【2022読了6冊目】バイリンガル教育の方法 12歳までに親と教師ができること
確かツイッターで知った本。
息子の言語教育のためにと思って買った本だけど、自分の生い立ちや朝鮮学校で学んだ言語のことなどいろいろと思うことがあり、「腑に落ちた」ことも多く、勉強になった。 すごくよかった。
「継承語」という概念を知ることができたのもよかった。
朝鮮学校の思想面は置いといて、(私の小中高の頃は)日本で育った2世が3世、または3世が3世4世(今だと5世もいるのかな)に朝鮮半島の言語・文化を継承するための学校を日本で何十年も運営し、教育を継続しているのはすごいと思った。
(だからといって私はあの学校について手放しで賛成しているワケではない)
朝鮮半島の言語と書いたが、北朝鮮とも韓国とも違う言語として発展していると思う。授業では「国語」として習ったが、もはや「継承語」なのではなかろうか。どっちの人にも「日本の訛りがhogehoge」と思われるし、ネイティブのようには話せないし。
とはいえ、子供のうちから学校でそれなりに勉強したおかげで、最低限の筋肉はついたのだろう。最近、韓国語のマンツーマンのレッスンを受けているのだが、先生から聞いた話で「私は基礎はそれなりにあるんだな」と実感したエピソードがある。
先生の生徒さん(日本語ネイティブの日本人)に「誰も知らない」という日本語を韓国語に訳させると、「누구도 모르다」になるらしい。誰=누구、ということなのか。なるほど。いやいやなるほどじゃない、おかしいよ。私は無意識に「아무도 모르다」と言えたので、「suniさんはやっぱできる方なんですよ」と言われた。なるほどな。朝鮮学校にも少しは感謝しないとな。
この「無意識にこうだと思う」的なの、例えば日本語だと数字を1から10まで数えるとき、カウントアップだと「7」は「しち」なのにカウントダウンだと「なな」だと言うの、もはや理由もなくなんとなくそう言ってると思うんだけど、そういう感じ。無意識。
そう考えると、継承語とはいえそれなりに勉強してきたんだろうね。そういう基礎体力が備わってるから、いざ仕事で韓国語を使うようになっても、韓国語のキャッチアップは早いんだろうとは思った。
(ただし仕事として成立しているのは職種が職種だからというか、外向けのライティングを伴う業務は私はたぶん一生かかってもできないと思う)
ちょっと話がそれた。
「バイリンガル教育の方法」の本を読んでなるほどなと思ったことの1つに、バイリンガルもマルチリンガルも、いろんな人がいるということ。自分は韓国語・朝鮮語の書籍は基本的に読める。もちろんしばらく勉強していなかったし住んだこともないので新しい言葉はわからないが。または「昔はやったけど今ではもう使われない言葉」なんかはわからない。たぶん最近の若い外国人で日本語勉強中の子に「チョベリバ」なんていってもわからないだろう。そういう感じ。韓国語の映画やドラマも、字幕がなくてもだいたいわかる。韓国語字幕があった方が助かるが。ただし、スピーキングは未だに苦手だ。言いたいことにボキャブラリーが追いつかない。こればかりは経験を積むしかないだろう。
私はそういうタイプだが、人によっては第二言語(または継承語として学んだ言語)の会話は得意だけど、文字が書けないという人もいる。知り合いにも、マンダリンで会話はできるけど漢字はもうぜんぜん無理、という人もいる。
一昔前までは、「韓国語でキチンと会話できない私」だったり「自分の国の言語で文章を書けない人」のことを「まだまだだな〜〜」と思ったりもしたけど、この本のおかげで、「いろいろなタイプの多言語話者がいるし、それでいいんだな」と思えるようになった。それだけでも大きな収穫だ。
「教育」という観点だと、多言語教育ではかなり歴史が深いカナダの事例がたくさん載っていて、知的欲求を満たすには十分だったが、息子への教育という観点だと正解はわからない。あーどうしよう。最近の悩みはこれに尽きる。
というわけで、息子に対してどうやって日本語を教えるかについてはまったく方向性は定まっていないのだが、小学校入学までまだ時間もあるし、おいおい考えていこうと思う。
最後に、↑で少し触れた「아무도 몰라」という歌をおいていきます。
あーあと、民族教育・文化という観点で、私は部活で楽器をやっていたので、演奏したこともあるこの曲とか「エモいよね〜〜〜」と思うワケですが、これに相当する日本の物事は、私はたぶんごっそり抜けているんだよね。
私は、日本で生まれ育っても12年間外国人学校に通ってたからかこういうことを知らずに大人になったので、うちの息子もそうなるのかな、と思ったエピソード。
はー。
「外国での子育て」ならではの悩みが付きない。
「自分は生まれた国と国籍が違うし差別されがちな国籍であれこれ苦労したけど振り返ればそのおかげで逆境でもがんばれる力が備わった」なのか、
「息子にはこんな苦労させたくない」なのか、を行ったり来たり。
そういう気持ちと日々格闘しながら子どもに日本語を教えていくんだろうな。がんばらないとね。
以上、「バイリンガル教育の方法 12歳までに親と教師ができること」の読了ログでした。海外でお子さんを学校に通わせる方にはオススメです。
備忘録:Kindleの中で渋滞を起こしているのは次の通り。
実家にあって、いつかマレーシアに送ってもらう予定の本。
PDFで持っている本
サポートいただけたらスタバのコーヒーにしてありがたく頂戴します\(^o^)/ ありがとうございます!