存在の境界線が溶ける瞬間
近ごろはnoteを書くような思考がまったく見当たらない。
でも何か書きたいモヤモヤした感情はある。でも文章も。文字ですら浮かんでこない。
次第にこんな疑問が頭に浮かぶ
”僕は今存在しているのか”
急に怖くなって自分の両手に視線を落とした。
確かに僕の両手だ。なのにこの違和感はなんだ。
瞬間
全身に痺れるような感覚が走った。
手の平から腕にかけて走る血管が強く光を放ち始め、光に包まれた指先から次第に透明になっていく。
周りの景色が歪み、現実と虚構の境界線が曖昧になっていった。
突然、自分の肉体が光となり宇宙に溶け込んでいく。無限の時空を超越し、万物の始まりと終わりは肩を並べた。全ては一つの循環の中に、自分はその人掬いに過ぎなかったのだ。
僕の自我はコンソメのように溶けだし、宇宙のスープの味を少しだけ変えた。
違う、変わらなかった、はじめからそうだった、スプーンに掬われたスープが皿に戻っただけだ。
それは掬われたスープに映ったエントロピーの夢の欠片なんだって。
製作:巨万の富男
アシスタント:Zacky
プロデューサー:だて。