでは?」

と思うかもしれないが、

「フィボナッチ数列の"144"の象徴性により
 "1044話"では特に大きなことが起こる」

という意味の自分の投稿を、私は自ら取り上げることが多いのだが、
この投稿の数週間後に実際に「ニカ」が顕現した内容を見ても、
"0"は無視されることが多いと考えていいと思っている。
(もちろん全てがそうというわけではないが)

実際にニカが描かれたのは"3月28日"
ちなみに1046話の方は外れている。

さらにフィボナッチ数列は"美を表す数字"でもあるが、
ベガパンクもニカを見て『美しい』と言っていた。

そして、この場面の後にドレークはフーズ・フーに連れられ、
クイーンによって拷問されそうになる。

これはドレークが"真っ赤な嘘"をついていたことと、
彼が持つ、それ以外の情報を炙り出すための手段だった。

つまり990には"99"が象徴されていると言えるのだが、
この99を漢数字に表したものは「九十九(つくも)」と読む。

だが同じく、「つくも」と読むことのできる漢字がもう一つある。

"白"だ。

白も、この一文字のままで「つくも」と読める。

つまり九十九と白はどちらも「つくも」読みが出来ることから、
象徴的には「99とは"白"」と言えるのだが、ワンピースにおいて
白と言えばもちろん【太陽の神】だろう。

元々、古代シュメール人は太陽を「白色」と見ており、ワンピースにおける
「太陽神ニカ」も、このシュメール人の視点が採用されている可能性がある

(だが、重要な点は「太陽」の色が白なのかどうかではなく、
 【"浄化"】の色が白であることだ。これは別の記事で解説する。)

そしてこの白に"いち"を足したものは"百"となるが、
この漢字は「もも(桃)」とも読める。

つまりこの場合のいちとは="赤"であり、
ここに【99+1】【赤と白】という要素が成り立つ。

つまり第990話におけるホーキンスとドレークが話していたシーンは
「意図的に描いたもの」と考えることができるし、

このワノ国は"赤と白"の国旗を持つ"日本"をモデルに作られている上、

そのワノ国出身者として"百"であり"桃"の象徴でもある
「モモの助」が重要キャラとして描かれるのも当然であれば、

ここでは"百獣"海賊団との戦いが描かれ、

そのボスを相手にルフィは記念すべき第1000話で"赤"を放ち、
その44話後には"白い姿"に変わったのも、これら【99+1】
【赤と白】
という要素の象徴性を持たせるためだと言える。

さらに、ドレークはこの"990話"の最後にて
「X(エクス)・カリバー」という技を出しているが、

他の作品でも登場することの多いこのエクスカリバーは
元々、「アーサー王物語」と呼ばれる中世に書かれた
騎士道物語の中に登場する"剣"のことである。

「アーサー王物語」とは世界中に存在する騎士道物語の中でも
最初期に作られたものであり、"聖杯"を探しに行く冒険譚と、
その過程で描かれる騎士たちの恋愛模様を描いた作品だ。

このアーサー王物語では、主人公となる"アーサー王"に
ぴったりと付いて回る人物が一人おり、アーサー王は
その人物から度々助言を受けている。

それが"魔術師マーリン"だ。

さて、この魔術師マーリンは物語の中で度々「予言」をするのだが、
その予言のうちの一つに『竜の予言』がある。

その内容は以下の通り。

「自分は処女だ」と主張する母親を持つマーリンは、
「城の土台が固まらない」と困っていた
暴君・ヴォーティガンに連れてこられた。

│曰《いわ》く、王(暴君)は配下の人間から

「父親がいない子供を生贄にし、その血を土台に混ぜると固まる」

と進言されたからであったといい、まさにそれにあたるマーリンは
生贄のために連れてこられたのである。

だがマーリンはそれら魔術師の言葉を看破。城の土台が固まらないのは
生贄が必要だからではなく、城を立てる予定の地盤の下に池があり、
そこに"白い竜""赤い竜"が眠っているからだと伝える。

