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語彙日記 1/15~ 枕元に煙草、即ちメメント・モリ

1/15(日)

・途次(とじ)
途中。みちすがら。

堀静香「せいいっぱいの悪口」

・くちい
苦しいほど腹がいっぱいである。満腹である。

堀静香「せいいっぱいの悪口」

方言っぽいのに方言じゃない?聞き馴染みが全くない。

・ワナビー
何かに憧れ、それになりたがっている者のこと。上辺だけ対象になりきり本質を捉えていない者として、しばしば嘲笑的あるいは侮蔑的なニュアンスで使われる。

若林理央「仕事で『書く』と趣味で『書く』のはざまで」

ちょいとダサイ響き。けど誰だって最初はワナビー(want to be)。そこからトライダビー(try to be)になっていけばいい。嘲笑すんな。

1/16(月)

・死番虫(しばんむし)
シバンムシ科に属する甲虫の総称。

堀静香「せいいっぱいの悪口」

この名の由来は、シバンムシの雌雄が求愛行動の際に発するコチコチいう音が、死へのカウントダウンを刻む秒針の音のように聞こえるとして、英語で「Death watch beetle」と呼ばれていたからだそう。名付けた人の感性がえげつない。タバコにも湧くらしいんだけど、机の中にしまってあるいつ買ったのかもわからないアメスピには繁殖してなかった。名前に似つかわしくなく可愛らしい虫。

死番虫

・コンコルドの誤り
投資が回収できず損失につながるとすでに分かっていながら、今まで投資した金額や時間を惜しみ、投資を継続してしまう心理的傾向の通称。

堀静香「せいいっぱいの悪口」

これに陥ってしまう心理がよくわかる。卒業研究がそうだった。今まで費やした時間の長さと残された時間の短さから、良い成果が出せない中、研究テーマを大きく変えるという踏ん切りをつけることができず、無理やり続けてしまった。

1/20(金)

・メメントモリ
ラテン語で「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」「人に訪れる死を忘ることなかれ」といった意味の警句。

堀静香「せいいっぱいの悪口」

本を読んでいると、「自分の一生を捧げても全ての面白い本を読むことはできないんだよなあ」と生きることの有限性を思って、よくメメントモリが意識される。生き急ぐのも良くないと思う。それでもメメントモリを意識して生きたい人は枕元に煙草でも放置しておけばいい。毎晩、死番虫が死へのカウントダウンをしてくれるだろう。

・久闊を叙する
久しぶりのあいさつをする。 無沙汰をわびる。

中島敦「山月記」


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