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【ONE PIECE、呪術廻戦、そして"政治"、少なくとも3つを繋げる唯一の言葉〝 大爆発 〟】"103"番外編記事Part2.



筆者的、記事の面白さ:"A+"(S+~Cまでの内)
記事全体の文字数:約15000文字
読み終えるまでに掛かる時間:30~35分

都市伝説的を、漫画を用いながら考察 & 解説していく記事シリーズ。

この記事を読むことで得られるものは、まだまだ世には明かされていない、
都市伝説的な〝 象徴 〟と、それを元に予測できる時代の流れ。

境(101)・混沌(102)・復活(103)・産出(104)のうち、
今回は"復活"(103)に関する要素を解説。


この記事は【103番外編記事】の"Part2"です。

前回(Part1)の記事を読んでいない場合は
【"必ず"】、前回の記事を読んでからご覧下さい。
(今回の記事から読んだ場合、文章の意味が理解できません。)


さて、前回は「103番外編記事」と銘打ち、私がいつも解説している
101~104までの中から"103"に関する要素について取り上げて解説した。

今回は、前回の続きからである。
それではさっそく読んでいこう。

(注:この記事にはONE PIECE、呪術廻戦、キルアオ、チェンソーマンの
   コミックス最新巻までの内容が含まれます。ネタバレご注意ください)



「白馬の王子様」と「鏡の国のアリス」の共通点、
それは"怪物"や"ゾンビ"からの【救世】


この扉絵に関しては、私も「ONE PIECE」考察者たちの考察を
少しだけ見させてもらったが、その中で多かったのが
「チェス」に関するものだった。

見て分かる通り、上の絵はその床が黒と白のマス目柄になっており、

その上を明らかにチェスの駒「ポーン」を模しているであろう、
騎士の姿をしたチョッパーや「ナイト」として描いたであろう
ゾロとサンジ、フランキーは「ルーク」としてジンベエと共に描かれている

エッグヘッド編にチェスの要素が盛り込まれている、というのが
私が見たONE PIECE考察の中で多いものだったのだが、それらの
考察を尊重したうえで、私は新たな視点を加えたいと思う。

私は、上の扉絵には【"鏡の国のアリス"】が象徴されていると思っている。

前回の記事で出した、「黒ひげとハンコックのシーンの解説」の際にも
"鏡/楯"というワードは出てきたが、それはここでも登場する。

上の扉絵と鏡の国のアリスがなぜ重なるのか?
その答えは2つあり、一つは

『鏡の国のアリスは"チェス"のルール通りに物語が進行するから』

 もう一つは、

『"103"の時期には鏡の国のアリスが象徴される可能性が高いから』だ。

説明するまでもないが、鏡の国のアリスは"不思議の国のアリス"の続編だ。

この物語は、アリスがその名の通り"鏡の国"に入った後、
その世界が巨大なチェス盤のように形作られている点を見て、
自分もゲームに参加したいと考え〝 レッドクイーン 〟に懇願し、
「白のポーン」になるところから物語が始まる。

さて、この"レッドクイーン"という言葉、
どこかで聞いたことは無いだろうか?

"映画版バイオハザードシリーズ"だ。

©2002 Constantin Film Produktion GmbH.

この映画シリーズの、特に第一作目では、「ハイブ」と呼ばれる研究施設の
メインコンピューターである「レッドクイーン」が、施設の中に充満した
"T-ウイルス"の漏出を防ぐため、施設を完全に閉鎖するのだが、

この映画シリーズにおいて活躍する女性主人公の名前は"アリス"だ。

まずこの時点で、"レッドクイーン"と"アリス"という、
鏡の国のアリス要素が並んでいるのだが、この映画において
おそらく多くの人に強い印象を焼き付けたであろうシーンと言えば、

"レーザートラップルーム"だろう。

『バイオハザード』
©2002 Constantin Film Produktion GmbH.

このシーン、実はある漫画の中で最近再登場している。

【キルアオ】の"六角館地下"である。

この六角館は画像の通り、その建物に入る前の時点で
「アンブレラ社だっけ?」というツッコミが入っているが、
この六角館は「バイオハザード」が象徴されているように見えて、
実際には「鏡の国のアリス」が象徴されていると個人的には考えている。

(※ ではそもそもなぜ"鏡の国のアリス"が象徴されているのか?というと、
 ここはまだ完全な答えは出ていないのだが、おそらく人として【"成る"
 までの過程を表していると考えている。難しいので無視してくれていい)

