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社会人 大学博士の実際:その2

聞かれる質問No.1 博士課程に入るには?

学部から修士、博士、と上がっていくコースは一旦省き、社会人に限定して話します。

博士過程に入るには、努力しなくて良い順で並べると(*個人の見解)
1: 企業の枠で入れてもらう
2: コネ
3: 社会人修士に在籍し、内部進学する
4: 該当する領域の修士を持った状態で一般受験枠で受かる

だと思います。

企業の枠でいれてもらう

大企業にはエリート養成のために学費を出してくれる会社が普通にあり、なおかつ大学としてもその様な大きな企業と知り合えると、調査などでメリットがある。しかも、ある程度学生の質も担保されています。winwinです。
なおかつ大企業の場合、ひとりひとりの作業範囲が狭く、中小企業のような器用貧乏ではないので、「○○についてこれまで仕事してきたので専門性を高めたい」など具体性もあります。このルートは最強です。

コネ

募集要項などには当然「コネ」とは書かれていませんが、あればほぼ一撃です。というか、面識がないとまず受からないのが博士と思ってください。
博士に入って(遅いけど)理解したのですが、博士課程はあくまで自分で勉強する子向けの機関で、教育機関とは違っています。
謎の人、能力も不明、素性もわからない。こんな人とあなたが教授なら、何年も一緒に勉強しようとおもいますか?
なのでコネ、超大事です。というか、最低限面識がないと秒でアウトです。
個人的には、募集要項に「コネ」とはっきり書いたほうがいいと思います。

社会人修士に在籍し、内部進学する

最も「普通の子」が手が出せるギリギリがこれでしょう。
ポジティブに捉えると、博士に進学先が用意されている修士課程はとてもいい学校だと思います。インチキMBAを見抜くコツの1つとして、その学校が博士もある or not を見るといいと思います。
が、普通に半分以上は落とされるのが一般的らしいので注意してください。学部の内部進学とは異なり、自分でできる子かどうかは、よーく教授も見ています。
知り合いの話ですが、修士の担当教授に「博士受けても絶対落とすよ」と言われ、これはきっと奮起せてくれているんだ!と、好意的に面接受けにいって普通におとされた人を知っています。
もう一つの注意点は時間です。修士で2年。と、入学前にすでに準備がそこそこいるので、英検を受けるノリではないです。
が、教授とコネを作ったり、大企業で選びぬかれたエリートになるよりは、一応できなくはない選択でしょう。

該当する領域の修士を持った状態で一般受験枠で受かる

え、本来これじゃねーの?と思いがちですが、社会はそんなに甘くないです。
普通に難易度が一番高いと思います。だって、そもそも「落とすモード」で受験が始まってしまうから。

他の3つは、基本的に取りたい/取ってあげたい、と思う気持ちが存在しますが、このルートはそれがゼロです。というか、基本的に取らない、がまずあって、よほど見込みがあれば取ってやるよ、です。
もう一ついうと、博士を育てても、ビタ一文にもなりません。そのくせ作業は増えます。なので、顔見知りでもなければ、企業のお膳立てもないこの枠は、正直個人的にはポージングで存在しているだけ説を強く提唱しています。ほんとに。
社会人の受験の場合、「勤め先の企業」「上司からの推薦」がほぼ100%必要です。これが意味するところを察したほうがいいでしょう。

ちなみに私は一般枠を2つ受けて「瞬殺」と「合格」両方経験しています。(受かった方に今いる)

なんで受かった?

コネです。片方にはコネがあり、瞬殺された方にはありませんでした。
さらに、即落ちした方は、「修士のテーマと直結」「指導教官の研究を引用している」などなど、明らかに指導する上でのメリットがありました。
が、受かった方はなんもなし。なんも関係ない領域にぽっと応募した感じです。面接のときに、副指導官が終始「ほんとにきみ大丈夫?なにもわかってないっしょ」ぐらいの感じで質問してきたのですが、冷や汗ものでした。だってほんとになにもわかってないから。しかし、

研究テーマ+PR <<< 関係ない研究+コネ

結論は身もふたもないのですが、「博士に行きたきゃコネろ」です。

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