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DX人材育成講座卒業制作発表:チームC【保護猫の「推しねこ」を見つける新たなアプローチ】


はじめに

DX人材育成講座では、現状の業務が抱える課題を分析し、それを解決するための卒業制作を行い、複数チームでトーナメント方式の発表を行いました。

このnoteでは、保護猫カフェ「Myao」の業務改善と猫の譲渡促進を目指しし、猫の“推しねこ”を活用したユニークなアプローチから課題解決に挑んだチームCの発表についてご紹介します。

課題の背景

チームCが支援したのは、石油会社が運営する保護猫カフェ「Myao」。この施設は、保護猫の里親探しを目的に、4年前から猫カフェスタイルの譲渡施設として運営されています。現在、約80匹の保護猫が生活しており、「佐賀県の保健所の猫の殺処分を0にする」という使命のもと、猫の引き出しから譲渡までの取り組みを行っています。

しかし、譲渡数は月に1匹程度。SNSや譲渡イベントの開催など、様々な手法を試しているものの、来店者から里親を見つけるのは容易ではありません。

解決へのアプローチ

チームCは、「保護猫を幸せにする」というテーマをもとに、保護猫カフェのスタッフ業務を効率化し、適切な里親を見つけ出す仕組みを考案しました。彼らが開発したソリューションが、「推しねこ」です。

このソリューションは、来店者が自ら「推しねこ」を見つけられる仕組みを提供することで、猫と里親の“出会い”を支援するものです。

プロジェクトの流れ

チームCは、SUNABACO式のユーザビリティエンジニアリングを活用し、関係者やカフェスタッフへのヒアリングを実施。現状(As-Is)を把握したうえで、理想の状態(To-Be)を明確化し、プロダクトバックログをもとに開発を進めました。

第一弾のソリューション:アンケートアプリ

最初にリリースしたのは、来店者向けのアンケートアプリ。来店時にアンケートを記入してもらい、顧客情報を収集する仕組みです。

  • 目的:スタッフの業務負担軽減と里親候補の見極め

  • 成果:初回の回答率は約60%を記録

しかし、2回目の回答率は約40%に低下。アンケートの質問数が多すぎたことが原因で、ユーザー体験が悪化してしまったのです。

さらに、過去の里親アンケートを見直した結果、「猫をお迎えしたい」という目的で来店するお客様は約40%に過ぎず、「Myao」で猫と出会ったことで“お迎えしたい”と感じた人が多いことが判明しました。

第二弾のソリューション:「推しねこ」機能の導入

上記の気づきをもとに、来店者の行動に着目し、里親を増やすために、“推し活”の仕組みを取り入れたアプリを開発しました。

  • 推し猫機能
    来店者が自分の「推し猫」を見つけられる機能を導入。アイドルグループの推しメンを見つけるように、たくさんの猫の中から推し猫を選べる仕組みです。

  • ランダム表示機能
    来店者が「こんな猫がいるのか」と気づけるように、ランダムに猫を表示する機能を追加しました。これにより、運命的な出会いを生むきっかけが生まれました。

  • 猫図鑑の導入
    推し猫がより深く理解できるよう、各猫のプロフィールが見られる「猫図鑑」を用意しました。

  • 投票機能
    来店者が「この子が推し猫だ!」と思った場合、投票ボタンを押すことで、その猫のランキングが上昇する仕組みも加えました。

  • 猫診断機能
    楽しみながら質問に答えると、自分に合った猫のタイプが診断され、推し猫を見つけることができる新しい仕掛けです。この診断の中で、里親候補の情報も自然に取得する仕組みが導入されています。

結果と今後の展望

こうした取り組みの結果、「推しねこ」の仕組みを通じて、1匹の猫の里親が見つかりました。さらに、運営母体でもある石油会社の方からは、稟議も通り「今後もこのソリューションを続けても良い」との評価を得ています。

  • 「推し猫のお迎え」体験の可視化
    どのような手続きで里親になれるかをわかりやすく説明し、来店者が具体的なイメージを持てるような施策を追加予定。

  • 体験談の共有
    これまでに里親となった人のインタビュー記事や体験談を掲載し、「自分もできるかも」と感じてもらうための後押しをしていく計画です。

  • 他の猫カフェへの展開
    保護猫のための猫カフェが全国に増えることで、より多くの保護猫の里親が見つかる社会を目指しています。

まとめ

チームCの「推しねこ」ソリューションは、猫の“推し活”を活用した新しい里親探しのアプローチです。来店者は、ただ猫と触れ合うだけでなく、自分の「推し猫」を見つけるという楽しい体験ができます。

この体験の中で、自然と猫のことをより深く知り、気がつけば「お迎えしたい」と感じるようになる仕組みがポイントです。保護猫の里親探しという社会課題に対して、“推し活”というトレンドの要素を活用した新しいDXソリューションは、今後の猫カフェ業界にも大きなインパクトを与える可能性を秘めています。

実際の発表の様子はYoutubeからもご覧いただけます!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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