これが"103"の時期である現在(24年8月時点)、描かれている点は重要だ。

そのため、それらを示すかのように、
この六角館においても「"仮面"」が登場している。

つまり前回の記事のカグラバチと同様、「仮面」が描かれていることで、

現在が"103"の時期であり、「"メドゥーサ"」が象徴されていることが
分かるのだが、このことをさらに後押しする根拠がもう一つある。

キルアオでも描かれている「"クラゲ"」だ。

さて、前回の記事で【メドゥーサ仮面クラゲ】の同一性を解説したが、
ここでも同じ要素が登場している。

これは六角館編の一つ前での描写だが、「カグラバチ」で"クラゲや仮面"が
描かれた時と比べても、時期的にはそこまで大きくズレているわけではない
(約2か月ほどの違いだ)

つまり、異なる作品であるにも関わらず、
同じような時期に同じ要素が描かれている、ということになる。



私が思うに、これら集英社で発行されている漫画作品は"101~104"
各時期で象徴される各要素を一つずつピックアップしながら盛り込み、
それを何度も周回しながら描いている可能性が高い。

つまり、101で象徴される要素を1つピックアップし、それと一緒に
102や103で象徴される要素も各1つずつ盛り込んで、それら3つを
物語の中に入れて描く。

それらを描ききったら、次はもう一度101~103までの中から各1つずつ、
計3つを「ある程度の期間」までその作業を繰り返しながら物語に入れて
描く。

そして「ある程度の期間」まで到達したら、次は102~104までで
各1つずつ、同じように「次のある程度の期間」まで繰り返しながら
描いていき、期間まで消化後、その循環が"104"まで到達したら、

もう一度101に戻ってピックアップし・・・というように、
それを何度も周回しているように思える。


そして鏡の国のアリスでは、ここまでの話の延長線上として、
かなり重要な位置を占める場面がある。

それが、の騎士との騎士の〝 決闘 〟の場面だ。

さて、この「"白と赤の争い"」という内容、
私たちはどこかで見ていないだろうか?

前回の記事で解説した「魔術師マーリン」
"白い竜""赤い竜"の争いの予言』である。

この予言の争いでは"白い竜"が勝っていたが、
鏡の国のアリスの騎士の決闘においても"白の騎士"が勝っている。

この2つの争いはどちらも【白い側】
"最初は"勝利している点が共通している。

特にこの「白い騎士」に関しては、
それで思い浮かぶ存在が一つある。

"白馬の王子様"だ。

白馬の王子様と言えば、戦闘力が高く容姿は美しく爽やかで、速度の
速い白馬を乗りこなす、お姫様を救い出す存在として描かれる象徴だ。

この白馬の王子様は様々な物語や作品に登場することが多いが、
ことキリスト教においては、それを如実に表しているであろう
存在が一人いる。

"聖ゲオルギウス"だ。

聖ゲオルギウスは白馬の王子様という言葉に代表される人物であり、
前回の記事で解説したヘカテーと同じく〝 救世主 〟の象徴を持つ存在だ。

では、ここで再び、先ほどのワンピースの扉絵を見てみよう。

ここには明らかに「白馬の王子様」を意識して描かれている人物が一人いる

"サンジ"だ。

見て分かる通りサンジは"白馬"に乗っており、
その出自も「ジェルマ王国」の"第三王子"である。

さらに彼は"女好き"である部分も、「恋愛要素」の絡む、
白馬の王子様設定が与えられる人物としては妥当だろう。

白馬の王子様は〝 英雄 〟であり「騎士」なのだが、
そもそも、騎士の話として語られる「騎士道物語」を
英語で書いた場合、"Chivalric Romance"となるため、
ONE PIECE 第一話、"Romance Dawn"との繋がりが見える。

©尾田栄一郎/集英社

"Romance"とは「恋愛小説」を指す言葉だが、現在の恋愛小説と
呼ばれるものは、元はこの「騎士道物語」から生まれたものである。

つまりワンピースという作品は、騎士道物語の精神を汲み取って
作られている可能性が高く、ここにおける「騎士と恋愛」という
要素は注目に値するものだ。

事実、ルフィは「太陽の戦士」であり、
"騎士"と"戦士"という、似たような言葉になっている。

さらにハンコックがルフィに恋をしている点も、騎士と恋愛を繋げる
要素として浮上する他、「恋はいつでもハリケーン」という言葉も
ハンコック含め、作中に幾度か登場している。

だが注意するべきは、「ONE PIECE」という作品は作者の尾田さん自ら
「恋愛要素は描かない」と公言しており、Netflixで実写版ONE PIECEが
公開される際にも事前に、恋愛展開は〝 断固NG 〟と指令を出したほど
だったとされている点だ。

つまり、ワンピースに「恋愛要素」が描かれる可能性は低い。

描かれたとしても抑えめで、あるとしてもワポルのように、
麦わらの一味以外でほんの少し描かれるだけの可能性が高く、
少なくとも麦わらの一味同士ではほぼ確実に無いだろう。

(ただ四皇の中にはルフィ以外で、恋愛という要素を
 さらに悪い方向に変えて描かれる可能性のあるキャラが一人いる)

