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【2022読了6冊目】バイリンガル教育の方法 12歳までに親と教師ができること

紙の本もKindleも「買って満足して読まない」ことが多いため、去年から「noteにアウトプットするためにインプットしよう」みたいなマインドセットで読書をしてみたら、去年はなんとか9冊読むことができた。
去年のログはこちら。
https://note.com/suni/m/mbfca878f50a0

今年は、息子の川崎病の入院の影響で読書習慣がすっかり行方不明になってしまったが、最近やっと「本を読もう」と思えるようになってきたので、このnoteも再開。

感想の中にはネタバレもおそらく含むので、それがイヤな方はこの先には進まないでくださいね。

確かツイッターで知った本。

息子の言語教育のためにと思って買った本だけど、自分の生い立ちや朝鮮学校で学んだ言語のことなどいろいろと思うことがあり、「腑に落ちた」ことも多く、勉強になった。 すごくよかった。

「継承語」という概念を知ることができたのもよかった。

※継承語とは…
継承語とは Heritage Language の訳語。
移民,難民あるいは職業等なんらかの理由で言語環境が異なる社会に移動した場合に,新たな言語への対応(教育)が必要なことは言うまでもない。国際結婚でも同様な場面は生じるであろう。そうした環境で,子どもが生まれれば,子供は周囲で使われる言語(現地語)を母語として身に着ける可能性が高い。場合によっては家庭内での言語(継承語?)と家庭外での言語が異なるような事態になるかもしれない。バイリンガルとして成長する可能性もある。
さて,現地語を母語として成長すると仮定したとき,継承語(親の母語)の習得にいかに取り組むかという問題がある。
継承語教育(継承語学習)の目的は,1.両親及び親戚とのコミュニケーション,2.ヘリテイジ文化の保持・活性化,3.自らのルーツへのプライドの保持などが考えられる。
日本語の場合には,南米や北米で日系人が継承語としての日本語教育を展開している。逆に1990年以後,定住者ビザで移住してきた日系ブラジル人などは母語のポルトガル語をその子弟に継承させるべく努力している。

アークアカデミー日本語教師養成講座のサイトより


朝鮮学校の思想面は置いといて、(私の小中高の頃は)日本で育った2世が3世、または3世が3世4世(今だと5世もいるのかな)に朝鮮半島の言語・文化を継承するための学校を日本で何十年も運営し、教育を継続しているのはすごいと思った。
 (だからといって私はあの学校について手放しで賛成しているワケではない)

朝鮮半島の言語と書いたが、北朝鮮とも韓国とも違う言語として発展していると思う。授業では「国語」として習ったが、もはや「継承語」なのではなかろうか。どっちの人にも「日本の訛りがhogehoge」と思われるし、ネイティブのようには話せないし。

とはいえ、子供のうちから学校でそれなりに勉強したおかげで、最低限の筋肉はついたのだろう。最近、韓国語のマンツーマンのレッスンを受けているのだが、先生から聞いた話で「私は基礎はそれなりにあるんだな」と実感したエピソードがある。

先生の生徒さん(日本語ネイティブの日本人)に「誰も知らない」という日本語を韓国語に訳させると、「누구도 모르다」になるらしい。誰=누구、ということなのか。なるほど。いやいやなるほどじゃない、おかしいよ。私は無意識に「아무도 모르다」と言えたので、「suniさんはやっぱできる方なんですよ」と言われた。なるほどな。朝鮮学校にも少しは感謝しないとな。

余談だが、아무도 몰라という北朝鮮の歌がある。北朝鮮発祥だと思わず韓国語の先生に「こんな歌があるんですけど、知ってます?」と聞いてみたら、知らないと言われた。「戦場から届いた手紙に胸をワクワクさせながら歩いている乙女の気持ち、誰も知らない〜〜」みたいな歌なんだけど、歌詞を改めて見てみたら「수령님」なんて言葉が出てて、圧倒的に北朝鮮ソングだったwww 改めてYouTubeで音源聞いてみたら、北朝鮮的ソプラノだった。そりゃそうだwww

