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#クオリティ真紀子
「クオリティ真紀子とかたいパン」
たくさん手当てしてあげたわ。
ワンダーピープルの人達も。
そして、気絶しているマルコの怪我も。
ワンダーピープル達の中には、何人か女の子もいて、多分同世代くらいだった。
黒いスーツを着て、だいたい、みんな髪をひとつに束ねてた。
その中のひとりの女の子が、手当てをしてくれた代わりに教えてあげるって言ったの。
でね、たくさん話してくれたの。
ワンダーピープルの人達って、けっこう色々話し
「クオリティ真紀子はナイチンゲール」
凄い爆発音だった。
ノースサイレント号に何か爆弾のような物が飛んで来て、大惨事だった。
サマーは、その衝撃で飛んでっちゃったし。
マルコは、その爆破音で故郷の紛争を思い出して、覚醒しちゃったし。
そう、凄い覚醒ぶりだった。
突然凄い筋肉が盛り上がって、いちもくさんにサマーの飛んでった方向に、マルコは走って行ったの。
ジャガーが、みんなの怪我の確認をしていたけど、幸いにも他のスタッフの人
「クオリティ真紀子のピザを切る未来」
あんなに練習したブーメランが、全然通用しなかったの。
けっこう、遠くまで飛ばせるようになってたんだけど、やっぱり上空のヘリには全然届かなかった。
サマーのキャンディ弾なんか、私のブーメランよりも、もっと通用してなかったから、途中少し笑けて来ちゃった。
凄くピンチなのに。
もう、笑うしかないって感じ。
人生って、たまに全然通用しない時ってあるじゃない?
お先真っ暗状態から、脱出する方法な
「クオリティ真紀子の夢より希望の話」
たくさんの恋をした人もいて。
ずっとひとりの人に恋をしている人もいる。
どっちでも無いかな、私は。
憧れの人なら、たくさんいるし、それを恋と言ってもいいとも思う。でも少し違う。
サマーには、全然憧れてなかっけど、とってもとっても好きなの。
別に、サマーが私のそばに居なくて、誰かと幸せになったとしても、それはそれでいいの。
でも、何より好きなの。
好きなように生きて欲しいの。
なんか
「クオリティ真紀子と将来と水圧」
プリマと私は、デュエットをしたの。
誰もが知ってるジャズの有名な曲を。
久しぶりに歌を歌って、とても気分が良かったし、プリマは私のメロディーに何度も多彩なメロディーを重ねて来たから。
凄い、音楽になった。
他の乗客達からも、大喝采の拍手をもらって涙が出そうになった。
やっぱり、歌っていいなぁって思った。
毎晩、楽しかった。プリマのおかげでノースサイレント号は、とっても陽気な空気に満ち溢
「クオリティ真紀子とダンサー」
プリマに放たれた弾丸がね、ケチャップ弾って聞いた時に、私はピンと来たの。
だって、そうでしょ?
毎日、作ってたんだもの。ホットケーキ。
それに、勝手にケチャップを塗って、ビールと合うなんて言ってたのも知ってたからね。
そう、ビリーおじさん。
ケチャップ大好きだったから。
プリマは、裏切ったの。ワンダーピープルを。
もしかしたら、最初から、そのつもりだったのかもって、その時、思った。
「クオリティ真紀子の可愛い時代」
甘くなるまで、噛み締めるのが人生。
言うのは、簡単だけど。
私は、さきどり佐知子さんに、そんな風に偉そうに言っちゃったの。
彼女は、凄く噛み締めていたわ。私の言葉や、自分の苦い人生を。
その姿は、やっぱり輝いて見えた。
誰だってそうよ。
人生なんて苦いものよ。
人生が苦いからこそ、ジェラートは甘い。
でも時には、ジェラートより甘い事だってあるの。神様からのプレゼントみたいに。
ノ
「クオリティ真紀子の長い給食」
サマーと阿部チェリーは、幼馴染だなんて。
あの街のレストランで、そんな話を聞いたわ。
通りでって感じだった。
2人は、とても息が合ってたのよ。
いつまでも、何でも言い合える関係って、凄いと思わない?
あのジョンペルチアーノって言う、お金持ちのおじさんの部下達を、サマーと、サマーが連れて来たチャイニーとマルコが、レストランの外で全て制圧したのよ。
その間に、阿部チェリーは、ジョンペルチア
「クオリティ真紀子と青春の終わり」
私は、いつも思う事があるの。
それはね、神様なんていないって事。
だってそうでしょ?
いるとするなら、この世の中は、もっと上手くいってるでしょ?
でもね、人それぞれに、小さな神様が身近にいるんだと思う。漠然とした神様じゃなくて、自分の周りに、気づけば存在しているのよ。
そして、それは、誰かひとりでもないの。
もしかすると、自分に関わってくれている全ての人達かも知れないの。
だって、そ
「クオリティ真紀子のプロフェッショナル」
ジープの乗り心地が、最高だったの。
どんどん大地を踏みしめるように、ジープはエンジンをブンブン言わせて走ってくの。
阿部チェリーの運転が、またなんて言うか、小さい子をあやしてるみたいな運転なの。
そう、真っ黒なジープをとても可愛いがっていて、とても愛しい感じで運転するのよ。
スムーズで、1ミリもストレスのない運転。
とにかくね、阿部チェリーには、隙がないの。
着替えや、シャワー、保湿液
「クオリティ真紀子とババロア」
小さい頃はね、ずっとバトントワリングをやってたの。
お母さんにすすめられて。
世界大会では、団体で8位だったの。
優勝したかっけど、私以外、全員ミスしたから仕方なかった。
私はね、たった1度も、人生でバトンを落とした事がなかった。勝手にバトンがくるくる回って、飛んで行くの。
でもね、必ず返ってくるの。
私の手元に。
どんな時も。
多分ね、向いてたんだ。
バトンがくるくる宙を舞って
「クオリティ真紀子とスパイス」
JAZZが好きなの。
シンガーソングダンサーで世界デビューをする予定だったけど。
JAZZが好きなの。
ずっと聴いてられた。小さい頃から。
気持ちが、楽になる気がして。
音楽で生きていけるって思ってたけど、それは遠い夢だって分かった時、もう自分には何も無いんだって思ってた。
その、どうしようもなく曇った気持ちをね、サマーは、忘れさせてくれたの。
だって、サマーがラジカセに入れていたビ
「クオリティ真紀子の長い握手」
阿部チェリーは、しばらく葉巻のけむりをくぐらせて、キャラメルマキアートを楽しんでたの。
お客さんは、彼だけだった。
私は、グラスをこれでもかってくらい拭いてたの。凄く暇な日だった。
キャフェをオープンさせて以来の、暇な日だった。もしかして、阿部チェリーは、貧乏神なんじゃないかって思い始めた頃、彼が唐突に言ったの。
サマーは、元気ですか?
って。
え?