スニフ村的歌詞がすごい曲その13"The band"
生の熱量
どうもスニフ村です。
最近なんだか世間様は大変そうですね。
感染感染うるせぇよって感じです。
そんなクソご時世への愚痴は縦置き。
こんな時代になってしまってからライブというものへほとんど行けなくなりました。
行っても対策だらけでかつての熱量を感じられる場所はありません。
だからこそ今行きたいという気持ちがとても強いです。
そんな気持ちの表れでもある楽曲で、気分だけでもライブを感じたいと思います。
さあ生で音楽を聴こう。
やっていきます。
キュウソネコカミ「The band」
【曲全体を聴いての感想】
この曲の魅力に気づいたのは忘れもしない2019年5月埼玉スーパーアリーナで行われたVIVA LA ROCK。
この頃はあまりキュウソを聴いていなかったこともあり、駆け込みで予習をしたので、この曲の良さに僕は気づいていなかったです。
生でこの曲を聴いた時の感動と心の昂りは、今もなお僕の記憶に強く刻まれています。
音楽を、ライブを生業として生きるバンドマン。
あくまでバンドマンでありたいという彼らの決意とともに、ライブで音に殴られる快感を僕に再実感させてくれました。
彼らのライブと、音楽の魅力を、音源と僕の言葉で、少しでも伝えられればと思います。
【音楽家として生きたい】
「おもしろいのは大変ね 同じ事じゃ飽きられるから アンテナ張り巡らせ スキルは磨かれる かっこよくもなりたいね 古くなりたくはないね 半歩先目指したい 流行りに中指立てるの肩身狭い あざとい写真が様になる ムカつくね イイネが増えてく やるせなさが溜まるね 先にやられてしまう 悔しいけどおもろい 戦い続けて 試行錯誤して」
Aメロは彼らキュウソネコカミの苦悩や葛藤を表していると僕は思います。
"コミックバンド"なんて呼ばれる彼らは、ロックサウンドに乗せて少し面白いことを歌にすることを得意としています。
あくまで僕の主観ですが、彼らの歌詞は着眼点が面白く、一般人に思考が寄っていて、なんだかあるあるを聴いているような感覚になります。
そんな彼らにも、"コミックバンド"として売れたことに対する苦悩があります。
それが、おもしろくあり続ける事。
同じような言い回しや世間へのdisは飽きられる。
だから世の中へのアンテナを張って、自分達のものにできることはものにしていく。
そうやってセンスを磨いていく。
ここだけ見ると、ありふれた日常を歌詞として書くよりも、おもしろく曲を表現することの難しさが窺えます。
皮肉が混じっていて少し捻くれている彼らの歌詞は、時には敵を作りますし、取り入れる情報が遅ければ時代遅れに感じます。
だから人よりも先に、誰も見つけていない着眼点で曲を書かなければなりません。
それは逆に、流行を否定することにも繋がります。
もちろんこの曲のように、いつになっても色褪せない楽曲はありますが、他のバンドよりもキュウソは鮮度を求められます。
その鮮度を保ちつつ面白いことを曲にすることの難しさが、このAメロの前半だけで強く伝わります。
そしてバンドが売れると、メンバー個人の容姿だったり言動が好きといったファンが生まれることもあります。
だから、上手く写真を撮る自分にムカつくし、イイネが増えても曲を聴いたり、ライブに来たりしてくれないようだと、バンドマンとしての自分の無価値さも感じるんだと思います。
音楽を奏でるバンドとして、彼らは生きていて、決してアイドルではない。
けれども、応援してくれる人を無碍にすることはできない。
そんな苦悩や葛藤と戦い続けながら、過去をアップデートする曲を作れるよう試行錯誤していく。
誰よりも音楽家なんだと思います。
そしてサビへ続きます。
「ロックバンドでありたいだけ ロックバンドでありたいだけ 悲しみや憂いも紛らわせて ぶっ飛ばしてやるよ ライク ア ヒーロー ライブハウスはもう最高だね ライブハウスはso最高だね 安定と不安定が混ざり合う 心の底からぶち上がりたいんだ!!!」
これがキュウソネコカミの想いです。
彼らはアイドルでも、インフルエンサーでもなく、ロックバンドなんです。
だからそうありたい。
それが彼らの望むことなんです。
ライブで、音楽を生で聴いて、楽しい気持ちになって、日々の雑念や不安を吹き飛ばしたい。
そんなヒーローでありたい。
みんなで音楽を楽しめるライブハウスは彼らにとって聖地であり、戦場でもある。
演者も客も一緒になって、混ざり合って、感情を、時間を、全てを共有する。
そんな空間がライブハウスなんです。
「ライブハウスはso最高だね」と、『so=とても』として「めちゃくちゃ最高だ」と表現されているのも僕は好きです。
生きていると、様々な感情や悩みがあって、そんな色んなものが混ざり合う人生。
そんな人生でも、ライブで、音楽を奏でて、気分を上げて、心の底から音楽を楽しみたい。
そんなキュウソの想いが強く伝わってくるサビだと思います。
【自分の核を忘れるな】
Bメロに続きます。
「バンドマンからは好評です でも世間の需要とズレている 音楽性を変えるのか? オナって迷って誰に届く? 染み付いたイメージは中々拭い去れず 少し逸れただけでも 昔を求められる そこで意地を張るのか 流行りに乗り換えるか 嘘は辛くなるし わがままでいたいし」
同業者は、彼らの曲作りの難しさがわかるが故、凄いねと評価をしてくれます。
けれども世間からの評価はそうではない。
バンドを続けるには、曲を聴いてもらわなければならない。
じゃあどうするのか。
自分達の芯を捨てて世間の需要に合わせるか。
自分達だけが満足できる曲を作るか。
そんな自慰行為のようなことをして、何になるんだ。
