イノーバ戦略発表会の内容を大公開!
今回は2016年8月17日に全社員で行ったイノーバ戦略発表会の内容をお届けする。テーマは「これから見る景色 歩いて行く道」。当日は、分刻みにスケジュールが組まれており、非常に内容の濃い発表会を行うことができた。
少し前の記事だが、ぜひ読んでいただきたい。
今回の記事では、実際に戦略発表会で使用したスライドと共に、イノーバのミッション・ビジョン・行動指針などを紹介したいと思う。
■意外と分かりにくい?ミッションとビジョンの違い
ミッション・ビジョンという言葉はよく聞かれるが、この違いをきちんと理解している人は意外と少ないのではないだろうか?イノーバの戦略発表会でも、まずはそれぞれの定義を皆で共有することから始まった。
ミッションというのは、イノーバの使命や存在。「なぜそれをやるのか?」というWhyの部分である。一方、ビジョンは目指す目標や方向のこと。「どうなりたいか」、つまり「to be」のことだ。そして、行動指針はそれを目指すための、価値基準や判断基準。まずはこの3つの定義の違いを、全社員に正しく理解して欲しかったので、ここから説明を始めた。
■ミッションに込められた想い
イノーバのミッションは、以前と変わっていない。なぜ、僕がこう思ったのか。
それにはこんな理由がある。
僕が目指しているのは、「頑張った人が報われる社会」だ。僕の母親は自分で商売をやっていたこともあって、それこそ365日のうち1日も店を休むことはなかった。朝5時から市場に仕入れに行き、夜になって疲れてくるとビールを飲んで、酔った勢いでまた働く(!)ような人だった。そんな母親の姿を近くで見ながら、僕は育った。
そして僕自身も、店を手伝わされることがよくあった。その時ちょうど、ITやパソコンが台頭してきた時代だったので、「これはすごいな」と思ったのが、僕の原体験。ITの力によって、僕の母親のように頑張っている人を助けられるんじゃないか、と思ったのだ。
また、これからは、変化が当たり前になる時代。個人も企業も活躍するために必要なのは、変化を楽しみ、 変化を先取りする力。それをイノーバは提供していきたい。そんな想いがあり、以前から変わらない「個人と企業にイノーべションの力を与える」をイノーバのミッションとして掲げていく。
■既存の概念にとらわれない、イノーバの新しいビジョン
今回、イノーバのビジョンを改めて設定した。今は世界50億人が、インターネットで繋がると言われる時代に突入しつつある。だからこそ、自分たちもお客さんも、国境を超えたサービスや商品を提供しなくてはいけない。これが1つの目標。
そして「常識を超える」という部分については、「今までのマーケティング方法」や「今までの売り方」という既存の概念にとらわれない「未来のマーケティング・セールス方法」というのを作っていきたいと思っている。
■イノーバ社員が守るべき、6つの行動指針
今回、行動指針についても改めて設定した。それがこの6つの項目だ。
まず1つ目が、「不可能にチャレンジ」。初めから不可能だと思っていると、イノベーションは起こせない。常に新しいイノベーションを生み出す組織でいるためには、不可能に見えることにも挑戦していく姿勢が不可欠だ。
2つ目が、「実験と改善の高速回転」。
ここでは、「実験」と「改善」の両方が入っていることがポイント。なぜなら、イノベーションは実験だけでも生まれないし、改善だけでも生まれないからだ。新しいものを生み出しても改善を重ねなければ、良いものは絶対に作ることができない。「いち早く実験に着手し、その後改善する」という努力の姿勢を持ち続けて欲しい。
3つ目が、「発信力と巻込力」。これはある意味、イノーバのビジネスモデルでもあり、DNAでもあると思っている。「世の中を変えたい」という想いは、人に伝えてこそ価値がある。自分たちの強い想いをきちんと発信していくこと。そして、それに共感してもらえる仲間を社内外に、増やしていくこと。高い目標を達成するには、この両方が必要だと思っている。
4つ目は、「顧客の期待を超える」。
「いかに顧客満足度を上げていくか」というのは、どの企業にとっても課題の1つだろう。しかし、イノーバが追求したいのは、顧客満足というよりも、お客さんに「わお!」と言ってもらえるような体験。「ここまでやってくれるだろうな」というお客さんの期待を、「こんなこともできちゃうの?!」という驚きに変えていきたい。
5つ目が、「連続達成で自分を強くする」。
経営顧問だった吉田さんからは、「高尾山に登りたいの?エベレストに登りたいの?」とよく言われた。例えば、高尾山に登りたいのであれば、週末に少し登山の準備をして、電車に乗って行けばすぐ登ることができるだろう。しかし、エベレストはそうはいかない。登るまでに、綿密な準備や計画が必要だし、登るためにその計画を1つ1つ、達成していく必要がある。
この行動指針も同じこと。高い目標に到達するには、目の前にある小さな目標や計画をきちんと達成していくこと。その小さな達成の積み重ねが、目指すべきゴールに繋がっていくのだ。
6つ目は「おかげさま」。
「成功は周りのおかげ 失敗は自分のせい」という心構えを、社員全員に持っていて欲しい。僕自身、まだまだ成功とは思っていないが、これからイノーバが大きく成長しても、常に周りへの感謝を忘れず、謙虚な気持ちを持ち続けることを、社員にも大切にして欲しい。
以上が、今回改めて設定した行動指針だ。これを全社員共通の価値観や判断基準としておくことで、「それってビジョンに近づくアイディアなの?」「それって行動指針に合わせると、どっちかな?」という会話を、社内で起こしていきたい。
■イノーバのBHAG(驚くほど高い目標)とは?
