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AI卒業発表会 優勝チームインタビュー:現場の経験と勘からAI予測へ、「パイプ部品発注の未来を変える」


はじめに

AI人材育成講座では、AIを用いた現状の業務が抱える課題分析から解決するための卒業生制作発表を行い、複数チームでトーナメント方式の発表を行いました。

今回の卒業発表会では、チームDが見事優勝を勝ち取りました。彼らの発表は、AIを活用して船のパイプ部品の発注数量を予測することで、従来の経験と勘に頼る方法を根本から改革するというプロジェクトでした。

このnoteでは、アプリの開発経緯と今後の展望についてまとめていきます。

アプリ概要

アプリ概要

チームDが開発した「パイプ材料使用数量予測ソフト」は船舶に使用されるパイプ部品の発注数量をAIで予測するシステムの開発です。

抱えている課題

このアプリでは、船舶の部品の発注数と使用数の乖離により発生している発注ロス・金銭的なロスをなくすためのアプリになります。

この問題は発注の担当者の経験と勘で数を決定しているために発生しており、今回はそこにAI予測により解決を図ることがアプリ開発の目的になります。

発表のポイント

船舶のパイプ部品は、一席当たり最大で2万本、部品点数は5万点を超える規模で使用されているため、特にロスが大きかったので、今回はこのロスを無くすことに注力しました。

船舶で使われているパーツの点数

これらの管理データをAIに学習させ、機械学習・AIに適応させることが可能であることが分析の結果分かりました。

各種管理DBをAIに活用

それらのデータを早速線形回帰、ランダムフォレスト、GBDT(勾配ブースティング決定木)といった複数の機械学習アルゴリズムを試行を行い、最終的にGBDTモデルが最も高い精度を示し、予測に採用することにしました。

各モデルの比較と検討

完成したアプリを18隻を使って精度を検証しました。

1/4以上の部品で良い結果が得ることができ、そのほかのデータがまだまだ学習が少ない部分があり、今後のデータの蓄積による精度の改善が期待できます。

アプリの検証結果

より細かく改善された部分をを見ていくと、部品の仕様数と乖離数の縮小を可能にしており、特に今回改善を進めてパイプ周りの部品は使用数とAI予想数がほぼ合致しているなどかなり高い精度で予測することができました。

今回の結果から、今後の大幅なロス改善と効率改善が期待できます。

パーツごとの改善結果

今後の展開

今後の展望

今後もさらにデータの収集・精度向上を図り、他の部品や業務プロセスにもAIを導入していく計画です。

また、船舶の製造業界以外の分野でも、AIを活用した発注管理の仕組みは応用可能であり、今後の展開が期待されます。

最後に

今回の発表で示されたのは、単なる技術革新ではなく、データから問題を分析して、問題解決の手段としてAIを活用することで現場の負担を軽減し、誰でも正確な意思決定を可能にであることが分かりました。

実際の発表の様子はYoutubeからもご覧いただけます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

SUNABACOのAI人材育成講座は、AIを利用したデータ分析を行い業務の問題点を洗い出して解決することができる人材の教育を目指しています。

ご興味がございましたらぜひお問い合わせください。


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