この「無意識にこうだと思う」的なの、例えば日本語だと数字を1から10まで数えるとき、カウントアップだと「7」は「しち」なのにカウントダウンだと「なな」だと言うの、もはや理由もなくなんとなくそう言ってると思うんだけど、そういう感じ。無意識。

そう考えると、継承語とはいえそれなりに勉強してきたんだろうね。そういう基礎体力が備わってるから、いざ仕事で韓国語を使うようになっても、韓国語のキャッチアップは早いんだろうとは思った。
 (ただし仕事として成立しているのは職種が職種だからというか、外向けのライティングを伴う業務は私はたぶん一生かかってもできないと思う)

ちょっと話がそれた。

「バイリンガル教育の方法」の本を読んでなるほどなと思ったことの1つに、バイリンガルもマルチリンガルも、いろんな人がいるということ。自分は韓国語・朝鮮語の書籍は基本的に読める。もちろんしばらく勉強していなかったし住んだこともないので新しい言葉はわからないが。または「昔はやったけど今ではもう使われない言葉」なんかはわからない。たぶん最近の若い外国人で日本語勉強中の子に「チョベリバ」なんていってもわからないだろう。そういう感じ。韓国語の映画やドラマも、字幕がなくてもだいたいわかる。韓国語字幕があった方が助かるが。ただし、スピーキングは未だに苦手だ。言いたいことにボキャブラリーが追いつかない。こればかりは経験を積むしかないだろう。

私はそういうタイプだが、人によっては第二言語(または継承語として学んだ言語)の会話は得意だけど、文字が書けないという人もいる。知り合いにも、マンダリンで会話はできるけど漢字はもうぜんぜん無理、という人もいる。

一昔前までは、「韓国語でキチンと会話できない私」だったり「自分の国の言語で文章を書けない人」のことを「まだまだだな〜〜」と思ったりもしたけど、この本のおかげで、「いろいろなタイプの多言語話者がいるし、それでいいんだな」と思えるようになった。それだけでも大きな収穫だ。

「教育」という観点だと、多言語教育ではかなり歴史が深いカナダの事例がたくさん載っていて、知的欲求を満たすには十分だったが、息子への教育という観点だと正解はわからない。あーどうしよう。最近の悩みはこれに尽きる。

というわけで、息子に対してどうやって日本語を教えるかについてはまったく方向性は定まっていないのだが、小学校入学までまだ時間もあるし、おいおい考えていこうと思う。


最後に、↑で少し触れた「아무도 몰라」という歌をおいていきます。


あーあと、民族教育・文化という観点で、私は部活で楽器をやっていたので、演奏したこともあるこの曲とか「エモいよね〜〜〜」と思うワケですが、これに相当する日本の物事は、私はたぶんごっそり抜けているんだよね。


私は、日本で生まれ育っても12年間外国人学校に通ってたからかこういうことを知らずに大人になったので、うちの息子もそうなるのかな、と思ったエピソード。


はー。
「外国での子育て」ならではの悩みが付きない。

「自分は生まれた国と国籍が違うし差別されがちな国籍であれこれ苦労したけど振り返ればそのおかげで逆境でもがんばれる力が備わった」なのか、
「息子にはこんな苦労させたくない」なのか、を行ったり来たり。

そういう気持ちと日々格闘しながら子どもに日本語を教えていくんだろうな。がんばらないとね。


以上、「バイリンガル教育の方法 12歳までに親と教師ができること」の読了ログでした。海外でお子さんを学校に通わせる方にはオススメです。


備忘録:Kindleの中で渋滞を起こしているのは次の通り。

・グロースハック完全読本(WIP)
・zero to one
・What you do is who you are(英)
・How Google Works
・Little Women(英)
・イスラム教再考
・超ライティング大全
・盗撮をやめられない男たち
・パチンコ
・バイリンガル教育の方法
・Googleが教えてくれた、英語が好きになる娘の育て方
・はじめての越境EC・海外Webマーケティング


実家にあって、いつかマレーシアに送ってもらう予定の本。

・なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか
・82년생 김지영
・氷の淑女
・学童集団疎開――受入れ地域から考える

PDFで持っている本

구글은 SKY를 모른다(60% WIP)


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