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絵を描くとき、力の限りに観察することが大切だとカラダで理解できた

少し前のことになりますが、週刊少年マガジンのグラビアを飾った奥山かずささんを模写したときの気づきとか感想を書いてみようと思います。

自分の見ているものがいかにテキトーか

当時これを描いていたときに気をつけていたことは一つだけで、とにかく注意深く観察することでした。これは以下のこばかなさんの note を読んで気をつけようと思ったからです。この note めっちゃためになったしめっちゃ面白かったです。ぜひ読んでみてください。

この note 内でこばかなさんも言っているように、無意識的にモノを見ていることって本当に多いんですね。脳のテキトーな補完を遮ってニュートラルな気持ちで見つめていると色々発見がありました。目と耳って割と同じ高さにあるんだとか、鼻の端と目頭って同じ縦直線上に並んでいるように見えてそうじゃないだとか、そもそも輪郭って線じゃ描けないんだとか(むしろ陰影で表現しているような気がする)。

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上の画像は、描き始めに奥山かずささんの顔を観察していたときのメモです。正直もっと注意すべき情報とかあると思うんですけど、やっぱり何より人間の目から入ってくる情報っていろいろ省略されているんだなって気づきがあったのが面白かったです。

ちなみに元にした写真はこちらです。2019年6号のグラビアですね。今はもう買えないかも(講談社さんバックナンバーもっと増やして…!)。

スクリーンショット 2019-01-16 0.29.30

とにかく観察→描く→消すの繰り返し

他に技術的なことは正直良く分からなかったので、とにかく自分の見ている映像を疑って、とにかく注意深く観察しながら描いていきました。0.5cm ほど描いては消して、描いては消しての繰り返し。絵を描くってこんなに大変だったのか…。世の画家さん、漫画家さん、イラストレーターさんすごすぎる…。

途中経過はこんな感じです。どうやら目線を気にしているようですね。

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そんなこんなで、一日 2~3 時間ほど時間を取って 2 週間でようやく仕上げました。この間、仕事終わりの一日の最後が一番頭使っていた気がします。

今見るとこれ全然仕上がったとかいうレベルには思えないですね。肩の部分とかはもう…力尽きたからいいやって感じだったんでしょう…。だってめっちゃ疲れたもん…。

どんなタイプの絵でも注意深く観察することは大切かも

実際にやってみて、とっても勉強になりました。学びを簡単にまとめると以下の点に集約できるかなと。

・自分が見ているものをまず疑うこと
・できる限り解像度を上げて意識的に対象物を観察すること
・観察したものをできる限り言語化してみること(メモに書くとか)

これは予想なんですが、この観察するという視点はどんな絵を描くときでも活きてくるんじゃないでしょうか。漫画やイラストを描くときでも「手首のひねり方ってどうなってるんだっけ?(実際手首自体は回転できない)」とか「なんか建物のパースおかしいな…」とか、よくよく見てみると変だなって気づくことが出てくるかもしれません。そして気づけば気づくほど、より説得力のある絵になりそうな気がします。

今後は模写だけじゃなくて漫画やアニメ風のイラスト、あと厚塗り(?)みたいな技法とかもチャレンジしていきたいと思っていますが、力の限りに観察することは続けていきたいなと思います。

(おまけ)参考資料に縛られなくても良い?

先日、Aaron Blaise 氏という元ディズニーのアニメーターの方が Twitter でこんなことを言っていたのが印象的でした。

The reference for me is just a starting point. Never be a slave to it.

イラストを描くときって参考写真とか資料をたくさん用意すると思います。もちろん写実的な絵画を描く場合と、漫画やアニメのような記号的なイラストを描く場合とではおそらく描き方は変わってくるんでしょう。ですが、

「必ずしもその通りに描かなくても良いし縛られなくても良い。自分なりの想像を加えてしまっても問題ないよ」

そんな意味合いにも取れました。注意深く観察することも大事ですが、敢えて遊び心を加えていくような描き方ができたらもっと楽しいだろうなと思った次第です。