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ミドルの転職奮闘記⑧~手書き、添え状……タイパ、コスパの悪い日本の転職活動

 転職活動で欠かせないのが、応募書類の作成と送付。
 今では転職サイトや転職エージェントの利用が広がり、サイト上で作成したものがそのまま活用できたり、また、Eメールでの応募を受け付ける会社も増えていますが、アラフィフが応募できそうな、ハローワーク案件のもの、あるいは転職サイトで登録だけする応募には、郵便での応募が求められることがままあります。
 
 その時、この21世紀になっても手書きが必須な場合がかなりあることに驚かされます。
 とある求人サイトで募集のあった案件ですが、エントリー後、以下のような書類が求められました。

  • 写真付き自筆履歴書

  • 職務経歴書(PCで作成されたもの)

  • 志望動機(自筆で400字程度

 なんと、履歴書と志望動機が自筆!当然、送付は郵送。希望職種なので、提出はしましたが、作成には相当な時間を取られました。
 
 このほか、応募が郵送の際に個人的にやっかいだと思うのが添え状。東京しごとセンターの講座などでも、「添え状はあった方が良い」とのことでしたが……。
 NHK Eテレで先日放送された「ねほりんぱほりん」は、テーマが社長秘書でした。その際メールの文書の中で「何卒ご臨席賜りますよう」「万障お繰り合わせの上」など、あえて難しい漢字を使い、秘書同士の“仁義なき戦い”がある、なんてハナシが出ていました。その一方で、IT業界ではそんな言葉は使わないなど、会社の文化が違うことや、一所懸命書いても、メールの文書は先方の社長は見ていない、つまり「秘書同士の茶番」「誰かが終わらせてくれないかなと思っている」といった声が挙がりました。
 これって、添え状とかも同じじゃないかと思うんですよね。添え状を手書きで丁寧に書いたからって、誰がこれを「丁寧」だと捉えるのだろうか。少なくとも自分が受け取った時にきちんと読んだことはないし(失礼!)、間違えを見つけた時にマイナスの評価になる、といった程度のものだったと思います。取って置くこともないので、ゴミになってしまうし(苦笑)。
 
 コクヨから販売されている「添え状」には、「履歴書を送るなら、礼儀正しく、手書きでイメージアップ」なんてキャッチコピーが書かれていますが……もしも添え状の有無、手書きかどうかで印象が変わるようならば、それは古くさい体質の会社であると暴露しているような気がします。そもそも海外でこんな手書きの書類をありがたがるのかどうか。
 そして、この手書きの添え状に限らず、「礼儀正しく」って、転職活動のムダを生み出す権化のような気がします。

 このように、郵送の応募書類って、タイパ、コスパの悪さの象徴。社長秘書じゃないけど、「誰かが終わらせてくれないかなと思っている」っていうのが、採用担当者の本音ではないでしょうか。いろんな日本企業の「ムダ」が転職活動にも現れている、と思うのは私だけでしょうか。

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