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#阿部チェリー
「阿部チェリーの新しい目標」
アイシー少年は、キャンディ弾を撃ったんだ。
弟のおでこ目がけて正確に。
撃たれた弟のモーリスは、一瞬ふらっとして倒れそうになった。
その瞬間、俺は素早くモーリスを抱きしめて走ったんだ。
しっかり眠ってた。
周りのワンダーピープルの大人達が、追いかけて来たけどよ、訓練されてるタイプの大人じゃなかったから、すぐに振り切れたよ。
アイシー少年も俺について来てた。
その時、非常ベルが鳴ったん
「阿部チェリーに大切なメモ」
とうとう宮殿の中に入ったよ。
凱旋門や、広大な敷地に広がっているバリケードは、ほとんどが破壊されてて、簡単に入れたんだ。
敷地内は、めちゃくちゃに壊された装甲車が何台も転がってて、その付近で、ワンダーピープル達は山のように倒れてたよ。とにかくラッキーだったよ。
俺とアイシー少年は、宮殿の中のピロティーのような所で、大きなエレベーターを見つけたんだ。業務用にしちゃ大き過ぎるなぁとか思ってたらよ
「阿部チェリーと誕生日」
早撃ちビリーは、凄かったよ。
あまりにも速いピストル捌きで、ことごとくワンダーピープルの奴等は、倒れていったんだ。
みんな、足の小指を撃たれてよ。
そうだ。
キャンディ弾だ。
それでも、キリがないくらいワンダーピープルの奴等は、何人も赤いヘリから降下して来たけどよ、ビリーの早撃ちは、ますます精度を上げて、キャンディ弾が雨のように降り注いだよ。
とても、甘い匂いがしたよ。
俺はアイシー
「阿部チェリーに神様がいた話」
とうとう、間近にグローブ島が見えたよ。
ルートは、ふたつしか無ぇんだ。ひとつは、ノースサイレント号からだけどよ、だいたいの奴は辿り着かねぇんだ。
ひとつ前の駅でよ、人々は必ず降りてしまうんだ。どれだけグローブ島に大切な要件を抱えていてもよ、降りちまう。
ネッシー、知ってるか?
そうだ、あの大きな首の長い。
ああ、あれは恐竜だ。
そうだ。
伝統的なやつだ。
どうしても、それを見たくな
「阿部チェリーの忘れないで欲しい事」
俺と、小さな相棒、アイシー少年はどんどん進んで行ったよ。
グローブ島へと向かって。
ジープをぶっ飛ばして。
アイシー少年は、途中で寄りたい所があるって言ったんだ。
俺は、すぐに分かったよ。
あの森の中で暮らしている女の所だ。
少し遠いが、そりゃ行きたいに決まってるさ。
もし、自分の身に、これから何かあるかも知れないって時に、誰と会いたい?
俺には、そう言う人は居ねぇけどよ、アイシー
「阿部チェリーと小さな相棒」
Boys town。
それは、アイシー少年が、弟を待ってる屋根裏部屋の事だ。
兄弟ってのは、何だろうな。
俺には、分かんねぇよ。俺は、血のつながりよりも、もっとつながってる奴等がたくさんいるからよ。そこには、利害関係もしっかりあってな、それでいて仲間なんだよ。
俺は、本当の家族だと思ってるよ。
「阿部チェリーのひとりの人間として」
まぁよ、俺は変われそうな奴には、変わって欲しいんだ。いつもそう思ってる。
別に、正義なんて求めてねぇんだ。
俺も、ジョンペルチアーノも、サマーや真紀子ちゃん、そして、さきどり佐知子。
チャイニーだって。
誰も、トータルで正しい奴なんて居ねぇよ。
それぞれが、自分の正しいって思う方向に進んでいるだけなんだ。
ジャガーがアイシー少年を、国際的に通用する人間に育てようと、周りの大人達に教育さ
「阿部チェリーは伝統的」
ジャガーからの伝言を、サマーは届けてくれたんだ。
あの街のレストランで。
俺にとっての永遠のボスだ。ジャガーは…
まぁ、対外的には、先代のボスだな。
今は俺だから。
俺は、ジャガーから組織を受け継いで、正式に3代目になってよ、色々分かった事があったよ。
前にも言ったが、先代のジャガーがたくさんの場所に学校を作ってたとかよ。
ん?
そうだ、俺は3代目なんだ。
初代?
そりゃ、いる
「阿部チェリーにひとつの条件」
間違いなく、さきどり佐知子だった。
しばらく、彼女は、チャイニーに任せてたんだけどよ、ある日、ひとりでも生きていけそうです。ってチャイニーから連絡があったんだ。
美しく、そして、強くなっていた気がしたよ。
ジョンペルチアーノの愛人と言う事なんだ。
奴の隣で、毅然と座っていたよ。細長いパイプから綺麗に煙を揺らしてよ。
真紀子ちゃんは、オマール海老の値段をウエイターに聞いて、手が止まってたよ
「阿部チェリーの嫌なやつ」
まぁ、要塞都市って言ってもよ、れっきとした国なんだよ。表向きは、いい国なんだ。
観光客も多くてよ。
でも、入国するには、相当のセキュリティーがあって、そして、大金や、地位が必要なんだ。
それでも、行きたい奴は多いんだ。そこは、世界の富裕層のステイタスなんだ。そこに入れると言う事は、権力を使う側になったと言う、くだらない証なんだ。
賢い奴等が、この世界のありとあらゆる物を吸い取って、富を得て
「阿部チェリーと金のスプーン」
とにかく、凄く長かったよ。
あの水曜日は。
ワンダーピープルが誇るスペシャリスト50人を相手にしたんだ。
真紀子ちゃんのお店のシャッターは、穴だらけになってたよ。あいつらのせいで。
何度もブーメランを投げて、奴等にクリティカルヒットを当て続けたけどよ。やっぱり、当たっちまうんだ。奴等の弾が。
肩や、膝に。
さすが、スペシャリスト達だったよ。
徐々に俺は動けなくなったんだ。それで、最後
「阿部チェリーと黄色の食べもの」
少し、寂れた街で、真紀子ちゃんのお店は輝いてたよ。
何つうか、あれは、人柄だな。
別に、特別に何かが美味いってわけでもなかったしよ、まぁ、変なメニューもいっぱいあったしよ、とにかく人柄でみんなが集まって来る感じだったなぁ。
ん?
変なメニュー?
ありゃ、何て言うんだろうなぁ。
温めた袋からよ、黄色い液体が出て来んだ。
で、それをライスにかけるんだ。
舌が痺れてよ、汗も出てよ、俺、死ぬ
「阿部チェリーはピンとくる」
ま、ラバリッツホテルで、初めてワンダーピープルと接触したけどよ。あいつら、流石にプロフェッショナルだったけどよ、あのエリーって女も筋金入りだからよ。
結局、ワンダーピープルも俺もエリーって女には、逃げられてよ。
で、しばらく、先どり佐知子って素人の女の子をエリーだったって事にして、チャイニーに任せてよ。
そっから、色々調べたんだよ。
ん? ま、