最後に、イノーバのBHAGを紹介しよう。
つまり、「そんな目標立てちゃうの?」と、びっくりして髪の毛が逆だってしまうぐらい、大きな目標、ということ。では、BHAGを立てるとどんなメリットがあるのだろうか。先ほども出て来た、高尾山とエベレストの例で考えてみよう。
エベレストに比べたら、高尾山に登るほうがずっと手軽で簡単。だから、登るための準備も簡単に終わる。一方、エベレストに登るための準備には何が必要だろうか。通常の登山の準備に加え、防寒具や食料も必要だろう。専用の登山靴や、地図も持たなくてはいけない。このように高い目標を立てた方が、たくさんのアイディアが出てきやすい。めちゃくちゃ高い目標を達成するために、多くのイノベーションが生まれるのだ。
BHAGを掲げることによって、大きな目標達成を可能にした実際の例がある。それがアポロ計画だ。
そして今回、新しく定めたイノーバのBHAGがこれだ。
これからの時代、今よりももっとグローバル化は加速していくだろう。そして、それは個人で選択できるものではなく、不可抗力的にそのグローバル化に巻き込まれていくようになる。だからこそ、自分たちも世界に出て勝負をしてきたいと思っているし、自分たちだけでなく日本のグローバル化を強烈に推し進めていきたい。
「一企業が世界に出て勝負する」というのは、少し前は商社や大手のメーカーしかできなかったこと。それだけ、海外で拠点を持ちビジネスをするというのは、かなり大変なことだった。しかし、インターネットの出現によって、グローバル展開は大手企業の特権ではなくなってきている。
これからは「新しいグローバル展開のビジネスモデル」が実現できる時代。例えば、色々な言語でコンテンツを提供し、その国の企業からの問い合わせを増やす。そして、インターネットを介して商談をして、必要な時だけ出張する、ということも可能だ。そうすれば拠点をその国に設ける必要はない。
だからこのBHAGにある「20カ国でサービスを展開」というのも、世界中に20ヶ所拠点を持つという意味ではない。むしろ「いかに拠点を持たずに20カ国で展開するか」ということを目指していく。そして、自分たちだけでなく、お客さんにも新しいグローバル展開のビジネスモデルを提供していきたい。そんな想いが、このBHAGには込められている。
以上が、今回の戦略発表会で共有した、イノーバのミッション・ビジョン・行動指針だ。
ちなみにこちらは、その後の懇親会の様子。改めて目標を共有し、一致団結できたおかげで、いつにも増して盛り上がっていました!
■戦略発表会を終えて、思うこと
イノーバが立てたBHAGはとてつもなく大きな目標。「そんなのは無理だ」と思う人もいるかもしれない。しかし、不可能だと思っているうちは絶対に達成できない。
今回の戦略発表会では社員から、「そういえば芸人さんで、マッターホルン登頂した人いるよね!」「(難しいと思っていることでも)絶対、誰かがやってるんだよね」というような、ポジティブな声が多く聞かれた。「必ず山頂に到達するんだ」という強い気持ちを全社員が持って、イノーバの未来に向けてワクワクした気持ちになれること。これこそが、今回の戦略発表会の目的だ。