しかし、騎士道物語においては違う。


王子様との恋愛にも。
場合により人を死なすことすら可能な、
"白と黒"という名の「火薬」


特に先ほどから触れている、"魔術師マーリン"を始めとする
「アーサー王物語」には、恋愛的要素がかなり描かれているのだが、

ここで一旦、"サンジ"の話に戻る。

先ほどサンジが「白馬の王子様」設定を与えられているであろう
話をしたが、この白馬の王子様であるサンジは"ワノ国編"において、
自らの正体を明かさないために"ステルスブラック"に変身した。

(このステルスブラックに変身した時にサンジが自身で名乗った名前が
 "おそばマスク"であったことは、「仮面」に通じる話として
 解釈することもできる。)

この「白馬の王子様がステルスブラック」、つまりは"白と黒"の色が
組み合わさっていることは、ここからの話を理解する上でとても重要だ。

先ほど紹介した「鏡の国のアリス」にも、この"白と黒"は登場する。

それはこの物語の冒頭、一番最初の文章である。

たったひとつ、確かだったのは、「白い子ネコ」にはなんの関係もなくて、
なにもかも「黒い子ネコ」のせいだったということです。

鏡の国のアリス

この作品を開いた時、目次の次にまず書かれているのはこの一文であり、
ここから物語が展開されていく。

さて、ではこの視点を持ったまま、アーサー王物語を見てみよう。

この作品には"恋愛"が絡んでいると先ほど紹介したが、

この物語は最終的に「アーサー王の妻」と、アーサー王の配下であり
超優秀な騎士の「ランスロット」による"不倫騒動"で物語が大きく
動いていく。

だがここまでの話の流れで最も重要なのは、
同じくこの物語に登場する"トリスタン"だ。

こちらはワンピースのトリスタン。同じ名前のキャラが存在する。

トリスタンとは、先ほどのランスロットに並ぶほどの騎士とされ、
アーサー王やランスロットと同じく、主役級の存在感を放つ
一流の騎士なのだが、このトリスタンにも恋愛要素が描かれている。

ここでは簡単に説明するが、

このトリスタンはある時、アイルランドの騎士と決闘をすることになる。
その際、決闘自体には勝利したが、相手の騎士が剣に毒を塗っていたため、
その攻撃を受けたトリスタンは毒に犯される。

死を覚悟し、一人海に漕ぎでたが、
そこで偶然にもアイルランドに漂着する。

トリスタンはアイルランドの騎士を破ったことを知られないようにするため偽名を使い、「どんな毒でも取り除ける」と有名な「イゾルデ」と呼ばれる
姫に治療を頼み、回復し、アイルランドを後にする。

トリスタンは元々"コーンウォール"という地の「マルク王」に仕えており、
このマルク王はトリスタンの帰還を喜んだ。

トリスタンが、自らに治療を施した姫「イゾルデ」の美しさを口にすると、
それに興味を示したマルク王は、トリスタンにイゾルデを連れてくるよう
指示する。(ここの部分は説によって違いあり)

マルク王の指示により再びアイルランドに向かうことになったトリスタンは、同地の人々を悩ませていた凶暴な悪竜と対峙し、これを辛くも撃破。

後にイゾルデに救われるが、イゾルデは介抱する最中、
トリスタンがアイルランドの騎士を倒した張本人であることを知る。

だが事前にアイルランドの王が《竜を退治した者に王女を与える》との
布告を出していたこともあり、トリスタンを許したイゾルデは
アイルランド王の許可をもらった上で、トリスタンの要求通り、
マルク王の妃となるためにアイルランドを後にする。

コーンウォールに帰る途中の船で、トリスタンとイゾルデは
「マルク王と共に飲むように」と言われていた媚薬を誤って
2人とも飲んでしまい、お互いに激しい情愛に囚われる。

その後イゾルデは無事にマルク王と結婚するも、
その裏でトリスタンとの「道から外れた恋」を続け、
その不穏な動きに気付いた王の配下により2人は仲を疑われるが、
その度にかわし続けていた。

しかし、ついに2人の仲が王の耳に入るまでに至り、
トリスタンはコーンウォールを出国、追放となる。

コーンウォールの地から出て旅をするトリスタンは、その旅先で
「イゾルデ」という名の、かつて愛し合った恋人と同姓同名の
女性と知り合い、結婚する。

しかし、「かつてのイゾルデ」が忘れられなかったトリスタンは、
「妻となったイゾルデ」と愛し合うことは無かった。

そんな中、ある時重傷を負ったトリスタンは、その傷を治療するために
模索するも、その傷を治せるのが「かつての恋人のイゾルデ」のみで
あることを知り、追放の目にあったアイルランドに使者を送る。

