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やなぎだ けいこの店 #08「絵本・まあちゃんのながいかみ」
★「やなぎだ けいこの店」では、日々、我が家で選び楽しんでいる絵本や店主が読んだ本・最近おもしろいと思ったもの・こと・美味しいもの・やなぎだけいこレシピ、暮らしの中の発見・・・などなど、をマガジンにまとめ、紹介していけたらと思っています。★
今日のご紹介は・・・
「まあちゃん の ながいかみ」です。
1989年に出版された絵本です。長い髪で広がる楽しい世界。あんなことも、こんなことも、できちゃうよね!という、まあちゃんの発想の豊かさに、うふふと微笑んでしまいます。
そして、我が家では、長男の長髪のルーツとなっている本なのです。
「まあちゃん の ながいかみ」たかどのほうこ/作
この絵本を手にした長男、その時4歳。彼は、この絵本を読み、「Kも髪を伸ばす。」と宣言。その理由も、「髪を長くして、川で釣りをしたいから。」・・・なるほど。
そして、当時、4歳だった彼も今は、12歳。
その宣言通り、彼は髪を、一度も切ることなく(毛先程度は整えるために、枝毛を切ったりしますが・・・)ながいながい髪となっています。腰を越え、結っていないと、お尻も隠れるくらいに。普段は後ろで三編みにしています。川で釣りできる長さに到達しております。まだ、やっているのを見かけませんが。
ある時、公園に遊びにいき、水が足りなくなり、自販機で買おうとしていると、4歳くらいの女の子が、ちょこちょこと長男に近づいてきて、「お姉ちゃん!その髪、エルサみたいで可愛いね!!!!」と。長男は、笑顔で、「ありがと。」と答えていました。
エルサ、言わずとしれた、「アナと雪の女王」のエルサです。「まあちゃんみたい!」ではなく、ちょっと残念?!
当然、その女の子は、彼の髪が釣りをする為に伸ばされたものだとは知らないわけですが、〈何かにあこがれる〉ってなんだかいいな、と思います。
ほんわかとした、たかどのさんの絵本の世界を味わう一方で、まあちゃんと仲良しのお友達二人の「女子会の中での女子トーク」が炸裂していることに、お気づきの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
女の子たちの会話を読む度に、大人になった私は、「そうそう、子どもたちの世界は、大人が思っているより、結構シビアで、辛辣だったりもして、容赦ないことも多いよねぇ・・・。お互いが〈子ども〉だからこそ、楽しいことも、大変なことも、いっぱいあったりするんだよねぇ~。でも、あっさりと、お互いの違いを認めあったりもして。なんにしても、多くの大人が思っているよりもそんなに単純な世界ではないのよね。」と、自分の子ども時代を振り返りつつ、そんな風に思います。
それでも、子どもたちは、しなやかにそれを受け入れたり、受け流したりして、ユーモアを以って、切り返す。そうやって経験を積みながら、大きくなっていく。そんな逞しさを感じる本でもあります。
おとなになった〈まあちゃん〉は、どんな人になっているのかな?
そんなことを想像するのも、楽しいです。
「大人になった今も、毎日いろいろあるけどさ、その中でもさ、面白いことを探して生きていくと、案外いい感じよね♪」なんて、飛び跳ねるように、歩いていそうです。
私の中にも、あなたの中にも、〈まあちゃん〉が今もいるのかもしれません。
女子会の続きは、「まあちゃんのまほう」「まあちゃんのすてきなエプロン」で読むことができます。
みなさんの暮らしの色が増えますように。 店主・やなぎだ けいこ
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