あなたの会社はできていますか?集客できるホームページの4つのポイント

インターネットの普及によって、商品やサービスを購入・利用する前に、インターネットでの情報収集することは、もはや当たり前になっている。実際に、顧客の6割が企業のWEBサイトを参考にしている。

顧客との初めての接点になることが多い企業のホームページは、企業にとっての顔であると言っても過言でないだろう。しかし実は、自社のホームページを顧客獲得の有効な手段として、本当に活用できている企業は極めて少ない。お客さんにとって必要な情報が無い場合が多いのだ。この記事では、多くの企業が自社のホームページ作成において抱えている問題点と、その解決策を紹介するので、是非参考にして欲しい。

■多くの企業がホームページ作成で抱える、2つの問題点

まず、企業のホームページには大きな問題点が2つある。まず1つ目が更新頻度。自社のホームページを月に一回以上更新している企業の割合はわずか10%程度。殆どの企業はそれ以下の更新、もしくは作りっぱなしの状態になってしまっている。よくあるのが、3年から5年に一度に大規模な更新をするパターン。この状態だと、更新していなかった期間の情報が載せられていないので、情報のギャップが生まれてしまう。

2つ目の問題点は、顧客視点の欠如。本来、ホームページはお客さんに向けて必要な情報を発信する場なので、お客さん目線で作成すべきである。これはもう、基本中の基本である。しかし、数年に一度という少ない更新頻度では、ノウハウが社内に溜まらない。

ノウハウも無い、いわば素人状態の社員が集まってホームページを作るとどうなるか。だいたいが「社長目線」のホームページになってしまうのだ。つまり、社長がOKを出しそうなホームページを作ってしまう。その社長が、ユニクロの柳井社長のように、正確なお客さん目線を持っていて、かつ広告やマーケティングの分野に詳しい、商売センスのある人だったら問題ない。

しかし、このようなケースは稀で、社長視点と顧客視点が大きく食い違っている場合が多い。社長自身のWEBマーケティングの知識が非常に乏しく、ホームページの分析の仕方や検索エンジンのアルゴリズムなども分かっていない。ただなんとなく、「こういうのがいいんじゃないか」「俺はこういうのが好きだ」そんな視点で、ホームページのデザインなどを決めてしまう。すると、顧客のニーズとかけ離れたホームページが出来上がってしまうのだ。

そしてこのような問題に直面した企業が陥りがちな罠がある。それが、外注。社内にはWEBサイト作成の専門家もいない、社員にはノウハウがない、となると残された選択肢は外注になるだろう。そこでホームページ制作会社を探してみると、かなりの数が出て来る。その中でも上場しているような有名企業にフルパッケージで頼むと、戦略や顧客分析などやってくれるので、顧客獲得手段としてかなり有効なホームページが出来上がるだろう。しかし、その分コストもかかってしまう。

では、コストを抑えるために自分たちの知り合いや、その紹介で作ってくれるところを探してみる。すると、ホームページの作成自体はしてもらえるが、どんなコンテンツを載せるかなどは、結局自分たちで決める必要がある。すると結局は、社長目線のホームページになってしまう。

また、ホームページ作成においてSEO対策は欠かせない。例えば、画像がたくさん貼ってあるようなサイトは、あまり高く評価されないなど、見つけられやすいようなコンテンツの作り方がある。そういった基本的なSEO対策でさえ、できていない制作会社もあるのだ。このような状態では、ホームページを顧客獲得の手段として使うにはほど遠い。

■トップページ作成で押さえるべき、4つのポイント

では、これらの課題を解決するために、やるべきことはなんだろうか。まずは、トップページの重要性を理解しよう。トップページはいわば、企業としての第一印象。この第一印象を良くすることに全力を傾けよう。これにはいくつか押さえておくべきポイントがある。

まず、ぱっと開いた時に一番最初に目に入る文言で、何を売っている会社なのかを簡潔に伝えよう。今の時代、消費者はページを開いて、何の会社か分からなければすぐに離れていってしまう。最も良くない例が、お客さんの気持ちに関係なく、自分たちが伝えたい事を全面に押し出てしまうこと。これをやってしまうと一体何の会社なのか分からず、それ以上は見てもらえないだろう。

自社の商品や提供価値を短い言葉で分かりやすく伝える。そのためには、自社の製品はどんな優れたポイントがあるのか、それが競合他社と比べた時にどうユニークであるか、ということを突き詰めなくてはいけない。トップページは一番多く見られるものなので、A/Bテスト※を繰り返すなどで効果測定をし、練りに練った方が良いだろう。

※A/Bテストとは?

