誰かのためにサイドボードを作ろう。 MTGの話
近年スナガガにとってのマジック:ザ・ギャザリングはMTGアリーナか、記念に参加するプレリリースとなっていた。だからブルームバロウという可愛らしいデザインのエキスパンションとスタンダードのローテーションは、スナガガが卓上のマジックを再開するのにいい機会だった。
嬉しいことにブルームバロウに収録されているたくさんのうさぎさんのカードは、イラストもカードの能力も魅力的で、さらにはほとんどのうさぎさんカードが最新の『ブルームバロウ』のみで揃えられるので、久しぶりに紙のデッキを揃える人には持って来いの部族だ。
そんな『うさぎさんデッキ』を携えて久しぶりにフライデー・ナイト・マジックに参加したのだが、MTGアリーナのBO1ばかり遊んでいたので、重要なことを忘れていた。サイドボードを作っていなかったのだ。ともあれゲームができないわけではないので、普通に参加する。対戦相手の方方には、「サイドボードはまだ作ってないので、ないです!」と少し茶目っ気を出して伝える。
そんな感じで遊んでいたら、ある人と対戦をすることになった。とっても社交的な方でゲームも楽しく、話しつつも丁寧にプレイしてくれる、そんなプレイヤーだ。ゲームは偶然にもスナガガが勝つことができたのだが、あることに気がついてしまった。
彼はたぶん、サイドボードを用意していないスナガガに合わせて、サイドボードによる調整を行わずを使って戦っていてくれたのだ。彼のゲームを観戦していたとき、彼のサイドボードディングは見事なものだったし、うさぎさんには天敵の《最深の裏切り、アグロゾズ》が大活躍していた。
それに気が付いたとき、とても申し訳ないことをしてしまったと後悔した。用意しようと思えば、《巨大化》4枚とか、《平和の心》4枚などいくらでも準備できたのである。それを自分の怠惰でサボり、ゲームにならなくてボコボコにされても特に気にしないんで好きにしてくださいという開き直りの気持ちでいた。
しかし待っていたのは、優しさで。本当は全力で戦いたいと思っている優秀なプレイヤーに、気を使わせる十年選手のスナガガという構図だった。しかもプレイしているときが本当に楽しかったので、さらに恥ずかしい気持ちだ。
そんな恥ずかしい思いを噛み締めると、サイドボードがいかに重要かが見に染み渡る。もちろんゲームとして選択肢が増えることにより複雑さが増し、より深いゲーム体験が楽しめるのは、言うまでもない。さらにサイドボードは言うなれば、それぞれのプレイヤーの環境に対する答えであり、一番その人の個性が出る部分でもある。その個性を見せ合えば、対戦はもちろん面白くなるだろうし、ゲームのあとの感想戦も楽しませてくれる。そう、サイドボードを作らない理由はないだ。
そう言いつつも、環境が分からなければサイドボード作れない。とりあえずは超攻撃的な《巨大化》マシマシサイドボードを作って荒波に揉まれよう。そしてきっと強くて優しいプレイヤーと全力で対戦して目一杯楽しんだとき、自分の個性がサイドボードになっているんだろうと考えるスナガガでした!