その際使者に対して、船が帰ってくる時に、その船に"イゾルデ"が
乗っている場合は「白い帆」を掲げ、乗っていない場合は「黒い帆」
掲げるよう依頼。

少しの時間を置いた後、船は帰ってきたが、重傷によりもはや目が
見えなくなっていたトリスタンは、「妻となったイゾルデ」に
船が「どちらの色の帆」を掲げているかを聞く。

その際、実際には船には元恋人のイゾルデが乗っていたにもかかわらず、
「妻となったイゾルデ」は同姓同名で、しかも自分とは違い愛されている
「イゾルデ」への嫉妬から、トリスタンに「黒い帆です」と答えてしまう。

それを聞いた瞬間トリスタンは絶望し、
眼前に迫っていた船の到着を待たずして死んでしまう。

トリスタンとイゾルデ

この話において注目してもらいたいのは、トリスタンが騎士であることも
さることながら、イゾルデが来るときに帆の色で合図を送っていることと、

その色が"白 & 黒"であることだ。

これは先程の「"白馬の王子様がステルスブラック"」との共通点を見出せる

実は、この白及び黒色によって大切な人間が来ることを知らせる話は、
ギリシャ神話にも存在する。

それが「"英雄"テセウス」による「ミノタウロス討伐神話」である。

撮影:Falcodigiada
CC BY-SA 4.0

ミノタウロスは頭が牛の姿をした、比較的有名な怪物だが、
この神話において重要なのは、このミノタウロスを討ち取った
テセウスが、迷宮から脱出し船で帰還する際、自分から

「無事脱出できた際は"白色の帆"を掲げて帰還する」と

父(王)に約束していたにもかかわらず、
その約束を忘れて出航時の"黒色の帆"のまま帰還し、

それを見た父はテセウスが「ミノタウロスに食べられた」と勘違いし、
絶望のあまり海に身を投げて自害する、というくだりだ。

ここには、先ほどのトリスタンの場合と同じ、

「吉報の場合は白い帆、凶報の場合は黒い帆」という、
合図の"出し方"もその場合の"色"も同じな上に、その後の

「黒い帆を見た、近しい人間が死亡する」
というくだりまで一致している。

そのためこの部分は"何らかの意図"を持って創作されている可能性が高い。

※これを象徴的に見た場合に見える内容は、
 あなたの人生にも大きく関わる可能性が高い。つまり、
「もう少し我慢していたら吉報と恩恵を享受できたはずだった」点である。
 いずれ解説。

そして、前回の記事で触れた"黒ひげ"にも、この黒と白の法則は当てはまる

黒ひげは今でこそ四皇の一角だが、彼は元々"白ひげ"海賊団の一員だった。

さらに黒ひげはチェリーパイを食べた時の反応など、
何かとルフィと対比されて描かれることが多く、
そのルフィは"白い戦士"(ニカ)である。

そして黒ひげは「闇穴道(ブラックホール)」という技を使うが、

実はこの技、"白と黒の対比も含めて"呪術廻戦にも登場している。

それが【九十九由基の最後の大爆発(自爆)】だ。

これは九十九 vs 羂索戦で、九十九が最後に自らを犠牲にして放った
大技だが、この大爆発は作中でも説明されている通り"ブラックホール"
顕現であり、このシーンには象徴的な要素がいくつか描かれている。

前回の記事で"99"は漢数字に直した際九十九つくもと読めることを
解説したが、その「九十九」は全く同じ読み方のまま、漢字の
つくも」とも表記できることも同時に説明した。

つまり九十九由基の場合、つくもが放つ、黒い大爆発】という象徴が
ここでは描かれており、ここにワンピースとの共通性が見出せる。

この九十九が羂索と戦った際、致命傷となったのは
羂索が所持していた、極小の「うずまき」による攻撃だった。

"うずまき"と言えば、「うずまきナルト」もそうだが、
ONE PIECEにも頻繁にうずまきが描かれていることは、
ある程度考察が好きであればご存知のことだろう。

つまり、「ONE PIECE」「NARUTO」「呪術廻戦」の3つで
【"渦巻き"】が共通している。

(※ここでは深く解説はしないが、渦巻きとは
  "0""力"の象徴でもあり、この宇宙の原理そのものだ)

だが、この「白と黒とうずまき」の組み合わせは
最近の呪術廻戦においてもう一つ描かれている。

それが虎杖悠二の"7度の黒閃"の後に出された、
両面宿儺の"不完全な領域"と、その"展開時間"だ。

"黒い"火花

これは少し前に描かれた場面でもあるが、この場面において宿儺の領域は
"竜巻(渦巻き)"のような様相を見せ、その展開時間は"99秒"だった。

つまりここでは、黒(閃)の後に白(99つくもが描かれている。

そして、この領域展開の直後に【"大爆発"】が起こされたのである。

つまり出てきている要素を整理すれば、
"九十九由基 vs 羂索戦"と、"虎杖と宿儺がぶつかった場面"では、
同じ要素が登場していることになる。(99・白と黒・渦・大爆発)

