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実写版Falloutを見た

アマゾンプライムビデオにて、ゲーム原作実写ドラマとしてFalloutシーズン1が公開されました。

期待していたよりかなり良かったので、この記事の前半部分にまだ見ていない人へのオススメ的な感じでの紹介と、後半部分でドラマ、ゲーム双方のネタバレありの感想を雑多に書いていこうと思います。

まだ見ていない人へ

プライムビデオ視聴可能な人へまぁ大変お勧めしたいのはそうなのですが、合う合わないは当然あるような内容なので、オススメポイントに加えて懸念点的な奴もご紹介します。

オススメポイント

・原作ゲームFalloutシリーズファンに対してこれほどかというほどのサービスが用意されている。
ゲームで見たようなロケーションやシチュエーション、様々なアイテムや各要素の再現度がすごい。

・メイン主人公3人のキャラクターが魅力的。
Vault(地下シェルター)から地上に出て過酷なウェイストランドに直面するルーシーの成長や、状況や周囲の人物に振り回されるBOS隊員のマキシマムの人間臭さは感情移入しやすい。
荒々しいアウトローな生き方を周囲に押し付けるような賞金稼ぎグールの男は世界の崩壊以前の描写に大きく関わる役割も持つ。

・メイン主人公以外も大変魅力的な脇役が多い。強いババアとか。

・複数の登場人物が違った立場で動き回るような作りだが、シーズン1全8話の中で展開されるお話の中でメイン登場人物は大体みんな一つの目的に対して動くので割とストーリーは分かりやすい。
コミカルでブラックユーモアあふれる倫理観皆無な世界観やセリフ回しながら、核となるテーマには真摯に向き合っているような味わいがある。

犬が可愛い。

注意ポイント

・グロい。
ゴアや欠損描写はポンポン出てくる。死んではいないけど痛々しいみたいなシーンも多く、バリエーションも多い。

・お下品
グロ描写の強さに比べるとまぁギリギリお茶の間が凍る程度ではあるかな……という感じのレベル。主にセリフやビジュアル表現。
おっぱいは出ます。

・虫やクリーチャー
キモい生き物は多少出る。ただ実写ドラマ化の都合上なのかゲームよりかは登場頻度の比重は人型エネミーより少なめ。グール(Fallout世界で登場するゾンビっぽいビジュアルの人たち、正気なのと狂ってしまっているのがいる)は出ます。
具体的に言うと、Gは出るが蜘蛛は出ないみたいな感じ。まぁ元から蜘蛛はゲームに(たしか)出ないけどな!

・犬が痛がってる!!!
犬が痛がっていて可哀そうなシーンがある。(でも治る)
メインで登場する犬以外の犬が研究所で厳選の為に生まれてすぐ廃棄されるみたいな悲しい描写はある。

・原作ゲームに対してサービス精神が強すぎる。
いや、良いんだけど。
多分原作ゲーム全然知らない人が観てもかなり面白いんだとは思うけど、原作ゲームを知っているせいで正直その辺は判断できないです。


上記の内容で興味ある・大丈夫そうな人はぜひ観ましょう。
原作ゲームをやったことある人は迷わず観ましょう。


↓以下ネタバレエリア。

















感想(ネタバレあり)

凄くよかったですね。
コミカルさと狂気と悲しみと人間の強さと犬の可愛さと過ちがすべてそろっていました。
実写ドラマとはいえスピンオフやパラレルというわけではなく、完全にストーリーに組み込まれている想定ということらしいですし、かなり明確にゲームではあんまり語られていなかったVault Tech社の動機なども描かれました。

序盤について

ルーシーパートはVault33での生活がかなり高解像度で描かれます。ただVaultはゲームをやっていれば分かる通り、純粋な地下生活シェルターではなくて何らかの実験施設としての裏の顔を持っているのが通例なので、どことなく描かれる不穏さやキモさが通常のVault生活において必要とされるキモさなのか、個別の実験目的のために発生している歪みなのかが良くわからないところがゲーム既プレイヤーに対してもいい揺さぶりですね。
ウェイストランドに出てすぐの半ケツおじさんとのやり取り好き。

