繊維業界の業務効率化を目指す「ibox」 【AI人材育成講座成果発表会_チームL】
はじめに
AI人材育成講座では、業界の課題をAIで解決する卒業制作発表が行われました。
今回は、繊維業界の発注業務の効率化を目指したアプリ「ibox」を開発したチームLの成果と今後の展望をご紹介します。
このアプリは、手作業で行われていた受注・発注業務の自動化とデータの一元管理を実現することを目的としています。
繊維業界の現状と課題
愛媛県今治市に本社を置く田保株式会社は、1934年創業の老舗繊維企業です。
糸やボタン、ファスナーといった付属品を取り扱い、西日本でトップクラスのシェアを持っています。
しかし、国内市場の縮小とコロナ禍による需要減少により、同社は業務の効率化と新規市場開拓が急務となっています。
課題の具体例
手作業による業務負荷
現在、受注した製品の発注書は手書きで作成されており、1件の契約に対して10〜15枚もの手書き書類が必要です。
データの共有不足
情報は各担当者の手元にしかなく、社内でのデータ共有が不十分です。これにより、作業の非効率化やミスの発生が課題となっています。
経験則に頼る業務管理
顧客の要望に応じた発注データは、熟練者の知識や経験に頼る部分が多く、新人や未経験者にとってはハードルが高い状況です。
iboxの機能と目標
「ibox」は、繊維業界の受注・発注業務を効率化するために開発されたアプリで、以下の特徴を持っています。
発注書の自動作成
Excelファイルをiboxにアップロードすることで、発注書が自動生成されます。これにより、手書きによる発注書作成の負担を削減し、作業ミスを防ぎます。
データの一元管理と可視化
各担当者が個別に管理していた発注データを、Power BIを活用して一元管理し、さまざまな切り口で可視化できます。これにより、社内での情報共有がスムーズになります。
効率的なデータ分析
過去の受注データをAIで解析し、類似案件の発見や発注パターンの最適化が可能です。これにより、受注の増加と業務効率の向上が期待されます。
開発の課題と今後の展望
「ibox」の開発により、繊維業界の業務効率化が進むと期待され、以下の効果が見込まれます。
作業時間の削減
手作業で行っていた発注書作成が自動化され、時間の短縮とミスの軽減が可能になります。
データの活用と応用
商品ごとの詳細なデータをAIで吸い上げ、需要予測やコスト削減につながるデータ分析が可能になります。これにより、在庫の適正化や販売戦略の強化が期待できます。
業務標準化と新事業の創出
データの蓄積と分析により、標準的な業務プロセスが構築されることで、商品検索機能の追加や新規事業の検討が容易になります。また、輸出書類の自動生成など、さらなる業務効率化も視野に入れています。
最後に
「ibox」は、繊維業界に新たな価値をもたらすツールとして、業務効率化とデータ活用を推進します。
今後は、データの蓄積を進め、顧客とのシステム連携を図ることで、業務の安定化と新たなビジネスチャンスの創出を目指します。
繊維業界へのAIサービス提供を実現するため、チームLは引き続きiboxの改良と応用を進めていきます。
実際の発表の様子はYoutubeからもご覧いただけます。
本戦の様子はこちら
最後までお読みいただきありがとうございました。
SUNABACOのAI人材育成講座は、AIを利用したデータ分析を行い業務の問題点を洗い出して解決することができる人材の教育を目指しています。
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