腐った何かの正体 「TEENAGE EMOTION」ーBOØWYの歌詞にみる仕事論⑦
以前にも「TEENAGE EMOTION」については書いていたが、最近まさにこの歌の世界観に近いことが起こったので、あらたなテーマで書いてみたいと思う。
ある部活の強豪校で寮生活をしている高校生の息子とのLINEでの対話がきっかけだった。
部内では当然ながら、同じポジション争いがある。ようやくレギュラーに落ち着けたかなと思っていたところ、もしかしたらレギュラー落ちするかもしれないと連絡がきた。
ミスで試合から外されるようになり、その後の彼の態度も問題になったことが要因のようだった。
長年、同じ状況を保護者として見てきているので想定内の状況だが、そばでサポートができないこともあり、表面的な𠮟咤激励は避けたいのが親心でもある。
そのため、傾聴することや否定的な言葉を避けるようにしているが、本人からこのような言葉が返ってきた。
「たぶん、俺プライド高いんだ。だから、自分が勝てると思ったヤツに負けるかもしれない状況になったら、自分のプライドがそれを許せないから、態度が悪くなってしまうんだ」
一旦プライドが傷ついてしまうと、そこから立て直すことができなくなるというメンタル面の課題を本人が言語化できたところで、
我らがBOOWYの「TEENAGE EMOTION」の出番である。
「腐ったプライドは捨てちまえ」
残念ながら、リアルな社会でも
力>心
の構図は崩れることなく、多様な状況の前ではガラスのように誇り高きプライドは簡単に切り捨てられてしまう。勝手に傷ついて、そこで誰かのせいにしていても、行きたい場所にはたどり着けない。
能力や技術は身につけて武装する必要があるが、メンタルの部分では要らないものを捨てることが意外に重要で効果的なんじゃないかと、わたし自身もこの一件で気づかされた。
「TEENAGE EMOTION」を聴いていた、息子と同じ年ごろのとき。
わたしは「”腐った何か”とは、一体なんなんだろう?」と問い続けていたような気がする。
自尊心は大切なものだと教わり、それが傷つかないような場所を無意識に選んできた部分もあったかもしれない。
そして「自分はできる人間だ」という思い込みとプライドを捨てるまでに、どれだけの時間が必要だっただろうか。
長年、積みあげてきた努力で大きく育ったプライドは、いい具合に発酵する部分と、腐って取り返しのつかない部分が混在する。
YOUNG AGEよ
腐りかけた自尊心はすぐに捨ててしまおう
すべての誇りが腐ってしまわないうちに