はじめての老眼鏡②
前回のnoteでは、初めて作成した遠近両用メガネがあまりうまくフィットしなかったという結果になった。
なぜ失敗したのか
失敗した要因として考えられるのは大きく3つ。
まず先に2つの要因について記載する。
収差(歪み)を甘く見ていた
視線が下図の白抜きの部分を通ると、遠中近いずれのピントにも合わずぼやけた像を結ぶことになる。遠近両用(累進レンズ)を使うにはコツがいる
前述の通り、遠近両用メガネは視線移動で任意の領域を使う必要があるので、初めて遠近両用を使う僕には難易度が高かった。
この2点を解決する方法は以下の通り。
収差が少ないレンズを使う
レンズのグレードを上げる(=価格は高額になる)事で収差を減らす事はできるが、いくら収差を減らしたとしても、極端な話、それがレンズのど真ん中に位置していたら意味がなく、同時にどの位置に収差を配置するかが重要。
メリット:収差を減らせる
デメリット:収差をゼロにする事はできない視線移動を加味する
上記ではコツと書いたが、つまりは「レンズの使用可能な領域と視線移動の関係に慣れる」と言い換える事ができる。
収差を完全に無くす事はできないのは前述の通りだが、視線を移動させた際に邪魔にならない位置に収差を配置する事で極力収差を意識しない様にする事はできる。
要は、完成品に対して人間が合わせる(慣れる)のではなく、人間に対して製品が合わせる。
メリット:収差の影響を極力減らせる
デメリット:視線移動には個人差があるので調整が困難
最後にもう1つの要因について。
フレームの選択を誤った
今回僕が選んだフレームは以下のMasaki Matsushimaだが、これは通常のメガネよりも内側に歪曲し、ややレンズが傾いている。
当然、レンズも顔に対して沿うように配置されることから、通常よりも歪みの影響が大きくなったのかもしれない。
この点については知識不足が招いた結果とも言えるが、解決する方法は以下だと思う。
フラットなフレームを選ぶ
なるべくテストレンズと同じ傾斜角などのフレームを選ぶ。要はノーマルなフレームを選ぶ。
レンズのグレード違いに関しては実物があるわけではなかったので、イラストなどから想像するしかなかった。
しかし、遠近両用が初めての僕にとってはこの予想が難しすぎた。
また、フレームの選択に関しても、通常のメガネと同じくデザインのみで選んでしまったのが間違いだった。
今から考えると、遠近両用メガネを主軸に考えた場合、選択可能なフレームは限られてくるか、前傾角などを考慮した歪みを考えなければおかしい。
累進レンズの性質上、レンズの傾きが変わると見え方が変わるからだ。
現在の僕の遠近両用メガネは通常よりも前傾角が大きいためこの傾向が出てしまったと考えられる。
失敗した後ならわかる事だが、初めての遠近両用メガネを買う際にここに気づく人はどれほどいるのだろうか。
買い手側が上記の点に気づくのが難しいとすると、ここは売り手側の知識に期待したかったところである。
解決方法
では、どうすれば以下すべての問題を解決できるか。
視線移動を加味する
収差が少ないレンズを使う、最も収差が少ないレンズを選択する
フレームの特性と収差を包括的に考える
これらをきれいに解決するのにはvarilux(バリラックス)しかないと思っている。
variluxの特徴としては以下がある。
AIによる視線予測
僕は何でもかんでも「AI」という言葉を使うのが大嫌いだ。そういう意味で、ここで使われているAIという言葉には微塵も魅力は感じないが、variluxは普段僕が良く使う視線移動パターンからレンズの使用頻度が高いエリアと低いエリアを振り分ける事ができる。現在製品化されている中では最も収差が少ない
メガネ屋さんで見せてもらった資料によると、強いて競合と呼ぶならばHOYAのindividualシリーズではないかと思うが担当の方いわく、やはりVariluxの方がグレードは高いとのコメントだった。
上記で項目1、2についてはvariluxでクリアできる。
しかし、項目3のフレームについては売り手側の知識レベルが必要とされる。
この点を解消する方法は、その製品(今回ならvarilux)のプロがフレームも加味した全体的な判断をする事である。
どの店舗で検査、作成をするか
この点を解消する為に、いくつかの店舗を検索した。
最初はvariluxを取り扱っている一般のメガネストアを中心に検索したが、どうやら視力検査に使う機器に違いがある可能性がわかってきた。
せっかくvariluxの様なカスタマイズ可能なレンズを作るので、最適なスタッフや機器を所有している店舗に行きたいと考えた。
結果、Variluxの製造販売をしているのがニコン・エシロールという事もあり、表参道にあるニコンメガネで検査を行うことに決めた。
次回
ニコンメガネでの測定
参考サイト
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