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とびきり美味い蟹を食す

新幹線ホームからローカル線のホームまでは、駅を横断するような長い距離だった。
途中、ベーカリーショップでサンドイッチとチーズがちりばめられているフランスパンを昼食に買った。
ホームの売店で、温かなコーヒーを2杯と彼女は紅茶を買った。

電車の清掃が終わるのをホームで待ち、電車に乗り込んだ、亀岡を過ぎるとだんだんと山間ののどかな景色に変わってきた。
買っておいたパンとコーヒーで、昼食を済ませた。
サンドイッチは程よく辛子が利いていた。
ゆっくりとしたローカル線は、山間を走り続け、舞鶴の駅まで約2時間近くかかった。

西舞鶴で乗り換えた京都丹後鉄道の電車は、レトロな雰囲気の車両で車掌の女性もいて、懐かしさ溢れるものであった。
途中、通学の学生がの乗り込んできて車掌の女性と会話をしていた。
車窓からは、時折海が見えたり街並みが見えたり旅情ある路線だった。
目的の駅までは、約1時間半程だったが、景色が美しくさほど時間や遠さを感じること無く到着をした。

駅には今夜の宿寿海亭の送迎車が着てくれていた。
歩くと音が鳴る琴引浜などの話しを聞きながら20分程で到着した。
少し小高い位置なので、海がよく見える小さな宿だ。

一休みして、海沿いの道を散歩してみると、漁師町によくあるような建物が並んでいた。
遠くで、機織りのような音が聞こえる。
夕暮れ時になったので、戻り始めると美しい日没を見ることができた。
少し歩き疲れ、玄関に続く坂道が厳しかった。

やや小さかったが、桧風呂に浸り休んでいると夕食の用意ができと挨拶があり用意をしてもらった。

焼き蟹の炭火、しゃぶしゃぶ、地魚の料理など卓に並びきらないほどである。
噂に聞いていたが、それ以上に素晴らしいお料理だ。
蟹も、かなり大きな物だ。そして、とても美味しく、味も風味も良い。
さらに、かに酢や鍋の味が上品で一層美味しくなる。

焼き蟹は、芳醇な香りを楽しめ、茹でた蟹は味や歯ごたえが楽しめ、蟹味噌も濃厚な香りと味で、甲羅酒まで楽しんでしまった。

とても、美味しく最後の雑炊まで食べきれないような量だったが、美味しい料理に箸が止まらず、完食をしてしまった。