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#それはミカちゃん
最終回 「何歳になっても」
ミカちゃんは、言う。
ずっとここにいる。
僕は聞く。
ここって、どこ?
ミカちゃんは、言う。
そんな事は、分からない。
だって、そんな事、考えた事もないし。
ミカちゃんは、どうなりたいの?
あんたは、どうなりたいの?
ミカちゃんは、楽しいの?
あんたは、楽しいの?
俺が、ミカちゃんを見失う時が来るの?
あんたは、私を見失うほど賢くない。
俺は、賢くないの?
そこに、引っ
第5話「スケートボード」
ラグビースクールの遠征で、大きなバスに乗って奈良県に向かっていた。
サービスエリアで、アイスクリームを買ってバスの中で食べていたら、バス酔いもあって気分が悪くなった。
結局、1試合も出ずに帰りのバスに乗った。
帰りのサービスエリアで、僕はまたアイスクリームを買って、バスの中で食べていた。
コーチからは、微妙な顔をされた。
でも、仕方ないのだ。
前の日の夜に、ミカちゃんと凄く喧嘩をした。
第2話 「あの子のお弁当」
ミカちゃんは、甘い物が大好きだった。
僕は、麺類や細い食べ物が好きで、カップラーメンや、蕎麦や焼きビーフン、春雨や千切りのキャベツ。
とにかく細くなっていれば、何でも良かった。
テストで良い点を取った時に、お母さんは何か食べたい物ある?とよくリクエストを聞いてくれた。
僕は、即座に焼きビーフン!やラーメン!
と答えていたつもりだった。
けど、気がつけば、いつも喫茶店に座っていて目の前に
「それはミカちゃん」第1話 リュックサック
女の子だったら、ミカ。
上から読んでも下から読んでも、カミデミカ。
お父さんは、小さい頃、よくそう言っていた。
今は、実家を縦横無尽に掃除してくれるルンバに、ミカちゃんと名づけている。
上の兄ふたりが男の子だったので、久しぶりにお母さんの妊娠が分かった時、両親とも女の子が産まれて来ると確信したそうだ。
男の子用の兄のお下がりじゃなく、赤ちゃん用から幼児用まで全て、女の子用を買い揃えていた