耳から心がrichになる
耳に入る言葉が、音が人の心を豊かにする
どうもスニフ村です。
最近頑張っているつもりです。
このnoteはVaVaちゃんのVVARP感想noteの後編です。
まだ前編を読んでないよって人は前編を読んでからの方が楽しめるかもしれません。
あ、多分そうでもないかもしれないです。
まあ一旦前編を読んでやってください。
後編を書くことに前置きなんていらないので、早速やっていこうと思います。
さあ音楽を聴こう。
7.YANKEES
この楽曲を一言で表すならば「圧倒的陰キャ節」だと思います。
そして、誰でも心の中にヤンキーを飼っていると言うことが伝わります。
え?陰キャの中にヤンキーがいるわけないじゃないかと思ったそこのあなた。さては陽キャですね?
僕も陰キャよりの人間なので気持ちがとてもわかるのですが、世間的な立ち回りが陰キャでも見えないところで中指を立てて反抗意識を持ったりとヤンキーに近い側面を隠しています。
それは一種の憧れでもあり、コンプレックスでもあるんです。
でもそんな自分の側面に気付いて向き合えた時に、人はまた1つ大人になるんじゃないでしょうか。
そして、あえてそんな側面をVaVaちゃんが表に出すことで、聴く人の中にいるヤンキーを肯定してくれているように感じさせています。
実際僕も、自分のそんな側面を恥じていた部分もあるのでこの曲を聴いて「なんだ別にみんなヤンキーなんじゃないか」と思いました。
皆さんも心の中のヤンキーを好きになってあげてください。
どうせみんなヤンキーなので。
そんな自分自身との向き合い方を軽快なリズムで伝えてくれる1曲。
YANKEES。
8.イノセントエクスプレス
この楽曲が今のところ今回のアルバムで1番好きです。
人生における自分の進んでいく道をレールに例えることがよくありますが、そのレールに乗る電車に自分が乗っているような表現には感銘を受けました。
行き先が同じ電車に乗った友達と、人生の岐路で分かれて、また別の電車に乗り換えた時にそこに乗った人と出会う。
人生と電車の乗り降りが上手く合わさっていて、本当に好きな楽曲になっています。
そして1度乗ってしまえば次の駅に着くまでは後戻りできない。
乗り換えはしても下車はしない。
すごくこれまでの人生と、これからの人生を考えさせられました。
ちなみにこの楽曲でめちゃくちゃ好きなフレーズが「歴史載らないよきっと俺ら でも載らない君の歴史が見たいよ」です。
この楽曲で歌詞がすごいnote書こうかなと思っているのはまた別の話。
人生はまるで電車の片道切符のようで、人生の中で出会った人達のことを思い出させる1曲。
イノセントエクスプレス。
9.ComFlex(feat.VIGORMAN)
変態紳士クラブとしても、ソロとしても今活躍中のVIGORMANくんを客演に迎えたこの楽曲。
Hookがめちゃくちゃトラックに合ってて人選の的確さが光ってるなあと思いました。
タイトルはcomplexとflexを混ぜた造語になってます。
flexはHIPHOPでは見せつける的な意味で使われる事が多いです。
人にあまり見せたくないcomplexも、flexできるものだと伝えてくれているように僕は感じました。
VaVaちゃんが自分のcomplexをこの曲の中で曝け出しているという点も、VaVaちゃんがcomflexしている証になっているのがまた良いですよね。
僕はまだ自分のcomplexをflexできませんが、この楽曲を聴いて、complexは必ずしも恥ずかしいものではないんだなと知れました。
早くcomflexできる人間になりたいです。
素敵な造語で、言葉を紡ぐラッパーだからこそなせる技だなと感じました。
そんな自分の弱さやcomplexを好きになろうと思える1曲。
Comflex(feat.VIGORMAN)
10.夜/Hack
この楽曲はVaVaちゃんのもつ言葉の使い方の幅広さが強く表れていると僕は思います。
仕事や学校がある日中と比べて、夜は1日の中でも余白のような役割をしていて、自分次第で色をつけられるものだと思います。
そしてHackは、ハッキングという言葉があるように、人のセキュリティを突破して侵入していくような意味があります。
その夜の余白と、Hackをかけて「夜/Hack」
天才的なワードセンスだとは思いませんか。
そんな夜という余白では、余白であるが故に様々なことがよぎってしまいます。
昼間の仕事でミスしたことや、悩みを思い出すのは決まって夜ではないでしょうか。
それは、夜は昼間と比べて余白があるからで、そんな余白を音楽でHackしたい。
そんな意味がこの楽曲には持たされているのではないでしょうか。
"昼と夜"を"陰と陽"と例えたり、VaVaちゃんらしさ全開の言葉遊びで僕はこの曲がとても好きです。
