「WADATSUMIプロジェクト」:BEMACの業務効率化を目指すAI文字起こしツールの開発 - チームBの挑戦
はじめに
AI人材育成講座の卒業制作発表会では、各チームがさまざまな業務課題をAI技術で解決するプロジェクトを発表しました。
チームBは、今治市のBEMAC株式会社の依頼を受け、社長インタビューの文字起こし業務の効率化を目的とした「WADATSUMIプロジェクト」を開発しました。
BEMACは、世界中の船会社を支える産業機器メーカーであり、今回の業務改善依頼は総務秘書課の村上さんからのものでした。
総務秘書課では、社長のインタビュー内容や講演会の文字起こし・構成編集を行っており、業務に多大な労力と時間がかかっていることが課題でした。
業務課題の背景
BEMACの総務秘書課が直面している主な課題は以下の3点です。
時間と労力の負担
手作業での文字起こしや修正に多くの時間がかかり、業務負荷が大きい状況です。
聞き取りミスや誤変換の発生
正確さが求められる作業において、ミスが発生することが問題となっています。
作業効率の低下
大量の音声データを処理する際、遅れが生じ、迅速な業務対応が難しくなっています。
「WADATSUMIプロジェクト」の概要
これらの課題を解決するために、チームBはAIを活用した「WADATSUMIプロジェクト」を立ち上げ、次の3つの機能を持つ業務改善ツールを開発しました。
音声データのAI文字起こし
Microsoft AzureやGoogle Cloudの文字起こし機能を活用し、迅速かつ正確に音声データを文字起こしします。
リアルタイムでの議事録作成・要約
AIが音声内容を解析し、要約や議事録を自動生成します。
社長の発言内容の一括検索・抽出
過去のインタビューや講演の発言内容をデータベース化し、Wikipedia形式で検索・抽出が可能な「Wikiオダッチ」を開発しました。
「Wikiオダッチ」の特徴
「Wikiオダッチ」は、社長の発言をデータベース化し、過去の発言内容を参照できるチャットボットです。
例えば、「BEMACの社風について」といった質問を音声やテキストで入力すると、過去のデータから該当する回答を即座に表示します。
これにより、文字起こしだけでなく、知識共有や業務改善に向けた新たなステップを提供しました。
導入効果
「WADATSUMIプロジェクト」の導入により、以下の効果が得られました。
業務時間の大幅削減
文字起こし作業が3時間から1分に短縮され、総務秘書課の負担が大幅に軽減しました。
業務フローの標準化
「Wikiオダッチ」により、属人性が排除され、誰でも対応可能な業務フローが確立されました。
AIオダッチの開発への期待
さらなる開発として、AIを活用した高度な会話型チャットボット「AIオダッチ」を目指しています。これにより、社長の考え方を社員に共有し、AIが社員の相談に対応する仕組みを構築する予定です。
モニタリング結果と今後の展望
村上さんをはじめとするBEMACの関係者からは、「文字起こしの苦痛から解放された」「Wikiオダッチが使いやすく楽しい」といったポジティブなフィードバックが寄せられました。
また、さらなる改善として、AIオダッチの開発に向けた期待が大きく寄せられました。
今後は、小田社長の許可を得て、AIオダッチの開発を進めるとともに、WADATSUMIプロジェクトの機能をさらに強化し、BEMACの業務効率化と知識共有の促進に貢献する予定です。
最後に
チームBの「WADATSUMIプロジェクト」は、AIを活用した業務効率化の一例として、BEMACの業務改善に大きく貢献しました。
今後もAIを活用し、さらに進化した業務改善ツールを開発することで、BEMACの未来を支えていくことを目指しています。
実際の発表の様子はYoutubeからもご覧いただけます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
SUNABACOのAI人材育成講座は、AIを利用したデータ分析を行い業務の問題点を洗い出して解決することができる人材の教育を目指しています。
ご興味がございましたらぜひお問い合わせください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?