工場の情報共有を効率化する「みんなをつなぐアプリ」 【AI人材育成講座成果発表会_チームE】
はじめに
AI人材育成講座では、AIを活用して現状の業務が抱える課題を分析し、解決策を提案する卒業制作発表を行いました。
今回は、チームEが開発した「みんなをつなぐアプリ」の取り組みと今後の展望についてご紹介します。
このアプリは、製造現場における進捗管理と情報共有の課題解決を目指したものです。
開発に至った背景
チームEのメンバーは、船舶製造業を営む株式会社新来島どっくに勤務しており、新造船に取り付けるパイプの製作を担当しています。現在、職場では以下の4つの大きな課題があります。
複数の進捗報告方法による負担
進捗報告はバーコードリーダーや手作業による紙ベースの報告など、3つの異なる方法で行われており、作業者にとって非効率的です。
作業状態の可視化不足
図面が工場に届いてから製作が完了するまでの進捗状況が上層部に共有されておらず、具体的な指示を出しにくい状況です。
過去の作業実績データの記録不足
生産量の増加に適切に対応できず、作業の遅延や残業の増加が発生しています。
紙ベースの情報共有
重要な情報が紙で管理されているため、リアルタイムな共有が難しく、効率的な作業が妨げられています。
これらの課題を解決するため、情報のデジタル化と共有の効率化を目指して「みんなをつなぐアプリ」の開発に着手しました。
みんなをつなぐアプリの機能と特徴
「みんなをつなぐアプリ」は、進捗管理をデジタル化し、作業の効率化を支援するアプリで、以下の6つのポイントを備えています。
紙の使用を減らし、進捗をスマホで可視化
工場内の広範囲に設置された掲示板や紙の報告書に代わり、スマホ上でリアルタイムな情報を提供し、作業者の移動時間を削減します。
進捗報告の自動化
作業開始と終了時にスマホ上のボタンを押すだけで、進捗が記録され、自動的に集計されます。
作業時間のカラーバー表示
作業の所要時間がパイプの本数に基づきカラーバーで可視化され、進捗がひと目でわかるようになります。
要因選択機能
作業の遅延や早期完了の原因を選択式で記入でき、詳細な分析が可能になります。
残業時間の管理
作業後の残業時間が入力され、全体の進捗表に自動反映されます。
作業時間の予測機能
予定された作業量に基づいて必要な作業時間を自動で算出し、効率的な作業計画が立てられます。
開発の課題と今後の展望
「みんなをつなぐアプリ」の導入により、進捗管理が効率化され、以下の効果が期待されます。
労働時間と残業の削減
作業進捗がリアルタイムで共有されるため、作業の重複や遅れが減り、残業時間が減少します。
情報共有の迅速化
紙ベースの情報共有がスマホ上で完結することで、リアルタイムな情報伝達が可能になります。
予測精度の向上
今後のデータ収集と分析により、作業効率をさらに向上させ、熟練度別の予測モデルも構築できる可能性があります。
しかし、現在の課題としては、十分なデータ収集がまだ行えていないことが挙げられます。今後は、さらに多くのデータを収集し、作業効率のさらなる向上を目指します。
最後に
「みんなをつなぐアプリ」は、作業現場における情報共有のボトルネックを解消し、効率的な生産体制を支援するツールです。
今後は、データ分析の精度を高め、より多くの製造現場で導入されることを目指して改良を重ねていきます。
実際の発表の様子はYoutubeからもご覧いただけます。
本戦の様子はこちら
最後までお読みいただきありがとうございました。
SUNABACOのAI人材育成講座は、AIを利用したデータ分析を行い業務の問題点を洗い出して解決することができる人材の教育を目指しています。
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