さらにこの"大爆発"という要素は、他の作品にも印象的に登場している。

そのうちの一つが「チェンソーマン」の"レゼ編"だ。

これはあなたも読んだことがあるかもしれないので簡単に解説するが、


このレゼ編では主人公のデンジが「レゼ」と呼ばれる少女に恋をする。

レゼは最初のうちはか弱き少女のような素振りを見せていたが、
実際にはソ連が実験のために用いた「モルモット」と呼ばれる
実験材料であり戦士でもある一人だった。

そうとは知らずに束の間の青春を感じるデンジは、
キスによって自分の舌を噛みちぎられるまでその正体に気付かない。

ついに姿を見せた彼女は「核爆弾」のような姿をした
〝 爆弾の悪魔 〟で、一度は恋した彼女とデンジは戦うことになり・・・


というのが簡単なあらすじ。

このレゼ編において見ておくべきは、その中身に"恋愛模様"
描かれていることと、レゼがその配下として「竜巻」を起こす
"台風の悪魔"を従えていることだ。

〝 恋はいつでもハリケーン 〟である。

このレゼ編には【大爆発・竜巻・恋愛】と、
ここまで解説してきた要素が全て詰まっている。

そしてアニメ版チェンソーマンの、この先の展開として
映画化が決定されているのがこの「レゼ編」である。

おそらくこの映画が公開された時には、その内容に
"103"や"104"の象徴も同時に描かれることだろう。


象徴的には「誕生」、物理的には「大虐殺」。
宇宙でただ一つ、真逆の性質を生む"同じ現象"


さて、この話はまだまだ続く。

チェンソーマンと同じ漫画繋がりで言えば、最近連載を終了してしまった
【Dear Anemone】での最初の設定もその一つだ。

Dear Anemoneは生態が急激に変化した
ガラパゴス諸島での冒険が描かれた作品だが、

この生態が変化した原因というのが、
諸島で起きた"謎の大爆発"だった。

この大爆発の影響で、諸島で生息する生物が人を簡単に殺せるほどの
化け物に進化している中、その大爆発の原因と、先に入った調査隊の
安否を確認しにいくストーリーとなっている。

この作品には、ここまでの解説と関係のある重要な要素が描かれている。

それが"生態 × 大爆発"の組み合わせである。

実は、この現実の世界にも「生命」に関する
"大爆発"が起こっていたことをご存じだろうか?

〝 カンブリア大爆発 〟だ。

上の「Dear Anemone」は、このカンブリア大爆発を紹介する上で
ちょうどよかったので取り上げさせてもらった。

「Dear Anemone」では連載開始時の最初のコマで
このカンブリア大爆発に触れている。

カンブリア大爆発はこのコマにもあるように、
約38億年前に起こった、原初の生命が誕生したとされる現象だ。

今回はこのカンブリア大爆発の詳細な説明はしないが、
代わりにその数字に注目したい。

カンブリア大爆発が起こったのは上にも書かれてあるように
約38億年前である。

この"38"という数字、実は様々な作品で登場している。

まずは「ONE PIECE」における"ゴッドバレー事件"だが、
この事件が起こったのは"38年前"である。

この他にも「カグラバチ」において、主人公"チヒロ"が
父親を殺された復讐に動き出すまでの時間も"38か月"だ。

ついでに言うと、アニメ版呪術廻戦第二期における
「狗巻 棘」の場面でも、後ろに"三十八"と書かれてある。
(このカットは原作には無かったものだ)

