20年前、本気でプラモデルを作ろうとした2人。前編
おおよそ二十年前、中学生だった頃、ゲームセンターに行けば当時の画期的だった「機動戦士ガンダム戦場の絆」や「機動戦士ガンダム0079カードビルダー」、ゲームセンターの半分近くの面積を占め、ファミコンショップに行けばスケールモデルよりもガンダムのプラモデルの方が多かった。そんな時代に、そこそこ思慮深くなった中学生、機動戦士ガンダムというアニメの深みを知りそれにハマって行くのは必然だった。
高嶺の花のパーフェクトグレード
ある日Y君が誕生日に「PG ガンダム試作1号機フルバーニアン」という25000円ぐらいプラモデルを買ってもらった。当時の自由に使えるお金が少なかったスナガガにはとんでもないビックニュースとだった同時に、少し小さめで安いキットしか作って来なかった2人にとって、さすがに宝の持ち腐れなのではないかと危惧していた。Y君もこれを作りきれるのかという不安があったこともあり「このキットに、我々の全力をぶつけてみないか?」という話にまとまった。
日和ってる二人
とは言え、二人とも説明書通りに切り取り、ただ組み立てるだけの素組みしかしてこなかった。まずはプロの工程を学ぶところから始まる。「洗浄→ヤスリがけ→塗装→組み立て」という流れを知り、それに必要そうな物を買いに行く。
電車で1時間ほどのところにホビーショップがあるにも関わらず、その電車賃をケチり自転車で回れるホームセンターで、ラッカースプレーやヤスリ、ホビー用の接着剤を買い集めたのだが、そこでプラモデルが販売しているのを見つけてしまう。そして改めて販売されているパーフェクトグレードを前にして日和ってしまう二人。とりあえずは一回り小さいキットであるマスターグレードで練習をしてからと、予定を変更し「MG ゲルググ」「MG ドム」を購入して、遠回りをする二人であった。
まだまだ遠回り!
準備も万全!作るプラモデルも決まってスナガガ宅に集まる二人。早速作成を開始し、ネットで調べたように全パーツをしっかり食器洗剤で洗浄する。工場でプラモデルを製造する際に付着する油を落とすためらしい。しっかり天日干しにして乾かす。
そんなことをしているとY君に異変がおきた。スナガガ宅で買っていた猫により猫アレルギーを発症してしまう。急遽ゴーグルとマスクを買いに行くスナガガ。そのうちに日が暮れて、結局パーツを洗うだけで終わってしまった1日目、二人の遠回りはまだまだ続くのであった。