骨粗鬆症治療を支える新たなAIツール「Osteo Smart」【AI人材育成講座成果発表会_チームM】
はじめに
AI人材育成講座では、AIを用いた現状の業務が抱える課題分析から解決するための卒業生制作発表を行い、複数チームでトーナメント方式の発表を行いました。
このnoteでは、骨粗鬆症診療データ収集・治療選択支援アプリ「Osteo Smart」を開発したチームmの、開発経緯と今後の展望についてまとめました。
骨粗鬆症とは?
骨粗鬆症は、骨がもろくなり、骨折のリスクが高まる病気です。
日本国内では約1300万人の患者がいるとされ、特に65歳以上の3人に1人が罹患しています。
重篤なケースでは、大腿骨の骨折が年間25万人発生し、うち8万人が屋外歩行が難しくなるという、社会的な課題でもあります。
開発に至った背景
医療現場では、骨粗鬆症の診断基準や治療薬の選択が難しく、多忙な医師たちが効率的に治療を進められない状況があります。
20代の若手医師から60代のベテラン医師まで、薬剤選択の困難さが日々の業務に影響を及ぼしており、特に薬剤の種類が多岐にわたることが原因の一つです。
この課題を解決するために、医療従事者をサポートするOsteo Smartの開発に取り組みました。
Osteo Smartの機能と目標
Osteo Smartは、医療従事者の業務を効率化し、患者に最適な治療を提供することを目的としたアプリです。
具体的には、以下の2つの機能を備えています。
データ収集の自動化
骨密度、血液検査、骨折歴などの情報を迅速かつ正確に収集し、AIで分析することで、効率的な治療選択が可能になります。ベテラン医師の処方の再現
経験豊富な医師の暗黙知をアプリに取り入れ、若手医師でも適切な薬剤選択を行えるようにすることを目指しています。
開発の課題と今後の展望
この2週間で、膨大なデータを自動的に収集し、AIを用いて分析する仕組みの構築に取り組んできました。
現時点では、画像からテキストデータを抽出し、Googleドライブとスプレッドシートに保存する部分の実装に成功しています。
しかし、異なるレポートフォーマットへの対応や、ベテラン医師の判断を完全に再現する点に関しては、まだ改善の余地があります。
また、Azureの機械学習を駆使しつつも、最適な薬剤選択を再現する部分は未達です。
ただし、今回の開発を通じて、骨粗鬆症に限らず、複数のパラメーターを用いた治療薬選択のパターンが他の病気にも応用可能であることを確認できたのは、大きな成果と言えます。
最後に
この経験を活かし、引き続きOsteo Smartの改良を進めていきます。
骨粗鬆症に苦しむ患者の生活の質を向上させるために、医療従事者がより効率的に治療を提供できる環境を目指します。
実際の発表の様子はYoutubeからもご覧いただけます。
本戦の様子はこちら
最後までお読みいただきありがとうございました。
SUNABACOのAI人材育成講座は、AIを利用したデータ分析を行い業務の問題点を洗い出して解決することができる人材の教育を目指しています。
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