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勇気を出して露天風呂へ

乳がん手術をしてから、はじめての温泉旅行。
治療跡がまだまだしっかり残っているので悩んだけど、思い切って大浴場に入りました。

わたしは温存法(部分摘出)で内視鏡手術をうけたので、傷跡は脇の下のみ。
腕を上げると脇の下に3cmくらいの傷がビシッと入っているけど、前から見たら傷跡はまったく見えません。

それでも、温泉には抵抗がありました。

左右であきらかに胸の大きさが違うのと、放射線治療の名残りで、左胸だけ日焼けしたように茶色く部分的に白い斑点があるので、乳がん患者とわからなくても普通の状態ではない見た目です。

皮膚病だと思われそう。
うつると思われたらどうしよ…。

見る人によっては不快に感じるのでは?
という思いがあって、今回は貸切風呂を予約しました。

ひさしぶりの温泉。
たっぷりのお湯にザブンとつかって大満足。

『はぁ~贅沢だなぁ』

でも、なにか物足りない。

予約したお風呂は室内だったんです。
温泉というより、ちょっと高級な広いお風呂に入っている感じ。

宿には湖を見ながら入れる露天風呂があるのに。
せっかく旅行にきたんだから、
わたしも景色を見ながら温泉に入りたい!

迷惑かな…。
でも、人が少ない時間なら?
タオルで隠せばいける気がする!

思い切って大浴場にいってみました。

湯船につかるとき以外は、タオルを肩から掛けて胸を隠して移動。入浴中はタオルで隠せないけど、水面がゆらいでいるので体はハッキリ見えません。

先に5,6人の女性が入っていたけど、みなさん景色やおしゃべりに夢中な様子で、わたしのことを気にする人はゼロ。

緊張したのは入る前だけでした。

自然の中で過ごすゆったりとした時間。

風が冷たくて心地いい。

癌とわかったのは去年の夏。
『やっとここまでこれた』
発覚前に戻れたようでうれしい。

あれこれ悩んでいたけど、
想像していたことより大丈夫でした。

こうやって日常に戻っていくんだなぁ。
いや、戻っていきたい。

今後の人生も楽しもう。
そう、つよく感じた温泉旅行でした。

わたしは普通の温泉宿を利用しましたが、
『乳がん患者さんに配慮のある宿』があるそうです。

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