このような例はまだ他にも存在するが、
それは解説の都合上、後でまた紹介する。

さて、この38という数字、元々この数字に
深く関係しているものの一つは「月」である。

月は地球までの距離が"38万4400km"であり、
ここに38という数字が刻まれている。

だが、ワンピースにはこの38という数字だけでなく、
「44」にも関係するキャラが一人だけいる。

"カイドウ"だ。

©尾田栄一郎/集英社

カイドウは【101関連記事Part1】の記事でも触れているが、
"44"という数字に関係しているキャラでもある。

カイドウは"38年前"の「ゴッドバレー事件」の当事者の一人でもあったが、
そのカイドウは当時入っていたロックス海賊団に"44年前"から入団している

そのためカイドウは、隠れた「月を象徴するキャラ」の一人とも言える。

ワノ国編での戦いでも、光月家の再興のために"月"の字が付く
月の獅子スーロン」たちと戦っていたことや、

同じくワノ国の過去編で「〇"月"家」の名の付く大名たちと戦闘を繰り広げ
結果ワノ国に居すわることになったことなども、それを裏付けている。

つまりカイドウは自身に関係する数字も、
その後の境遇も、どちらにも【月】が関係している。

そしてその結果、カイドウは「黒」を味方に置いたが、
"月"をバックに添えた「白い戦士」に敗れることになる。

ワノ国編での数々の"爆発"も、これらの
象徴の繋がりを説明するには十分だろう。

そして強者はことごとく「99白&黒渦巻き」に関係している。

そのカイドウは、ルフィたちを〝 英雄 〟と言い放っている。

つまり前回の記事の一番最初に解説した、ガープ、サボ、コビーらの
「英雄」と呼ばれる男たちの並びに、ルフィも加わることになる。

だが、この「白と黒」及びそれに関連する話は、まだまだ終わらない


【イム様砲】の、おそらくは唯一のモデル。
愛らしさの裏にある"核爆発"と「日本国旗」


「白と黒」と言えば、思い浮かぶ動物が一ついる。

"パンダ"だ。

そして呪術廻戦においては、
このパンダがまず最初に描かれている戦いがある。

"秤 vs 鹿紫雲戦"だ。

読んでもらえれば分かる通り、この戦いは
鹿紫雲に鉢合わせてしまったパンダの代わりに
秤が戦うものだが、

ではこの戦いにおける"最初"がパンダなら、
"最後"はどうなっていただろうか?

【"大爆発"】で決着が付いているのである。

トリスタンの白と黒、黒ひげとルフィの対比としての白と黒、
カイドウに関係する白と黒、呪術廻戦の複数の場面で描かれた白と黒、

あらゆる異なる作品、異なる場面において、
組み合わせとして「白と黒」という色が共通し、
そこには"大爆発"という要素も一緒に描かれている。

ではここで「原子番号」を見てみよう。

原子番号"99番"「アインスタイニウム」と呼ばれる元素である。

このアインスタイニウムは、天才科学者と言われた"アインシュタイン"から
その名が取られており、この次の原子番号100番「フェルミウム」と並んで
【"核爆発による影響から得られたもの"】という共通点がある。

だが驚くべきはこれだけではない。

この核爆発とはいわゆる「核実験」のことであり、この核実験の
コードネームは【"プロジェクトPANDA"】という名称だった。

そのため、アインスタイニウムは当初、この名前(正式名称)が決まるまで
冗談で「パンダモニウム」という名前が付けられていたという話がある。(その後正式にアインスタイニウムという名前が付けられた)

さて、ここにも「大爆発・99・白と黒」の繋がりが見える。

ワンピースで言えば「白い姿のニカ」に魅了されたのは、おそらくは
アインシュタインがモデルになっているであろうベガパンクだった。

そのアインシュタインは、戦争をするためではなく
むしろ「止めるため(ナチスに先に核を持たせないため)」に、
米国が核兵器を製造する進言を当時の米大統領に手紙で送っていたが、
それが結果的には、日本を傷つける結果になってしまったことについて、
日本の科学者である"湯川秀樹"に涙ながらに謝罪をしたとされている。

(しかも自身の名が付けられた元素は、
 核爆発から得られたものという皮肉になっている。)

このことは以下のシーンに象徴されているであろうことからも、
ベガパンクがアインシュタインをモデルのうちの一つとしている
可能性はやはり高いのだろう。

ではその"アインスタイニウム"が発見された核実験とは
どのようなものだったのか?

それは、今から70年ほど前に行われた世界初の「水爆実験」であり、
名を「アイビー作戦」と呼ばれるものである。

この水爆実験で使われた名称が「マイク」と「キング」であり、
先ほどの「プロジェクトPANDA」はこのうちの"マイク"に付けられた
コードネームだったとされ、

この作戦において
原子番号99番「アインスタイニウム」と
原子番号100番「フェルミウム」は発見された。

実は、この実験作戦は「ある島」で行われたのだが、
それに使われた島の存在はあまり知られていない。

その島は名前を"エルゲラブ島"と言い、実験はこの島で行われたのだが、
実はこの島、その結末がワンピースの「ある場面」とかなり似ている。

俗に「イム様砲」とも呼ばれる"ルルシア王国へのマザーフレイム使用"だ。

エルゲラブ島は、「アイビー作戦」の実施によって島そのものが根底から
無くなり、その実験の後には巨大なクレーターが残るのみとなった。

上の画像にある「ELUGELAB」と書かれた島が、下の画像では
その部分にポッカリと穴が開き、完全に消失していることが分かる。

つまり、このルルシア王国消失のシーンは、ここまでの考察も含めて、
エルゲラブ島、さらに言えば「アイビー作戦」が元になっているのでは
ないだろうか?