王は半信半疑ながらも配下の人間たちに土台の下を掘らせてみると、
マーリンの言葉通り、そこには白い竜と赤い竜が眠っていた。

やがて眠りから覚めた2匹の竜はお互いに争い合い、
一時は劣勢と思えた赤い竜が、白い竜を退ける形で戦いは終わる。

あっけにとられるヴォーティガン王を尻目にマーリンは、

「白い竜は王が招き入れたサクソン人(移住者)であり、
 赤い竜はブリトン人(先住民)です。 一時はこの白竜のように
 サクソン人がこの地を支配しますが、いつの日か再び、
 ブリトン人が立ち上がり、この地の王となる日が来るでしょう」

と予言し、その予言通り、アーサー王が誕生する。

さて、もう分かると思うが、ここにも
"白い竜""赤い竜"というワードが出てくる。

なぜワンピースの「ワノ国編」と、
中世に書かれた「魔法使いの予言」とで
"色が一致"しているのか、考えてみてほしい。

(先ほど紹介したX・ドレークが食べた悪魔の実も、
リュウリュウの実:モデルアロサウルス」である。)

「ワノ国編を描く上でこのマーリンの物語をモデルにしたから」と
考えるのが普通かもしれないが、それ"だけ"であれば、【99+1】に
繋がる各要素は入れられないし、この記事で解説もできなかったはずだ。

つまり作者の尾田さんは、この【99+1の法則】を
完全に理解した上でワノ国編を描いている。

例えば、以下の組み合わせもその一つの例だろう。

"白刀"と"赤鞘"

さらに言えばこの【99+1】【赤と白】の両要素は、数だけで
見れば"100"だが、実際には"103"の中で象徴されるものであり、
ワノ国編ではこれ以外にも103に繋がる要素が多く散りばめられている。

(この"103"の記事で上の両要素を解説したのはそれが理由だ)

さらに、魔術師マーリンは今解説した通り〝 予言 〟をする者なのだが、
『予言』と言えば、以下のシーンが思い浮かぶのではないだろうか?

魔術師マーリンはこの『竜の予言』の後、
アーサー王(騎士)に仕えることになる。

つまり"騎士"の隣には"魔術師"が存在しなければならず、
騎士が【断つ者】であるならば、魔術師は【紡ぐ(創る)者】
あるため、この2つは必ずセットで描かれなければならない。

ゆえに、同じく"103"の時期だったであろう2020年には、
以下のようなタイトルの漫画が連載していた。(今は連載終了している)

©集英社

さらにこの"魔術師"マーリンは、
なぜか"白(もしくは青)い姿"で描かれることが多い。

引用:NATIONAL GEOGRAPHIC
「薔薇の物語」(Roman de la Rose)内に描かれた、
「マーリンの誕生」(Merlin's Birth)と呼ばれるシーン
中央の白馬に乗った、白い外套を着ている人物がマーリン
引用:NATIONAL GEOGRAPHIC

以上のように、大体どの絵画や挿絵を見ても、
マーリンは「青もしくは白」で描かれている。
(今回は"青色"についての解説はしないが、この色が"赤色"、
 または白と合わせた3色で描かれていることには意味がある。)

つまり"アーサー王物語の場合は"、だが、
魔術師は『白(99)』で象徴され、騎士は反対に『赤(1)』
象徴されるため、アーサー王(騎士)は"赤"で象徴されていることになる。

ちなみに、アーサー王の妻である"グィネヴィア"も、
その名前"Gwenhwyfar"に「白い妖精」という意味がある。

つまり、アーサー王は"2つの白"に関係がある人物だ。

ではここで、先ほどのホーキンス & ドレークの2人の関係を見てみよう。

ここでの2人の関係は「99+1の法則」が三重に象徴されている。

なぜならば、2人の異名は
〝 赤旗(ドレーク) 〟〝 魔術師(ホーキンス) 〟だからだ。

つまり、「話数とセリフ」という、"数字"としての関係だけでなく、
その背景にある「騎士と魔術師の象徴と異名」という"色""職業"
関係にも、99+1が象徴されていることになる。

しかも、ホーキンスはその誕生日までもが9月9日である。

これは一応「世界占いの日」が元だとされているが、
本当にそうなのだろうか?

