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AI活用で受注予測を改善!熊本の大麦メーカーが挑む「ムギテック・インサイト」


AI活用で受注予測を改善!熊本の大麦メーカーが挑む「ムギテック・インサイト」

熊本県八代市にある大麦製造メーカー、西田精麦が、大麦製品の欠品を防ぐためにAIを活用した「ギテック・インサイト」という受注予測プロジェクトを発表しました。この取り組みは、AIとビッグデータを用いて将来の需要を予測し、受注の混乱を防ぐことを目的としています。


1. 大麦のポテンシャルとメーカーの課題

大麦は「スーパーフード」として健康志向の消費者に注目されています。特に食物繊維やカルシウムが豊富で、生活習慣病の予防効果も期待されています。西田社では大麦食品の売上増を目指していますが、テレビでの紹介などで需要が急増すると受注が製造能力を超え、欠品が発生する事態に。急な増産対応により、社員の負担も増し、機会損失にもつながっていました。



2. 「ムギテック・インサイト」で欠品を予測する

欠品を未然に防ぐため、西田精麦はAIを活用した「ムギテック・インサイト」を開発。社内データとGoogleトレンドを組み合わせて、消費者の行動と市場動向を分析しています。具体的には、以下のデータを用いました。

  • 社内データ: 過去の受注記録を基にしたAI分析。

  • 外部データ: Googleトレンドによる「大麦」の検索量。特にテレビ特集が組まれると検索量が上がり、数日後に受注が増えることが確認されました。

  • 経済指標: 経済産業省のデータと比較することでバイアスを排除し、より精度の高い予測を目指しました。

これらの分析から、欠品を防ぐために必要なリードタイムが約20日であることが分かり、今後はGoogleトレンドからデータを取得するシステムの構築も検討されています。


3. 予測モデルの効果と今後の展望

AIモデルの精度向上のため、1年間の予測期間から3か月単位に短縮する検証を行ったところ、より精度の高い予測が得られました。さらに、SNSトレンドを取り入れ、より早く需要変化を察知する仕組みも検討しています。現場の社員の負担を軽減し、年間5000万円規模の改善効果が期待されているとのことです。

今後、AI予測モデルの本格導入に向けて、社長への提案を行い、受注予測システムをプロダクトとして形にする方針です。


「ムギテック・インサイト」の取り組みは、企業の業務効率化と消費者への安定供給に役立つ可能性を秘めており、熊本の地場産業に新たな風を吹き込むことが期待されています。

審査員の反応

  1. 統計データの分析の深さ
    審査員は、チームAが発表に統計的な解析結果を組み込んだ点を評価。他のチームとは異なり、外部データと組み合わせて、需要予測を行う工夫が特に「ユニークで面白い」との意見が寄せられました。

  2. データソースの活用
    外部データ(特に経済産業省の化粧品や医薬品データ)とGoogleトレンドの検索データを活用することで、より実際の需要に近い予測を目指した点が高く評価されました。審査員からも「データ選定の理由をしっかり説明しており、説得力がある」との声が上がりました。


最後までお読みいただきありがとうございました。
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