そんなVaVaちゃんが空虚な夜に音と共に入り込んで来てくれる1曲。
夜/Hack
11.Bad Day
この楽曲はアルバムの曲順で聴くことでより意味を増すように僕は感じています。
どういうことかというと、この曲の前に流れる楽曲「夜/Hack」の終盤にこんなリリックがあります。
「I don't need no carryin' on Baby 今日はついてない日だったね 閉じる夕焼けに向かって やり直していけりゃいいね」
そんな"ついてない日"なんて意味とも受け取れるBad Day
VaVaちゃん最大の魅力は弱者に寄り添う心だと僕は思っています。
それも、無責任に「なんとかなるよ!頑張ろう!」みたいなポジティブ全開なわけではなくcomflexのように、VaVaちゃん自身の弱さを曝け出した上で寄り添ってくれるんですよね。
弱さを見せた上でのポジティブな言葉は、説得力を高めますし、何よりどんな人にも悪いはあるんだと知ることができます。
自分の好きなアーティストはキラキラ輝いて、どこか自分とは人間として違うように感じてしまいます。
そんな感覚を取り除いてくれるんです。
さらにこの楽曲のスゴいところは、悪いことと良いことを発声とサウンドで対比させている点で、これに関しては曲を聴かねばわからない部分だと思うので、是非意識して聴いてみてください。
そんなVaVaちゃんの弱者に寄り添う魅力が全面的に押し出された1曲。
Bad Day
12.Gatsby
アルバムの最後を締め括るこの楽曲は、VVORLD(前アルバム)からの3年間を強く感じます。
リリックにも「VVORLD to VVARP」とあるように、3年というこのアルバムにかけた歳月が伝わってきます。
この3年間に感じた小さな幸せや、日常な些細な出来事が綴られていて、そんな日々を過ごしたVaVaちゃんがたどり着いたのが「心がrichならそれで良い」ということ。
お金で幸せは買えないなんていいますが、現代ではその言葉の持つ力は弱まってきているように感じます。
お金である程度の事が解決出来てしまうようになってしまったから。
でも懐がお金で満たされても、心が満たされる事はないでしょう。
貧しくとも幸せな人がいるように、幸せとは心がどう満たされるかという点が強いのではないでしょうか。
3年間という月日の中でVaVaちゃんはその心が満たされる事が幸せであるということに気づいたんじゃないかなと思います。
アーティストの楽曲を聴くだけで、僕らは一喜一憂をする事ができます。
その中でも最も割合を多く占めるであろう「喜」は、僕は心を満たしてくれるものになります。
音楽というもので耳から心がrichになる。
こんなに素敵で幸せなことはありません。
そんなVaVaちゃんのでアルバムの集大成に相応しい1曲。
Gatsuby
終わりに
いかがだったでしょうか。
前編から1週間くらいで上げる予定がこんなにかかってしまいましたすいません。
最後に、このアルバム全体を通しての僕個人の感想を少し書きたいと思います。
僕がこのnoteを前編と後編に分けたのはもちろん、文量がとんでもないことになってしまうからというのはもちろんなのですが。
1番の理由は、前編で紹介した楽曲達と、後編で紹介した楽曲達を僕が別枠で捉えているからです。
どういう意味かというと、前編の楽曲達は、VVORLDからの3年間で得た新しいものがプッシュされていて、後編の楽曲達はその新しさとVaVaちゃんがこれまで培ってきた物が融合されているように感じたのです。
これは、音楽的な事とか、リリックがとかではなく、あくまで僕の感性がそう受け取ったのです。
曲の解釈は千差万別で、それぞれの解釈があるから面白いと僕は思っています。
だからこそ、自分の感性が受け取ったことは大事にしたいと考え、こういった形を取りました。
あとは過去の自分の失敗から学んだって所もあります。
まあそれはまた別のお話。
つまりサウンドが〜とか、リリックが〜とか明確な根拠ではなく直感を信じたんですよね。
でもそれは間違いではなかったんじゃないかなと今は思っています。
長くなりましたね。締めます。
こうやってアルバムを全曲通して紹介していきましたが、アルバムに対する愛がさらに深まって、新しい発見もたくさんありました。
アルバム全曲通してのnoteを書こうと思わせてくれたVaVaちゃんの音楽の力には感服です。
本当はGatsubyで「金ネジキ」ってワードがあるとか色々と話したい事はたくさんありましたがそれはまたの機会に。
こんなに長い文章をここまで読んでくれた方ありがとうございました。
少しでも僕に興味が出たら良かったら他の記事も読んでやってください。
このnoteを通じて少しでもVVARPの、VaVaちゃんの魅力が伝われば幸いです。
それでは皆さん良い音楽。
スニフ村