寿ぐ
ウチのネコのコブは、ご近所でみなさんが可愛いがってくれる猫です。
それはコブがとても穏やかで人に懐く性格なのと、ご近所さんはみんながネコが大好きだから、みんなコブを触って撫でてくれながら話しかけてくれます。
3月に、ずっと一緒だったネロが死んでしまってから急に元気が無くなったことをご近所さんたちも心配してくれて「コブちゃん元気?」と、気にかけてくれてます。
🐈
この時期は猫毛が夏毛に変わるので、毎朝玄関前でコブのブラッシングしていると、お向かいの奥さんがコブに会いに寄って来てくれて、撫でてくれながら
「コブちゃん。一日を生きているだけでじゅうぶんだ。頑張るんだよ。」
と、コブにエールをおくっていってくれました。
🐈
《今日一日、一日を生きたら、それだけで良いんだよ。》
ってシンプルだけど、ほんとうに大事ね。
生きてることは当たり前と思ってしまって、人間は「もっと活動しなきゃ」って更に更に求めてしまう。
人間は、まあ確かに、そこから社会活動をする事が必要なんだけど。
でも生き物としての基本は猫も人も同じだと、改めて思いました。
起きて、体を動かして、ごはん食べて、水飲んで、排泄してってことが自分でできるのってことはすごいこと。
人も猫も、生き物はみんな、生きてるってだけで大仕事してるんだよね。
お向かいさんと別れた後
「なんか、心に残る良い話だったな」
と思って家に入り、キッチンにあったお菓子に目が止まりました。
それは先日、知り合いがプレゼントしてくれたお菓子なんです。
このお菓子の包装にちっちゃな鈴付きのリボン結びがついたゴム紐が掛かっていたのを取り外して、そおっとコブの首につけてあげました。
コブが今日まで生きてくれたことが貴重なんだなって気持ちが、胸に込み上げて来て、お祝いにリボン結びをコブにかけてあげたくなったのです。
「コブ、どう?ピンク色のリボン、とっても似合ってるよ。」
と話しかけたら、体を震わせてチリチリチリチリと上手に鈴を鳴らしてくれました♪
どうやらコブも、嬉しいみたい。気に入ってくれた様子です。
🐈
生きてることを寿ぐ。
ああ、そっか。だから長寿はおめでたいんだね。
生きて来た積み重ねの日々を、お祝いするんだね。
今日、1日を生きたことが尊いんだね。
そうして、生き切って寿命を迎えるんだんね。
コブは幸せですか?
コブ、今日もありがとう。