手書き発注からデータ活用へ - 沖縄の卸業者「トップラン」が挑むDX改善【AI人材育成講座成果発表会_チームN】
はじめに
AI人材育成講座では、業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)をテーマにした卒業制作発表が行われました。
チームNは、沖縄に拠点を置く製氷・製造卸販売業者「株式会社トップラン」を対象に、手書き発注や経験則に頼る業務のデジタル化に取り組みました。
社員2名で運営するトップランは、地域密着型企業として成長しているものの、業務のアナログさが課題となっていました。
トップランの課題
トップランでは、以下の課題が業務の効率化を妨げています。
手書き発注の繁雑さ
118種類に及ぶ商品管理や発注業務が全て手書きで行われており、データの可視化が難しい状況です。
経験則に頼る生産・配送
生産計画や配送は現場の職人の経験に頼っており、若手社員へのスキル継承が困難となっています。
データの蓄積と活用の不足
業務データが紙で管理されているため、即時にデータを分析・活用できない状況が続いています。
チームNの取り組み
チームNは、トップランの業務効率化とデータ活用を目指し、以下の取り組みを行いました。
オンライン発注フォームの導入
顧客用のGoogleフォームを作成し、会社名、納品日、商品名、数量などの情報を入力できるようにしました。また、QRコードによる簡単なアクセスも可能にしました。
集計フォームと可視化
社内向けの集計フォームを作成し、注文日、気温、天気などの要因を入力することで、注文データをGoogleスプレッドシートに反映させる仕組みを構築しました。これにより、紙ベースの管理をデータ化し、一目で確認できるようになりました。
データ分析と結果
ExcelデータをAIで分析し、曜日別の出荷傾向を把握しました。具体的には、水曜日に出荷数が少ないことが判明しました。また、トップランの担当者が指摘した「天候や気温による変動」は、沖縄の温暖な気候特性からデータ上で明確な相関が見られませんでした。
今後の課題と展望
今回の取り組みを通じて、以下の改善案と展望が浮かび上がりました。
営業ドライバーのルート管理
現在の配送管理をデータ化し、ルート最適化や倉庫内在庫の動きに基づく出荷アプリの開発を検討します。
公式ホームページへの発注フォーム導入
トップランの公式サイトに発注フォームを追加し、大口注文の予測を強化します。地域イベントや需要変動に対応するデータ収集も進め、より柔軟な在庫管理を目指します。
手書きFAXからの脱却
将来的にはFAXから専用発注フォームへの完全移行を目指し、顧客との関係強化と情報の蓄積を進めます。
最後に
今回のプロジェクトでは、手書き発注や経験則に頼る業務をデジタル化し、データの蓄積と分析を通じて業務の効率化を実現する道筋を示しました。
これにより、経験の可視化やスキルの継承が可能になり、サービス向上と業績のアップを若い世代へと引き継ぐ基盤が整うことを目指します。
実際の発表の様子はYoutubeからもご覧いただけます。
本戦の様子はこちら
最後までお読みいただきありがとうございました。
SUNABACOのAI人材育成講座は、AIを利用したデータ分析を行い業務の問題点を洗い出して解決することができる人材の教育を目指しています。
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