ここまで、
ONE PIECEにおける"ワノ国編 & ルルシア王国への攻撃"
呪術廻戦における"秤 vs 鹿紫雲の戦い"
世界初の水爆実験"アイビー作戦"と、

それぞれ異なる作品と出来事に、
共通した要素が用いられていることを解説した。
(99・白と黒・大爆発)

さらに先ほども触れた通り、"アインスタイニウムとフェルミウム"は
アイビー作戦で採られた原子番号99と100、つまり白と赤を融合した
桃色の象徴でもあるが、この"桃色""大爆発"という組み合わせ、
どこかで見ていないだろうか?


映画による「日本蔑視騒動」からのみ見えてくる、
アインシュタインと炭治郎との関係性


2023年にアメリカで公開された映画、
「バービー」と「オッペンハイマー」である。

©Warner Bros.
©Universal Pictures.

これらは"女の子が遊ぶ人形"として世界中で有名な「バービー」と、
"原爆の父"と呼ばれる科学者の「オッペンハイマー」についての内容を
それぞれ映画化したものだ。

私は前回の記事で【赤と白】がどれだけ重要な意味を持つ色なのかを
象徴的な目線から、少しではあるが触れた。

そして今回の記事では【大爆発】について触れてきた。

この二つの記事にわたって解説してきた二つの要素を、片方の映画は
赤と白を混ぜた"桃色"として、もう片方は原爆の開発に関与した
"科学者"の目線から、それぞれ焦点を当てている。

この2つはアメリカでは同じ日(7/21)に公開されており、その影響で
アメリカでは「バーベンハイマー」という造語が作られるほどだった。

これらの映画の問題は様々あり、そのうちの一つは
今も触れた「同日に公開されている」という点である。

一応、この2つが7月21日に公開となった経緯には「バービー」の
配給会社である"ワーナー"と、「オッペンハイマー」の監督である
"クリストファー・ノーラン"との不和にその原因があるとされる。

これをそのまま飲み込んでみてもいいのだが、
このアカウント & 記事は都市伝説を扱うものだ。

あえて穿った見方をしてみよう。

これらの映画の公開日である「7月21日」というのは、
当たり前だが「7月22日」の一日前だ。

あなたはこの"7/22"という日付が何の日か、ご存知だろうか?

この日は【"マグダラのマリア"】の記念日であり"101"の象徴の日である。

私のアカウントを追っている場合、
この画像は何度も見たことがあるだろう。

"マグダラのマリア"とは「イエス・キリストの恋人」ともされた人物。

キリストが復活した際にも、その話を聞きつけ墓所に向かっており、
聖書の中においても2人の関係が度々記述されている。

【7/22】というのは、そんな彼女の記念日となる重要な日だ。

つまりこの7/22の一日前である映画の公開日の「7/21」というのは、
"101"の象徴の日の一日前=「"100"の象徴の日」ということになる。

そう考えれば、
バービーが元々"ピンク"を前面に押し出した玩具であるとはいえ、
映画でもピンクを押し出し、さらにそれが原爆開発者の映画と同日に
公開され、"赤と白の国旗を持つ日本を意識した騒動"が起こった事にも
少しばかり納得がいくのではないだろうか?

日本を挑発しているかのような投稿。
問題はこのミームに「バービー」の"公式"が乗っかったことだ。

一応、なぜ7/22が"101"の象徴なのかに、ほんの少し触れるとすれば、
それはこの数字「7/22」にその理由の一端があるためだ。

7/22はその表記を逆にした場合、"22/7"(22÷7)となり、
=3.142857……と、円周率の「近似値」になる。

この"円周率"こそ、"101"の象徴の日たるゆえんの一つでもある。

(一応言っておくが、この記念日は「偶然」この日になったわけではない。
 ちゃんと意味を持たせてこの日を記念日にしている)

さらに、この"7/22"に連載を開始した漫画がある。

「ONE PIECE」だ。

つまり「マグダラのマリア」と「ONE PIECE」は
"円周率にも"、少しだが関係があるということになる。

さて、これらの映画の話にはもう一つ面白い点がある。

それは、この「オッペンハイマー」の監督である
"クリストファー・ノーラン"が、この映画を撮影後、
イギリスで「ナイト」の称号を得ている点だ。

『クリストファー・ノーラン監督にナイトの称号

分かると思うが、ナイトとは〝 騎士 〟のことだ。

このナイトの称号は、主にイギリスにおいて
文化や芸術などで功績があった者に対して授与される「称号」のこと。

他にも多くの「ナイト」がおり、ノーランはそのうちの一人である。

つまりたった2つの映画だが、ここまで出ている要素を整理すれば、

赤と白を合わせた="桃色"
原爆開発者の映画="大爆発"
映画撮影後の称号の授与="騎士"と、

前回の記事から解説してきた全てが、この一連の流れには込められている。

今回、ノーランに称号を授与したのはイギリスだが、
このイギリスという地においてナイトの称号を得た者、

特に男性に対してこの称号が授与された場合、
その男性が何と呼ばれるかご存知だろうか?