マキシマスパートではゲームでは何となくしかわからないBOS下っ端隊員の様子が描かれており、一見よくある軍隊的組織に見えて急にカルトみを強調してきたりするのが良いバランス。
デカ過ぎるパワハラバッグから常にパワーアーマー装備者用のライフルのストックがはみ出ているのが笑える。

クーパー(グール)は序盤ではかなり曖昧な描写を続ける。グールと戦前のハリウッドスターのクーパーが同一人物であることは声や顔などからわかるが、人間性などが明確に違う。
最終回で彼の目的が明確にわかるまでは記憶が混濁しているのか、単に人柄が変わったのかを曖昧なままにしている。

エンクレイヴの研究者(?)の眼鏡の博士は割とすぐ退場して首だけになってしまったが、吹き替えがFallout4のニック・バレンタインと同じ声なのでウフッとなりましたね。

中盤

ルーシーはクーパーに拘束されて敵対しているシーンが目立つ。
ルーシーもクーパーもいいキャラクターで気に入っていたのでこの展開やや辛かったがこのフェーズの最後にあたるスーパーウルトラマーケットの下りは二人にとって大変サービス満点で良かった。

ハリウッドスター時代のクーパーの友人であるMr.ハンディのボイスを担当した俳優とのやり取りも非常に良い。
Fallout4の主人公夫妻がハンディにコズワースと名付けたのは声を担当したという設定の役者が以前に演じた作品に登場した執事の登場人物の名前だった、ということなのだろうか。パーティでセリフを求められるようなので人気の役だったのかもしれない。
日本語吹き替えがゲームと同じ声なのも当然うれしいし、おそらく日本語吹き替えオンリーのセリフだろうけどルーシーの「あなた何!?」に対して「ナニーではありません!」と答えるのはMr.ハンディの女性AIモデルであるMs.ナニーにかかっていると思われる、なんて細かいファンサだ。

終盤

Vault Tech社の真の目的がわかる。
邪悪だとは思ってたけど邪悪過ぎるだろ!!!

邪悪ではあるけどまぁ比較的真面目で黒幕としてかなりマシな部類だよね枠にあたるMr.ハウスも登場。ゲームでの顔写真の再現度が高すぎる不機嫌顔を見せてくれた上に明らかにVault Techと一緒にノリノリになる他企業に対してやる気のなさそうなそぶりを見せて邪悪な奴の中ではかなりマシな部類っぷりをいかんなく発揮する。

実際にベガスにあるハウス直轄と思われるVaultの一つは割と穏便に実験施設としての役割を終えたという事実もある点、ハウスが世界崩壊後に自身の勢力圏を築く計画の為とはいえ、完全にVault Techの計画には乗らずに独自路線で核兵器の迎撃なども行っていたことからも無駄にハウスの株が上がってしまった。(やっぱりだれも信用してないだけかもしれない)
まぁ従来の設定だった核戦争をその頭脳で予期したとかじゃなくてVault Tech社が自作自演しますよってのを最初から知ってたに過ぎなかったってのはMr.ハウスの予見ぢからに少し泥を塗ることにはなりますね。(とはいえベニーやNV主人公のやらかしを想定できてないし、ハウスにも限界あるよね)

最後にルーシーパパが到着したのは明らかにニューベガスのストリップ地区。
明らかにこの実写版スタッフたち、NV好きすぎますよね。
NCRもがっつり出てくるし、薬莢拾いをしている一家もNVメインビジュであるNCRレンジャーヘルメットしてるし。

最後に

各種カニやスーパーミュータントとかデスクローは一切出てきませんでした。CGが面倒だもんな…人間やグールで済ませられる要素は実写のほうが表現力豊かになるのでそっちに注力するのは正解でしょう。
生き物系は犬はすごいよかったですね。そこそこ自由だけど人懐っこくて……。

ルーシー弟の動向やクーパーの家族、ルーシーと父の決着等など、まだまだ続編要素は残っているのでぜひシーズン2を待ちたいですね。


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