自分の道を見失った人間の曲が、誰の耳に届く。
キュウソのように、コミックバンドとしてのイメージの強いバンドは、芯がブレないことが大事なんだと思います。
芯のブレない、彼ららしい楽曲だからこそ、聴きたいと思う人がいるんだと思います。
ただ、そんな芯のブレない彼らだからこそ、ついたイメージは簡単には払えません。
少し曲のテイストを世間にウケるように変えれば、「昔の方が尖ってて好きだった」とか「丸くなった」とかそんな声が聞こえてきます。
そんな声が聞こえた時こそ、バンドとしての真価が問われます。
その声に耳を傾けるか、無視をして世間の需要に合わせるか。
でも歌いたいことを誤魔化して、自分に嘘をつくのはいつまでも続かない。
言いたいこと、歌いたいことを歌いたい。
そんなわがままとも言える状態でも、芯はブレさせたくない。
それこそが彼らの思うロックなんです。
サビへ続きます。
「ロックバンドでありたいだけ ロックバンドでありたいだけ 誰にも気付かれなくても 今この瞬間はライク ア ヒーロー やっぱりライブは最強だね すぐそこで生きてる最強だね 音源じゃ伝わりきらない 細かい感動がそこにはあるからだ!!!」
知名度が上がらなくて、売れなくても、ライブの時だけはそこにいる人からすればそのバンドはヒーローである。
バンドを求め、音楽を求める人を笑顔にするヒーローがステージの上にはいるんです。
「やっぱりライブは最強だね すぐそこで生きてる最強だね 音源じゃ伝わりきらない 細かい感動がそこにはあるからだ!!!」
僕がライブに魅力を感じる理由がここに全て詰まっています。
どこか遠くに感じてしまうアーティストをすぐそこに感じ、音源だけでは見えてこない熱量、曲の背景を肌で体感できる。
それこそがライブの魅力だと思っています。
それを、ライブをする演者側であるバンドが同じことを思っていることに感動しました。
あくまで受け手である僕らの感情を、同じ熱量でアーティストが歌ってくれていることがどれだけ尊いことで素晴らしいことか。
僕はこの曲をライブで聴くまではわかりませんでした。
【音楽を届けてくれることへのありがたみ】
「アイドルみたいなったって 俳優女優になったて 突然オシャレになったって 態度がでっかくなったって 評論 見解述べたって 誰かと幸せにになったって スキャンダルすっぱ抜かれたって 音楽を鳴らし続けてくれ 新曲ありがとぉぉぉ!!!」
ここ僕大好きなんですよね。
これは完全にファンの視点で書かれていて、アーティストがどうなっても音楽を作ってくれて、曲を届けてくれることに感謝したいと思える歌詞になっています。
ちなみに、ライブだと「誰かと幸せになったって」という歌詞の部分ではキーボードのヨコタさんが左手を見せるんです。
そのシーンがめちゃくちゃ好きで、もうここだけでライブの良さが詰まってるんですよね。
もちろん映像で見返しても良いんですが、その場でその瞬間で左手を見せられることに意味があると僕は思います。
いつも最高な音楽を届けてくれてありがとう。
どんな形でも、音楽を奏でてくれてありがとう。
アーティストへの感謝は忘れてはいけませんね。
そしてラストのサビへ
「ロックバンドでありたいだけ ロックバンドでありたいだけ 今この瞬間も感じてる 音楽を通じて救い合えてる リアルタイムで出会えたから ライブが見れるの最高だね いつかさよならはくるけれど 失われることのない この今をDa〜!!!」
この1番盛り上がるところが、ライブで聴くと、その場にいることを、ライブに自分が来ていることを感じれて本当に感動します。
しかも「救い合えてる」のが良いですよね。
僕らは音楽にいつも救われていますが、僕らがライブに行くことで、アーティストに盛り上がりを届ければ、その声援がアーティストを救うことにもなるんです。
ライブというものは、一見参戦した僕らだけがアーティストを生で感じることができるものと捉えられがちですが、アーティストにとっても、ファンという存在を生で感じることができるwin-winな空間なんです。
どう考えても素敵すぎる空間だとは思いませんか。
こんなクソなご時世になると「ライブが見れるの最高だね」という歌詞も、本当にそうだったなと感じます。
ライブに行けていることが当たり前じゃなかったと思わされる日々が来るだなんてこの曲を聴いた頃は思ってもいませんでした。
「いつかさよならはくるけれど 失われることのない この今をDa〜!!!」
この歌詞にもあるように、過去に楽しくライブに行けた日々は失われない。
ここで言う「いつか」がこんな時代で、ライブが開催されないまま訪れないで欲しいです。
いち早く、密でライブできる日が来ることを祈ります。
あ〜!!!ライブ行きたい!!!
【最後に】
いかがだったでしょうか。
僕はライブが大好きなんだなとこのnoteを書いていて改めて思いました。
激しく音に殴られるバンドのライブも、ゆったり音を味わうライブも、魅力は変わらない。
なんといっても、その場で音楽が奏でられていることが重要なので。
早くみんなでわちゃわちゃ夏フェスで汗を交換したいですね。
逆に全てを諦めてやってみて欲しいです。
死ぬ気で参加します。
【次回作】
例の如く次回作は決まってません。
あ、ごめんなさい嘘です決まってます。
改行したときに書きたかった曲を思い出しました。
僕の愛するバンドの曲を、満を辞して書きたいと思います。
誰も待っていないでしょうがお楽しみに。
それでは皆さん良い音楽を。
スニフ村
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