(しかもこの記念日が設定されたのは1999年だ。)


※追記

【9月9日発売】のジャンプでは、まさに魔術師の漫画の連載が開始した。
これはまさに、ここまで解説したことの答え合わせと言っていいだろう。


ちなみに、今回の解説では99=「白」として紹介したが、
実際のところ99は【"赤と黄色"】としても象徴される。
(これは後で解説する。)

そしてこの騎士と魔術師の関係が確実なものであることを示すかのように、
先ほど紹介した「ダンダダン」でも、メインキャラ2人が騎士と魔術師の
姿になって試練に臨む展開が描かれた。

©龍幸伸/集英社

そのため、現在のワンピースにおける「神の騎士団」が"敵側"として
出てきているということは、この先の展開には「魔術師」に関連する
キャラ or 要素が登場し、さらにそれは"味方側"になることが想像できる。

その初めの人物が"ベガパンク(予言者)"だったのだろう。

さらに言えば、マーリンは多彩な"変身能力"を備えていたとされており、
このことは"ジュエリー・ボニー"の能力に象徴されていると思われる。

これは魔術師という存在が持つ要素を2つに分けたと考えられる。
この2人がくまを中心に関係が深いことはその裏付けだ。

だがおそらくボニーは魔術師と騎士、どちらの性質も合わせ持っている。

なぜなら、その一つの理由は直近の展開で
このような姿と煽り文が描かれているからであり、

左下の煽り文には『二人の〝 戦士 〟が暴れだす!!』と書いてある。

そのことを示すかのように、
ボニーは髪が赤と白を混ぜた"桃色"であるためだ。

さらに、この魔術師マーリンに関連のあることの一つとして
【薔薇戦争】と呼ばれるイングランド内部の権力争いがあるのだが、
ここにおいて争いの当事者となった「ヨーク家」と「ランカスター家」の
2つの家系も、それぞれが"白い薔薇""赤い薔薇"の紋章を掲げている。

「ヨーク家」の紋章
著作:Booyabazooka
「ランカスター家」の紋章
著作:Sodacan

つまり世界の歴史においても"赤と白"は出てくるのだが、
おそらくあなたが一番気になったのは「ヨーク」という名前だろう。

この言葉にはそれはそれは深い意味があるのだが、
申し訳ないがこのことについては今回は解説しない。

いずれ記事として書くのでそれまで待っていてもらえたらと思う。


ドフラミンゴと虎杖悠二のモデルは、
唯一、"怪物たちを操れる救世主"である「魔女」の神


さて、桃色で象徴されるキャラは他にも複数いる。

モモの助やコビーなどはまさにその典型例だが、ここまでの解説と展開の
延長線上として、もう一人だけ重要な候補として挙げられるキャラがいる。

"ドフラミンゴ"だ。

彼はそれらコビーやモモの助、セニョール・ピンクなどと同じく
"桃色"のコートを着ているが、彼が重要な理由はその能力にある。

ドフラミンゴはご存知の通り"イトイトの実"の糸人間だが、
先ほど騎士と魔術師の説明の際に

"騎士が「断つ者」であるならば、
 魔術師は「紡ぐ(創る)者」であるため・・・"

と書いたことを覚えているだろうか?

この「断つ」と「紡ぐ」とは"糸"のことであり、
ここに騎士と魔術師と、ドフラミンゴとの関連性が浮上する。

しかし、なぜ私が上記のように騎士と魔術師を表現したかと言うと、
この2つは【糸を紡ぐ女神】とその象徴的意味が同じだからである。

"モイライ"だ。

モイライは"運命の三女神"とも言われる、
ギリシャ神話の三姉妹の女神たちである。

その名は「クロートー・ラケシス・アトロポス」と呼ばれ、
それぞれが「紡ぐ者」「測る者」「切る者」の意味を持っていた。

彼女らモイライは【"三相一体の女神"】としての象徴的意味も
持ち合わせており、それぞれが「乙女」「母親」「老婆」で象徴される。

「運命の女神」である彼女らだが、この場合の運命とは"寿命"も含める。

さて、なぜ先ほど鶴亀つるぎについて解説した時、この画像の紹介文に
『"運命"という言葉も覚えておいてほしい』と書いたかを、
これで理解できたのではないだろうか?

