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mimorning
夢の始まり
ここ最近は、めっきり詩も書かなくなっているが、中学生の時は恋の詩を毎日のように、書き綴っていた。
あれは中学2年生だったと思う。
当時、私には大好きな人がいて、頭の中はいつもその人でいっぱいだった。
例外なく授業中もそうであり、あり余る気持ちを詩を書くことに注いでいた。
その時、前の席だった男の子が、たまたま書いてるところを見かけたのか、私が詩を書いてることを知り、それを読みたいと言ってきた。
興味本意なのか、人の秘密を覗き見る気分だったのか理由は今もわからない。
授業中、頭の良かった彼は、スラスラと数学の問題を解くと、決まって、くるりと後ろを向き、私のノートを受け取り、また前を向いて、無心に詩を読んでいた。
私は詩を差し出す代わりにといってはなんだが、勉強を教えてもらっていた。
しばらくして3年生になりクラスも別になり話すこともなくなったある日、すれ違いざまに「頑張って詩書けよ」と言う声が聞こえ、振り向くとあの時の彼だった。
それがその先も詩を書くことの原動力になったかはわからない。
でも、きっとそうだったに違いないと、今は夢の始まりを思い出す。