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鏡の中の自分

口の結び目と頬の間の線が
なんだか濃くなったなと思い始めてから
見た目の変化が気になり始め
もう若いカテゴリーからは
外れていたんだなと実感した。

薬局へ行ってクリームを買ったり
顔のマッサージを検索したり
美顔器の口コミを眺めてみたり。

小さな抵抗をしている自分に
美意識があったのかとびっくりした。


顔のマッサージをして
工程がたくさんある美容クリームをのって
リラックスできるハーブティーをのんで....
何かに追われているような感覚になる。

「もう疲れた。」

鏡に映る自分と目が合う。
頬と口の間よりも
口の結び目が大きく下がり
目尻も下がり覇気がなく
見窄らしい様子だった。
いつもほうれい線しか見ておらず
顔全体を見るのは久々だった。

今日はもうお休み。
化粧水と乳液をバシャバシャつけて
余暇の時間を存分に楽しむことにした。




朝の通勤ラッシュ時に見つけたエッセイが
おもしろおかしくて仕方ない。


大勢の人が一つの空間にいて
周りに迷惑をかけず
個人の時間を静かに楽しんでいる電車内では
小さな動きすらとても目立ってしまう。

危ない内容だ。とおもって
画面を切り替えて、自分を落ち着かせた。

しかし、気になって仕方ない。

また元のページに戻ると
爆弾級の面白さがわたしを襲い
思わず吹き出してしまった。


そんな依存性のあるエッセイを
存分に楽しむことにした。

こんなに笑ったことは最近あっただろうか?
ふと、近くの小さな鏡に映る自分を見ると
とても柔らかい表情をしていた。 

気になっていたほうれい線は
大きな笑顔を表す線となり
目尻の皺は笑い皺として弧を描いていた。

どんな美容クリームを使った時よりも
表情がとても明るく見えた。


感情豊かな表情はとてもいいねと
鏡に映る自分に知らせた。