"サー(Sir)"と呼ばれるのだ。

©尾田栄一郎/集英社

つまり前回の記事でも触れた、クロコダイルの本名
"サー・クロコダイル"には、"騎士"という意味が込められている。

ここにおいて重要なのは、このクロコダイルには
"サー"という部分からは今解説した通り【イギリス】が、

"クロコダイル"という部分からは、古代エジプト神話の
ワニの神"セベク"との繋がりから【エジプト】が、
(クロコダイルが支配を目論んでいたアラバスタが
 エジプトのような雰囲気だったことも含め)

それぞれ裏設定として盛り込まれている可能性があるということだ。

だが"サー"とは、本来の意味は「私のご主人様」という意味なので、
その認識に基づいた場合、これは【"犬"】を表していることになる。

これはそのまま解釈すれば"犬=騎士"となるが、実はこの構図は
上記の根拠に触れずとも証明できるほど、象徴的には重要なものである。
(その解説に関しては今回は長くなる & 脱線するため割愛する)

つまりクロコダイルに複数あるであろういくつかのモチーフとしては、
国では【イギリス】【エジプト】が、動物では【犬】【ワニ】
それぞれ盛り込まれているということになる。

そのため先ほどのエジプト神話のワニの神"セベク"と合わせ、
この二つの動物はどちらも〝 騎士 〟に関係しているのだが、

この"犬とワニ"という組み合わせ、どこかで見ていないだろうか?

"鬼滅の刃"だ。

『鬼滅の刃のどこに犬とワニが?』と思うかもしれないが、

主人公である「竈門炭治郎」は他人の感情を"臭い"で察知するなど、
犬の特徴を思わせるようにやたらと「嗅覚」に優れている描写が多く、

ある考察によれば、鬼滅の刃の"滅"の字も、その字の中にある
「さんずい」と「火」の字を取れば、"いぬ"という字になるため、
水の呼吸を会得し、炎の呼吸の柱との繋がりが深く描かれた
「炭治郎と"犬"」の象徴性は強いものと言える上、

この作品の原作者である「吾峠呼世晴」氏は、
作品の中ではいつも「ワニ」の姿で描かれている。

さらにこの作品は、"騎士の役割"と同じ【悪しき者を剣にて討つ】物語だ。

つまりこの作品では【主人公】【原作者】という、作品において
最も重要な二人に、【犬】【ワニ】が据えられていることになる。

そしてそれら二つを【騎士】という要素が統合しているのだ。


いずれ犬とワニ(特に犬)が騎士に関係することを
もう少し深掘りする文章を作ることもあるかもしれない。が、
おそらくまだまだ先の話なので、気長に待ってもらえればと思う。

さて、犬と言えば「口を開けて舌を出している姿」が印象的な動物であり、
あなたがもし現在犬を飼っている、または過去に触れたことがあるなら
それはおそらく容易に想像ができるだろう。

先ほど「オッペンハイマー」の映画に触れたが、
このオッペンハイマーという人物は最初に伝えた通り、
"原爆の父"と呼ばれた科学者だ。

だが同じ時代の科学者として、同じく原爆に関与していた人物が
先ほども解説した"アインシュタイン"である。

(私は、オッペンハイマーとアインシュタインは原爆の開発に
 関わったというより、"開発に巻き込まれた"と思っている)

さて、ONE PIECEのエッグヘッド編では、なぜアインシュタインが
モデルであろう"ベガパンク"が登場したのか、その根拠となるものがある。

アインシュタインと言えば、カメラマンから笑顔をリクエストされた際に
撮影された、「舌を出した写真」が有名だが、実はこの舌出し写真、
ある仮面と非常によく似ている。

【"メドゥーサの仮面"】だ。

つまりここに、

犬(騎士)蛇(神)
アインシュタイン(科学者)という、

3つの関係性が成立することになる。

現在のワンピースのエッグヘッド編では、世界政府側に
やたらと犬の犬種をモチーフにした中将が登場し、

ベガパンクの中で唯一生き残ったのも【エデンの園】の神話において
「蛇が巻き付いた女性」として描かれる「リリス」だけだった。

つまりワンピースにおいても、【犬・蛇・科学者】の構図が描かれている。

そしてこのリリスは神話上では「夜の魔女」とも言われる存在であるため、
上の画像にある海軍達を「犬=騎士」とした場合に、前回の記事で考察した

『"魔術師"の象徴を持つ者が麦わらの一味の味方側になる』

ということも同時に描かれていることになるのだ。

これで、なぜエッグヘッド編でベガパンクが登場したのか、
その理由の一端が理解できたのではないだろうか?



おまけ.

©藤本タツキ/集英社

恋はいつでも"ベロ出し"ハリケーンだ。


(Part3へ続く)

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