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博士だって勉強は辛いよ

この記事は「なんで勉強しないといけないの?」と子供に聞かれそうな人向けです

私は社会人でありながら、経営学の博士課程にいます。
れっきとした、学生証もある博士です。当然、学費も教材も、全額自分で支払い。
一見すると、勉強が好きな人、勉強が得意な人に見えてしまうかもしれません。
しかし、はっきりと、「そんなことないよ」と自分では思っています。
でも、学ぶことにはいくつかの明確な、子供にもいつか必ず伝えたい価値を、現時点で少なくとも何個か感じています。

話に入る前に:やる気って、こういうもの

図1

「いやいや。働きながら大学院いくやつの話なんて参考にならない」
と言われないために、やる気の捉え方から説明させてください。

自分は、何事もせいぜい「普通の人のやる気」コースです。まぁ気がつくと飽きている。という感じ。極める欲ゼロ。
逆に、見ていてずっと超人的なやる気の人もいますが天上人です。
何が言いたいかと言うと、「あ、これはまぁまぁ好きかもな」ってものでも、超人的なやる気コースではなく、行ったり来たりしながら継続できていればOKっしょ、というのがまず、これを書いている男のやる気のレベルです。
じゃ、なんでそんな程度の人間が勉強しているの?です。

1: 勉強をうまくやる能力は生きていく力に通じるから

社会人なら誰もが思うこと。そして博士になってなおさら思うことですが、
「三角関数なんか全く役に立たない」です。使う場面、ありません。
漢文読めなくてもOKだと思うし、李徴がトラだろうが知ったことなくていい。

そう、別に学校で習うことは、全然社会で応用の場面はありません。

一方で、「勉強をうまくやる能力」、要するにメタ学習能力ですが、これは院生を見ていても、教授を見ていても、職場の人でも、「メタ学習能力高い=優秀」といえてしまうぐらい、相関していると思います。
具体的に言えば、「なにがわからないか具体的に把握できる」とか「わからないことは調べる」とか、「調べ上手」とかです。

ぶっちゃけ、私は経営学者になろうとはこれっぽちも思っていないので、博士になってなお、経営学で学んだことは、ほんとのとこそんな応用できないと思っています。が、博士号を取るためにきっちり学ぶ能力は一生モノの訓練だと感じています

2: 色々知っている方が、面白い人になれるよ?

会社に、正直仕事は問題あるな、とは思うのですが、めっちゃ人気でみんなに愛されるおじさんがいます。めちゃくちゃ物知りです。
そして、知的好奇心が高いから物知りになっている、という因果関係を考えると当然ですが、こちらの趣味の話とかもめっちゃ面白そうに聞いてくれます。

逆に、「いやいや…」というぐらい、というか小学生にギリ負ける?ぐらい、知識(もはや常識といっていい)がない人もいますが、一緒にいて辛いです。

要するに、勉強(テストでいい点とるとは言いません)をしないデメリットなのですが、もはや社会で最低限会話が成立する知識量に満たない。
逆に、正直教科書に書いてあるぐらい知っていれば、普通にそこそこ面白い人になる知識量が身につきます。

ちなみにですが、私は何度「経営学部」と説明しても、「弁護士学校」と同じものだと何故か母は思っています。一周回って面白いので、弁護士ということにしています。

3: 自分で勉強したことは、誰にでも教えられるから

Youtuberがそうでしょう。自分しか知らないことは立派なコンテンツです。

コーラ風呂にメントスをいれる。コーラと一緒にメントスを食べる。
子供に伝えるときはこのぐらいわかりやすくていいと思うのですが、自分で考えて検証したことは、それだけで価値を持ちます。
同じことをガチでやったものが論文です。本質は同じです。

学校でやる勉強は、そういった好奇心の種を植えるための土作りです。

具体的に、博士としての実例をあげます。
経営組織論(と戦略論)では、一般的に競争や環境変化が多くなり、結果として業績が悪化すると、人や戦略を変える動機づけになる、ということが教科書によく書かれています。

私はこれを、大嘘だと思っています。

だってそう思いませんか?口では変化だ!と言うかも知れないですが、ほんとに経営がやばいとき、得意でもない、経験もない、知識もない、新しいことを新しい人と「やるぜ!」ってなりますか?ましてや企業がそんなことしますか?

教科書なんて意味ねーって思いながら読んでいますが、結局はそれがベース(土)となり、自分のオリジナルの興味関心も湧いてきます。

繰り返しですが、テストでいい点をとれ、とは全く思っていないのですが、勉強をする=最低限の知識を備える、としたとき、こんなにいいことがあるんだよ♪と説明するなら、上記の3つかなと個人的には思っています。

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