WEBサイトの構築をする際に、複数パターンでユーザーの反応を測定する手法。通常、紙媒体の広告の文言や色を変えるには時間とコストがかかってしまうが、サイトであれば簡単にできる。WEBのメリットを最大限に活かした測定方法だ。そして、今は安価なABテストのツールが出てるので、これらを活用しても良いだろう。有名なのはOptimizely(https://www.optimizely.com/)。ホームページはお客さんが神様と言ってもいいので、ユーザーの反応によって改善を重ねるA/Bテストは非常に有効な手法だ。

では、トップページの良い例を1つ紹介しよう。こちらの画像を見て欲しい。

まず目に入るのが、「Photo and Video sharing for Busy Parents (忙しい両親のための、写真動画共有サービス)」という文言(①)だ。非常に短い文章だが、この会社が何を売っているのかが端的にまとまっている。

そして写真(②)。女性がパソコンに向かっているので、インターネットを使ったサービスだということが、予想できる。この文字と画像が連動していることも重要なポイントの1つだ。よくありがちなのが、画像を企業のブランディングだと思って、自社ビルの画像などが入っていることがある。しかし、それはお客さんにとっては何の意味もない。ましてや、よくあるガッツポーズをしている人物の画像なども論外。何が言いたいのか、伝わってこない。

次に、CTAボタン(③)。CTA(Call to Action)とは、問い合わせや資料のダウンロードなど、行動を呼び起こすために注意を促すものだ。CTAボタンがオレンジ色である点も、目立っていて分かりやすい。CTAについては、下記の記事も非常に参考になるだろう。

またCTAのボタンの隣にもっと詳しく知りたい方はこちら(④)、という選択肢が提示されている。これによって、今すぐ試したいせっかちな人と、もっと詳しく知ってから購入したい人の両方に対応できるようになっている。以上がトップページにおいて、押さえるべき基本中の基本ポイントだ。

■インフォメーション・ヒエラルキーに従って情報を載せよう

またこれらのポイントに加えて、トップページに載せるべき情報を網羅しているのが、インフォメーション・ヒエラルキーと呼ばれる情報階層。効果的なトップページを作成するには、以下の情報が必要だ。

1.まずページを見た人にとって、具体的にどんな痛みを解決するか

2.その企業からのオファー(商品など)によって、その人は何ができるようになるか(ベネフィット)

3.そのオファーは競合と何が違うのか?どうユニークなのか?

4.オファーを受け入れる前に、持つであろう反論(そんなおいしい話があるはずない、など)

5.どうすればオファーが受けられるか(CTA)

6.社会的な証明(これほど使われてます、有名な人が使っていますなど)

非常にシンプルだが、必要なポイントが網羅されている。そしてここで注目してほしいのが、多くの会社がやってしまいがちな、自社製品の特徴などをアピールするような情報が一切出てこないということだ。つまり、焦点を当てるべきなのは、製品そのものではなく、その製品から得られるベネフィット。その製品がどう課題を解決してくれるのか。顧客が知りたいのは、これなのだ。

■他企業の成功例を参考にしてみよう

ではこれらの問題点と、やるべきことを押さえた上で、どのようにホームページの改善に取り組めばよいのだろうか。最初から顧客のニーズと合致した、良いホームページを作るのは簡単ではない。そこで、僕がおすすめする方法は、「上手く行っている会社の真似をしてみる」こと。他の企業がどのように改善を重ねているかを知ることで、自社のホームページの改善もイメージしやすくなる。そこで、非常に役に立つが、意外と知られていないサービスを紹介しよう。Wayback Machine(https://archive.org/web/)という魚拓サービスだ。

このサービスは、海外ではよく使われているが、日本ではまだあまりメジャーではない。ここのサイトには過去分を含め、ほぼすべてのウェブサイトが保存されていると言っても過言ではない。つまり、企業の過去のホームページがどんなものだったのかを、誰でもさかのぼることができるのだ。

例として、弊社のかつてのホームページを恥を忍んで、紹介させていただこう。イノーバのホームページはかつてはこのようなトップページだった。

まず、このトップページを見ただけでは一体何の会社なのか分からない。ターゲットも提供価値も曖昧だ。では、このトップページがどう変わったか見てみよう。

これが改良したトップページだ。大きく出ている文言とその下のタグラインで、何を売りにしている会社なのかすぐに分かる。また、下には自社製品やサービスをクリックできるので、より詳しい内容を知ることもできる。CTAも初期の頃に比べると、だいぶ分かりやすくなっている。A/Bテストの結果に基づいて改善を重ねた結果だ。

このように、他社のホームページにおけるビフォー・アフターを比べると、改善している部分などが一目瞭然だ。自社のホームページと見比べれば、どの部分を変えるべきなのかイメージが湧きやすいだろう。また、社長目線のホームページを作ろうとする企業のトップの方々にも、具体例を見せた方が、改善すべき理由などを説明しやすいのではないだろうか。

■なぜ今、ホームページの改善が必要なのか

冒頭にも述べたように、今は圧倒的にお客さんの方が忙しい時代だ。インターネット上では、簡単に他企業との比較検討ができるので、トップページを開いた瞬間で、そのページに留まるか残るか判断されてしまう。だからこそ、顧客目線に立ったホームページ作成は必要不可欠なのだ。自分たちの提供価値やベネフィットを分かりやすく伝えられているか。自分たちの伝えたいことばかりを載せていないか。もう一度、改めて確認してみて欲しい。分かりやすいホームページ作成は、顧客と良い関係を築くための第一歩なのだ。

いいなと思ったら応援しよう!