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アレック・ソスの静謐さに染まる「部屋についての部屋」

東京都写真美術館でアレック・ソスの展示を見てきました。

なのでちょっとした感想と、展示前後にチェックした彼のインタビュー記事を備忘録としてまとめておきます。

展示の詳細はこちら↓

ソスのことは名前や写真をさらりと知っている程度で、実際の写真を見るのは今回が初めてでした。以前に見たホンマタカシの対談記事で二人が写真家や映画のシーンをぽんぽん言い合うのを見かけ、このクラスになっても今なお色々な人から影響を受けるのかと驚いたことが妙に記憶にあるというか、この記事の印象が全て…。

この対談、興味深いのでぜひ読んでみてください。二人の探究心の強さをとても感じますし、今回の展示のポスターにもなっている写真についてのお話もされていますよ。

展示は全て写真OK。
これから見に行く方が多いと思うので
この写真以外は遠めに載せますね。

今回は部屋にフォーカスを当てた展示でしたが、ほぼ8×10の大判フィルムでの撮影というだけあり、想像以上の力強さに圧倒されました…。web上で見ていた時は大判を感じさせないような素朴さがあるように感じていたんですが、全くの見当違いだったことが入ってすぐに判明。。

データでの写真と展示の写真の違いについては以前の展示でのインタビューでも語られているのを見終わった後に見つけて、まさしく、と納得です。

これまでも初めて私のプリント作品を見た方に驚かれたことは少なくありません。そのたびに、多くの人は携帯電話やコンピューターの画面、写真集の中だけで私の作品を見ていることに気付かされます。私はよく音楽に例えるのですが、 スクリーン上で見るのは“ストリーミング”、写真集は“アルバム”、展覧会は“コンサート”に近い。コンサートでは、生のミュージシャンが目の前にいて、音も大きく、ベースを体で感じることが出来ますよね。展示も同じように感じてもらえると嬉しいです。

IMA インタビューより


サイズの違いはどのように分けているんだろう

撮影も照明も全て計算づくで撮っているので安易に近寄らないでね、という警告を感じるようなただならぬ空気感のものが多く、「わあ素敵ー」とのんびり眺められるものがほぼないぴしぴしとした緊迫感とその隙間に漂う哀愁さに背筋が伸びます。

これまで彼が撮った中で部屋に関するものを集めた
総集編のような展示方法。
6つのゾーンに分かれていました。

そして異質な部屋が多すぎて、この部屋は一体……?と、すぐに思考が部屋の内部に持っていかれてしまう。生活しているところが想像できないような不思議な部屋をどうやってたくさん見つけてくるのだろう。

ポスターを含めた日本で撮影された5枚には他の写真のような緊迫感をあまり感じなかったのも印象的でした。馴染みのある土地や空気のせいなのか、理由はわからないし、自分だけかもしれないですが。


展示の外にある休憩スペースでは、写真集も楽しめます。私が座ったテーブルには「Sleeping By the Mississippi」がありました。

良い光が差していた

この写真集については最近の動画でトモコスガさんがとてもわかりやすく解説されています。自分では読み解けない部分を明確に言葉にしてもらえると、こうやって写真を見ればいいんだなととても勉強になるのでありがたい。しかも楽しそうに解説されているのがいつも素敵です。


早速窓越しに撮る
微かに見えるテーブルで写真集が見れます
東京都写真美術館ってこの市松模様の床がかわいくて
入る前からわくわくしません?

webで見ていたイメージとはがらりと変わったので展示が見られて本当によかったです。大判のプリントを間近で見れるだけで貴重で贅沢な時間でした。

最後に…
ソスのインスタを見ていたら、ホンマタカシが大判カメラで撮影しているシーンが掲載されていました。(冒頭に載せた対談の際の動画かな)とても大きなシャッター音に、ただただ驚き。。撮られる時にびくってならないのか心配になりました。私ならなる…。

大判カメラってどれもこんな音がするのでしょうか…?

今年の冬に写真美術館で展示していた
ホンマタカシの作品をみる私。
こちらはとても難解な展示だった。。


次に行く展示ももう決まってるのです。前々からとってもとっても楽しみにしているので、また備忘録を書いた時はお付き合い頂けると嬉しいです。

普段はXに写真を投稿しています。

展示を見た日に渋谷から恵比寿まで歩いた日の写真
02がお気に入り


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