製造データの見える化と効率化を目指す「BEMAC製造データAI分析」 【AI人材育成講座成果発表会_チームJ】
はじめに
AI人材育成講座では、現場の課題をAIで解決するための卒業制作発表が行われました。
今回は、BEMAC株式会社の製造データをAIで解析・可視化することを目指して開発された「BEMAC製造データAI分析」に取り組んだチームJの成果と今後の展望をご紹介します。
このアプリは、製造工程におけるデータの整理・可視化と未来予測を目的としています。
製造データ管理の課題
BEMAC株式会社では、製造データの管理において次のような課題があります。
Excelを使った手作業のデータ統合
製造データはCSV形式で存在するものの、最終的な工程データはExcelに手作業で貼り付けて集計しており、データの統合が煩雑であることから、全体の可視化が困難でした。
作業パターンの不明確さ
年間20~30種類の作業が発生し、データからパターンを見出すことが難しい状況でした。これにより、過去データを活用しての効率的な工程計画が立てられないという問題が生じています。
限られた分析リソース
データの分析に時間がかかりすぎ、実際の製造作業に集中できない状況が続いていました。特に、全ての製品の分析を行う時間が不足しており、計画が不正確になることが多々ありました。
BEMAC製造データAI分析の機能と目標
「BM製造データAI分析」は、製造工程におけるデータの可視化と効率化を目指すアプリで、以下の機能を持っています。
リアルタイムなデータ可視化
CSVファイルをAzure上にアップロードするだけで、製造データが自動的に集計・可視化されます。Power BIを活用し、作業ごとの進捗や作業者別の時間配分がひと目で分かるようになります。
作業者別データの管理
作業者ごとのデータを見える化することで、個別の作業時間の把握や標準時間の見直しが可能になります。社員IDやWBS番号(製品オーダー番号)に基づいて、誰がどの作業にどれだけの時間を費やしたかを詳細に分析できます。
データの蓄積と日次更新
日々のCSVファイルをアップロードすることで、日次でデータが更新され、最新のデータに基づく分析結果をすぐに得られるようになりました。これにより、半年に一度の集計から日々の集計へと進化し、より迅速な意思決定が可能になりました。
開発の課題と今後の展望
「BEMAC製造データAI分析」の開発により、以下の効果が期待されます。
作業時間の適正化
作業者ごとのデータを可視化することで、作業者が自分の作業効率を把握し、改善につなげることができます。これにより、全体の作業時間の削減が期待されます。
作業計画の精度向上
作業者別・作業内容別の詳細なデータを集計することで、より実績に近い計画時間の設定が可能になります。これにより、計画と実績のギャップが縮小し、より正確な工程管理が可能になります。
データの応用拡大
将来的には、製品名や船種、発注先などの追加データを取り込むことで、より多角的な分析が可能になります。これにより、製品ごとの特性に応じた効率的な製造計画が立てられるようになります。
最後に
「BM製造データAI分析」は、製造現場におけるデータ管理の課題を解決することを目指して開発されました。今後は、より自動化を進め、作業者へのデータ共有を行い、効率的な作業と生産性の向上を目指していきます。
実際の発表の様子はYoutubeからもご覧いただけます。
本戦の様子はこちら
最後までお読みいただきありがとうございました。
SUNABACOのAI人材育成講座は、AIを利用したデータ分析を行い業務の問題点を洗い出して解決することができる人材の教育を目指しています。
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