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経営改善への第一歩 - 「わらしべ」卸業者の在庫管理効率化に挑む【AI人材育成講座成果発表会_チームH】



はじめに

AI人材育成講座では、現場の課題をAIで解決することを目的に、複数のチームが成果を発表しました。

今回は、柑橘類卸業者「わらしべ」の経営改善を目指したチームHの取り組みをご紹介します。

わらしべは、2019年に創業し、順調に成長してきましたが、代表の岡さんは多忙な日々に追われ、経営に集中できず、プライベートの時間も限られているという課題を抱えています。


わらしべの課題

わらしべでは、集荷業務に多くの時間とコストがかかっていることが経営のボトルネックになっています。具体的には、以下のような問題が存在します。

  1. 集荷作業の負担

    • 商品の在庫が不足した際に生産者へ発注し、直接商品を取りに行くため、移動や積み下ろしに多大な時間と労力が必要です。

  2. 不定期な注文

    • 不定期な発注が生産者にとっても負担となり、安定供給の妨げになっています。

  3. 在庫管理の非効率

    • 現在、わらしべでは在庫管理が十分にデジタル化されておらず、過去の注文履歴や在庫データの記録が紙ベースでしか存在していません。これにより、適正な在庫予測が難しくなり、集荷回数の増加や在庫の無駄につながっています。


チームHの取り組み

チームHは、岡さんの労働時間を減らすために、わらしべの在庫管理を改善する方法に注目しました。

まずは、ネット販売の販売データを基に、在庫の最適化と集荷回数の削減を目指しました。具体的な取り組みは以下の通りです。

  1. EC販売データの分析

    • 過去のネット販売データを収集し、商品の総重量や発注の傾向を分析しました。このデータを基に、商品の需要予測を行い、在庫の適正量を見積もることを試みました。

  2. キャンセル注文の分析

    • 販売データだけでなく、キャンセルされた注文の総重量も分析し、需要に応じた安全在庫の確保を目指しました。これにより、過剰在庫や欠品を減らし、在庫管理の効率化を図ります。

  3. 在庫予測の最適化

    • 季節ごとの需要に応じた在庫量を予測し、無駄な在庫を抱えずに廃棄や欠品を最小限に抑える体制を構築します。これにより、安定的な供給と経営の効率化を実現します。


開発の課題と今後の展望

わらしべの在庫管理効率化に向けた取り組みは、以下の課題と展望があります。

  1. データの共通化

    • 商品名や単位が部門ごとに異なり、データ分析が複雑になっているため、部門間でのデータ共通化が必要です。これにより、より正確な在庫管理と効率的な業務運用が可能になります。

  2. データ収集の仕組み化

    • 運行管理や在庫管理のデータ収集を自動化し、効率的な予測を行える仕組みを整備する必要があります。これにより、より精度の高い需要予測が可能となります。

  3. 経営者の業務負荷軽減

    • データのデジタル化により、経営者が日々の業務から解放され、将来的なビジネス戦略に集中できる環境を整えることを目指しています。


最後に

チームHの取り組みは、経営改善の第一歩として、データの重要性を改めて認識するものとなりました。

「データにできない情報はゴミ」との教訓を胸に、わらしべはAIを活用した効率化と業務改善に取り組んでいきます。

今後もさらなるデータ分析と自動化を進め、より良い経営環境を実現することを目指しています。


実際の発表の様子はYoutubeからもご覧いただけます。

本戦の様子はこちら

最後までお読みいただきありがとうございました。

SUNABACOのAI人材育成講座は、AIを利用したデータ分析を行い業務の問題点を洗い出して解決することができる人材の教育を目指しています。


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