特注案件管理をAIで効率化【AI人材育成講座成果発表会_チームQ】
はじめに
AI人材育成講座の卒業制作発表会では、さまざまな業務課題をAIで解決するプロジェクトが発表されました。
今回は、理科学機器の開発・販売を手掛ける企業を対象に、チームQが特注案件の管理効率化を目指した「チャットボット」の開発に取り組んだ成果をご紹介します。
この取り組みは、営業部門と技術部門の連携を強化し、特注案件のスムーズな進行を支援することを目的としています。
課題の背景
理科学機器を製造・販売する「平野さんの会社」では、標準品に加えて特注品の依頼も多く、以下のような業務課題が発生していました。
頻繁な打ち合わせ
特注案件では、営業部門と技術部門のやり取りが多く、時間がかかっています。
営業マンのスキルばらつき
要件定義のスキルに個人差があり、特注品の提案がうまくいかないケースが多々あります。
進行スピードの遅さ
案件全体の進行が遅く、顧客の要望に迅速に対応できていません。
過去案件のナレッジ活用不足
過去の特注案件の知見が活かされておらず、同様の案件が発生した際にスムーズな対応ができていません。
解決策としてのチャットボット開発
これらの課題を解決するために「過去の案件情報を活用するチャットボット」を開発しました。
特注品の対応を効率化し、営業マンのスキルのばらつきを補うことを目指しました。
データ収集と整形
業務現場から過去の特注案件データをExcel形式で収集し、Q&A形式に整形しました。
チャットボットの開発
Azure Language StudioのCustom Question Answering機能を用いて、過去案件のデータをAIに取り込み、チャットボットとして構築しました。このチャットボットは、営業マンが型番を入力することで、過去の特注事例や見積もり金額などを即座に表示することができます。
外部公開と運用テスト
作成したチャットボットはWEBサーバー経由でリンクが外部公開され、営業現場でのテスト運用が行われました。
検証結果と現場の反応
チャットボットを試した営業担当者からは、以下のようなフィードバックが得られました。
特注内容への理解向上
過去の特注案件情報を迅速に参照できることで、特注品の提案精度が向上し、対応に自信を持てるようになったという声がありました。
正確性への課題
表示される情報の正確性に不安があるとの意見があり、データの信頼性をさらに高める必要性が指摘されました。
営業スキルの底上げ
チャットボットの導入により、スキルが少ない営業マンでもベテラン営業マンのような対応が可能になる可能性を感じたという前向きな評価がありました。
今後の展望
チャットボットのさらなる改善と発展に向けて、チームQは以下の目標を掲げています。
案件情報の自動分類
特注案件を自動で分類し、類似案件の効率的な参照を実現することを目指します。
ダッシュボードの導入
案件情報を視覚的に管理できるダッシュボードを開発し、案件進行の可視化を進めます。
自動見積もりの実装
類似案件の見積もりデータを基に、特注品の見積もり作成を自動化することを目指します。
最後に
この「チャットボット」は、過去の特注案件の知見を活用し、営業のスキル差を埋めることで、特注案件の対応スピードと提案精度を向上させることを目的としています。
今後は、さらなるデータ整備と機能強化を通じて、ベテラン営業マンの知識をAI化し、誰でも効果的に使える仕組みに成長させていくことを目指します。
実際の発表の様子はYoutubeからもご覧いただけます。
本戦はこちらから
最後までお読みいただきありがとうございました。
SUNABACOのAI人材育成講座は、AIを利用したデータ分析を行い業務の問題点を洗い出して解決することができる人材の教育を目指しています。
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