つまりいくつかの場面で「寿命」に関する要素が出ていたワノ国編では
ドフラミンゴやハサミこそ出ていないものの、モイライが象徴されていた。

"ビッグ・マム"は、その中でも特にそれが顕著に描かれたキャラである。

女神に見えて当然だ。
なぜなら本当に女神なのだから。

そして、このビッグ・マムはそのイメージカラーが"桃色"だが、
ドフラミンゴも同じく桃色であり、ここに2人のキャラの
「糸」「桃色」という共通性が見えてくる。

その中でもドフラミンゴは、先ほどの三人姉妹の中では
"クロートー"(紡ぐ者)と"ラケシス"(測る者)という、
比較的若い「乙女」と「母親」で象徴されるキャラだ。

それはなぜか?

その理由は、彼女らが以下の色の服を着ているからである。

ポール・トゥマン作『運命の三女神』

つまりビッグ・マムとドフラミンゴは、
このモイライがそのモデルの内の一つであると思われる。
(あくまで複数あるうちの一つであり、おそらく他にも存在する)

ビッグ・マムは、"色"にクロートーとラケシスが、
"技"にアトロポス(ハサミ)が象徴されているように見える。

さて、上にある『運命の三女神』の絵画には
「誕生」が桃色であり、それが2色に分かれ、最後には朽ち、
「アトロポス(老婆="ハサミ")」によって切断されるという、

3つの過程が象徴されているが(もしくはその逆かもしれないが)、
鋏と言えばこの2つが浮かぶのではないだろうか?

『呪術廻戦』虎杖の術式
『ONE PIECE』
「チョキチョキの実」の能力者"イナズマ"

ただ今回解説しているドフラミンゴは桃色であるため、
彼そのものには"ハサミ"が象徴されていない。

実際、上に挙げた絵画に限らず、このようなハサミを持った老婆や
その神が象徴的に描かれる場合、"桃色"で表現されることはほぼ無く、
大体は"黒""灰色"で描かれる(それにはちゃんと意味がある)。

そのためドフラミンゴは、先ほどの騎士と魔術師の象徴では
"切れない者"の繋がりから"魔術師"であって、先ほどの考察に沿って
考えれば、彼はこの先の巨大な戦いで「味方側」に付くと予想する。

(だがこの場合の「切れない」とはあくまで象徴的な意味で、である。
 物理的な意味ではむしろ彼はいろいろなものをスパスパ切っている。)

さて、では"虎杖悠二"はどうだろうか?

彼は逆に、ハサミを持つ"アトロポス(老婆)"の象徴だ。

ここで改めて理解してほしいのは、モイライに象徴されているのは
「人間の未来」を決める行い全般であり、ゆえに彼女らは
【"運命の三女神"】と呼ばれているという点だ。

「糸」は切らない限り、その状態がずっと続く。

この場合の糸は「未来の運命」に、その意味が重ねられている。

つまりは方向性を変えるか否かは糸そのものではなく、
"ハサミ"にこそ、その権限がある。

モイライはその【"運命の切り替え"】
「告知」と「整備」と「計測」を教訓として伝える神でもある。

ゆえにハサミを象徴に持つ虎杖は、直近の呪術廻戦の展開で、
宿儺に対して「方向転換」を促していた。
(このまま続けるか、それとも進む方向を変えるかを問うていた)

※ さらに直近のチェンソーマンでも"ハサミ"は描かれている。

ここに、ハサミのないドフラミンゴと、ハサミの術式を持つ虎杖悠二で、
その象徴的意味も含めて見事に対比されていることになる。

面白いのは、ワンピースで「巨大な戦い」に差し掛かろうとしている
このタイミングで、虎杖の術式としてハサミが描かれたことだ。

巨大な戦いとリンクするであろう「頂上戦争編」に登場した"イナズマ"は、
象徴の順序も図った上で、ちゃんと意味を持たせて登場させたことになる。

さて、ギリシャ神話にはそのモイライと同様、
「三相一体」で象徴される女神が存在している。

"ヘカテー"だ。

三相一体のヘカテー。姿が三つある。

このヘカテーには独特な異名がある。

それが【"魔術""予言"の女神】だ。

魔術と予言と言えば誰だったか、振り返るまでもないが、彼が
「戦争の始まりを告げているように」描かれていることには、
意味があるのだろう。

そしてヘカテーは、様々な者たちを「導く」存在として
【"老婆"】としても象徴される。

そのため彼女は〝 救世主 〟と呼ばれている。

ここに、ヘカテーがギリシャ神話に登場する神々の中でも、特に篤く
崇拝されていた理由があるのだが、彼女を表現する絵画に"フクロウ"が
描かれているのはなぜなのだろうか?

つまりはドフラミンゴにはモイライだけでなく、
ヘカテーも同様に象徴されていると見て取れるのだが、

そもそも、ドフラミンゴの本名である「ドンキホーテ・ドフラミンゴ」の
"ドンキホーテ"とは、中世に書かれた小説「ドン・キホーテ」が由来に
なっている可能性が高い。

この小説は"騎士道物語"の読み過ぎで頭がおかしくなった、
「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」という名の男の物語なのだが、
この物語では、そのドンキホーテが乗る「ロシナンテ」と呼ばれる馬も
登場することから、ワンピースにおけるドフラミンゴとの関連性が見える。

ドンキホーテ・ロシナンテ(コラソン)

だが先ほどの話に繋がる意味として重要なのは、ワンピースにおける
ドフラミンゴは、この小説をまるごとモデルにしているのではなく、

"騎士道物語"が関係する小説のドン・キホーテを「名前」に当てはめ、
"魔術師"は「裏設定」として据えている可能性がある、ということだ。

つまり名前はそのまま「名前」なだけだが、「裏設定」は
"生き方"になっているのではないか?ということである。

そう考えれば、「見えている表の部分」は"糸で切る騎士"として、
その反対の「見えない裏の部分」は"糸を切れない魔術師"として、
見事に対比されているのではないか?と考えられるのだ。

そして裏設定が「生き方」として表れると仮定するなら、
「魔術師が味方側になる」という先ほどの考察に沿って考えた場合、

この先のワンピースにおける"巨大な戦い"においては、ドフラミンゴが、
"頂上戦争"で活躍した「クロコダイル」的な役割を担うのではないか?
とも考えられるのである。

©尾田栄一郎/集英社

つまりドフラミンゴは、ルフィに「結果的には」協力する様子が
描かれるのではないだろうか。

【JOKER=道化師(クラウン)】とは【人を笑わせる者】
この道化師を表す役名のひとつが【ピエロ】であるため、
この2つの役割とその性質の「人を笑わせる行為」は
いずれもが同じものである。

"人を笑わせる解放の戦士"

ドフラミンゴが「ジョーカー」と呼ばれていることと、トランプにおける
「JOKER」で"宮廷道化師"が描かれていることには、密接な繋がりがある。

これと類似する属性を持つのが、タロットカードにおける【愚者】だ。

この愚者のカードにはその解説や象徴的寓意の理解に
「道化師」や「ピエロ」といったワードが並ぶことが多い。

このカードはタロットにおける"0番目"のカードであるが、
ではこのカードの次、"1番目"に当たるカードは何だろうか?

"魔術師"である。

この魔術師は"赤と白"の服を着て"白百合""薔薇"に囲まれている。

私の言いたいことが分かっていただけると思う。

この魔術師のカードは「愚者」を除いた、
「1~21番」まであるタロットの最初のカードだ。

つまり魔術師が【始まりを告げる】ことを意味するものであり、
これは、その前に騎士が【終わらせた】ことを意味している。

さて、「終わらせる」と言えば、ワンピースでこれから描かれる
可能性のある「エルバフ編」の繋がりから、北欧神話に登場する
"ロキ"がその要素を持つ神としてモデルなりで登場する可能性があるが、

過去には、まさにその"終わらせる"象徴を持つ者が既に登場していた。

彼だ。

©尾田栄一郎/集英社


さて、ではここまで解説した上で、もう一度先ほどの扉絵を見てみよう。

(Part2へ続く)


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Part2はこちら ⇩



参考資料:

ゴルゴー(ン)


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